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アートに触れる ー江之裏測候所|自分放牧中にやっていることシリーズ

夏至にほど近いある日、江之裏測候所(杉本博司 2017)へ行ってきました。予習一切なしで初めての訪問、写真メインです。

AM 10:00 参道
美しい木漏れ日に誘われるように


根府川駅9:45発の無料送迎バスに乗車すると、開門少し前に到着するので、門前のCafeでビタミンと水分を補給するのが超おすすめです! この日は記録的猛暑日でした・・・

Cafeからの眺め
丘を駆け上がってくる海風心地よく、
石のテーブルと椅子はあっちっち
敷地内で採れた柑橘の自家製ジュース
ビタミン満点、ソーダ割りがおすすめ
熱中症厳重警戒のこの日は溶けるような暑さ
でも、このジュースのおかげで、
まだ万事休すしたわけではないのである!

受付をすると、各作品の説明が書かれた立派なパンフレットをもらうことができるのですが、まずは読まずにいつも通り、自分の感性のままに鑑賞するスタイルで回ってみます。

石の重厚感が成せる技なのか、周囲の壮大な自然にも負けない圧倒感があって、作品の中に入り込んじゃう感じ
夏至の日は向こう側の先に朝日が登る
ところどころ空気感がある木や、ガラスが使われていて、抜け感バッチリ
丸石で表現された海を、苔と石の船が走っているように見えたのですが、この辺りの小松石を景石にしたものだそう
心静まります


100m の廊下を抜けると・・・

朝の空 穏やかな海 柑橘畑
あまりに素敵なので、シート敷いて横になって肘ついて海を眺めている人かと思ったら、なんと亀でした
そしてお待ちかねの舞台
国内のファッションブランド sacai が、2021年春夏コレクションを発表した場所でもあるのよね
横向き珍しい?
みんな海の方向を見て写真撮るんだって
立っているところを下から見上げる
中に入ることもできる 爽やかな風を感じる
作家の代表作の一つ「海景」そのもの
どんどん後退りして
途中に氷!真夏の暑い時に見るだけで涼しくなりますと思っていたら、採光のための井戸だそう(四角い天窓が映り込んでいる)
筒から出たところ
牛乳パックで望遠鏡を作ったのを思い出す
森の中へ
【石棒】縄文時代後期
人々の営みが確かにあったことを感じる
【ヤシの葉と魚】始新世 5500万年 - 3800万年前
想像もつかない、途方もない数字であるようで、地球の歴史からすれば、なんてことないのかな
これは木ではなくて、木の化石!6500万年前って、もうよくわからん
はるか昔に思いを馳せて歩けば、突然現れる近未来的人工物!勢いよく上昇するエネルギー感、横に走る節も、もうタケノコにしか見えないのに、これは数理模型
これも、数理模型
これは、森に生えている木
数理模型と完全にリンクしてるように見える

竹林のあたりは、作家の遊び心を垣間見たような気がして「ね、竹だと思ったでしょ?面白いでしょ?」と作家の声が聞こえてくるような、こないような笑、こういう勝手に自由に解釈できるアートの寛容さが好き。

「あれはぜったい竹のオブジェでしょ!」とドヤ顔
実は数理模型だったということは、3時間後にパンフレットを見て知ることになります

この辺りで、帰りの終バスの時間が迫る・・・(あっという間!)

最後に駆け込んだ茶室

ちょうど数日前に、お茶を習ったことがないのに、なぜか「将来建てる家には茶室がほしい」と妄想していたのです・・ここで茶室に出会えるなんて、不思議だなあ

この茶室「雨聴天」は千利休作の「待庵」の本歌取り(古典を引用しつつ新作にその精髄を転化させる手法)として制作されました。「待庵」は侘び茶の一つの完成形とされています。そして、ここ江之裏には秀吉が利久切腹の1年前に作らせたと伝えられる「天正庵」跡があります。

うっかり写真を撮り忘れてしまったのですが、実は茶室の壁にはたくさんの竹箒が立てかけられているんですよ。でもって、京都には長居の客人が早く帰ってほしいときに、箒を逆さにして壁に立てかけるおまじないがあるそうな・・・みなさんならどう解釈しますか?

▫️◾️四角がいっぱい◾️▫️
⚫︎⚪️丸がいっぱい⚪️⚫︎
この花は蓮ではないんだそうなんだけれど、忘れてしまった・・・
◾️四角と丸⚪️
水に映る景色と木漏れ日が美しい

生命力 美しさ

全く予習なしで来たのと、猛暑も重なって、作品と気づかないものもたくさんあったし、見逃したエリアもあって、また行かなくちゃ〜〜!という気持ちでいっぱいです。

作品や森の表情は、季節によって全く違う顔なのだろうし、その時の自分の状況や心情によって見えるものが変わり、作家との心の対話の内容も変わってくるはず。

やっぱり人間って、見ているものと意識の中の生き物なんだと実感します。

そして、来年以降、美術館の新棟(増設)と、宿泊施設がオープンするとのこと。いつか泊まってみたいなあ。


PM 13:00 帰りの電車待つ
暑くて500mlのお水を2本飲みました
小田原で途中下車して口福を味わいます




梅雨の終わりに。

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