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理想的終止符

 私はBAD ENDと言うやつをどうも好むらしい。逆にHappy Endと言われる部類の作品を観ると、何か腑に落ちないというか、満足感が足り無いというか、どうも味気なく感じてしまう癖があるようだ。  その裏付けに私が小説であったり、映画であったり、音楽であったり、それらで心動かされ、時には涙まで零してしまうような作品たちは決まって救いようのない憂鬱感であったり、無常観があるのだ。  BAD ENDはコメディーなところがある。狂気じみていて、常識を逸脱しているほどその作品に

    • 踊れよ、皮膚が裂けるまで。

      太陽の副作用  散歩は夜に限る。昼間は眺めているだけで目眩を患いそうになる程脈々と蠢いている街の路地が、夜も更けてはたと突然死してしまったかのような錯覚を起こすのだ。そして私は、最近聴き込んでいる音楽に肉体を任せ、うっ血死した巨大な獣の鳩尾を歩き、愉しむ。 お遊戯、スポットライトは眠っている。  私はその道中で不思議な平均台の幻想と遊ぶ。足元に私の足一つ乗るか、乗らないかというような細い台が現れるのだ。(私は独り、その上で舞う。)しかし、それは必ずしも直線であるとは限ら

      • 俯瞰するな、塵が。

        貧しいため息…  生きにくい。死ぬことは容易い。 死ねば楽になるわけではない。 でも、辛くはない。 それでは死んでしまおうか。 この終わりのない呪縛から脱してしまおうか。 それは酸欠を免れる為だけにある防衛本能 君が誰かを殺したいほど憎んでいるのなら、 そしてその誰かが多数の人間なのならば、 僕はいい方法を知っている。 君が死ねばいい。 君が死ぬのも、人類が滅ぶのも、 君にとっては同じことだろう? 君が死んで悲しむ人なんていないだろう?  そんなことにも気づかず

      理想的終止符