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映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の前評判は本当だったし、3回泣いたし

※トップ画像はAIが作成した画像であり、映画とは関係がありません

「絶対、映画館で観るぞ!」と息巻いているうちに、アマゾンプライムで配信開始となった映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』。

前評判がすこぶるよろしい今作を観た感想をまとめます。
(※ネタばれは、そんなにしてないはず)

結論、
「みなさん、今夜1人で観ましょう」

映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』とは?

2023年に、原作者・水木しげるさんの生誕100周年を記念してつくられた作品です。鬼太郎の誕生の秘密について、描かれています。

あらすじ


昭和31年。銀行勤めの水木は、取引先の社長一族の村へ、ある目的を持って出向く。そこで「妻を探している」という鬼太郎の父と出会う。跡継ぎに関する醜い争いが始まる村では、ひとり、またひとりと一族が惨殺されていき… 

つくってくれた方に伝えたい「ありがとう」

まずは、制作にたずさわってくれた方たちへ。

いい作品をつくってくれてほんとにありがとうございます。

これから先の人生で、人との会話にも出てくるし、自分でも忘れない作品になると思います。

幽霊族である鬼太郎の父と、非道な戦争を経験し、生に対して執着とも無頓着ともいえる人間の男。2人に友情のようなものが芽生えていく過程と、ある理由で繁栄してきた村の背景に引き込まれ、一瞬も気がそれる時間がなかったです。

好きなシーンをあげるとしたら1つ目は、鬼太郎の父と水木が夜の墓場で酒盛りをするシーン。周囲を照らしてもらうため、青い火の妖怪が出てきたところです。

少し重めの世界観の中で、このシーンでは火が周囲を照らすためだけにいてくれる… という状況に、ほっこりしました(タバコのための火を貸してあげるところも)

もう1つは、鬼太郎の父と「うらきどう」という敵たちのバトルシーン。細く、ひょろひょろとした外見から想像できない鬼太郎・父のアクロバティックな戦い方に思わず「きゃー!」と「鬼太郎父・LOVE」のうちわを持ちたくなりました。

後半に進むにつれ、いろんな謎が解明されていきますが、人間として誰もが持っている「自分さえよければいい」というエゴ。そのためなら、何をしても構わないという身勝手さ。

そういうものがドラマなどでよく目にする「よくある感じ」でもなく、目上の人の「お説教じみた感じ」でもなく、

今、自分の心の中にあるものと同じように描かれている気がして、沁みました。後半シーンで合計3回泣いたことは、ここでは割愛させていただきます。

「醜さ」と「健気さ」の両方をかみしめた

作品の中に登場する村の人たちのように「自分に都合のいい考え」を私も持っているし、その気持ちの通りに行動することはあるな、と思いました。

ただ、不思議なことに何かや誰かと関わっていく過程を通じて「誰かのために」という気持ちが生まれてきたりすることもあるんですよね。

タイミングが良くも悪くも、どこかの気持ちと紐づくことでそれが大きな事件や出来事になったりして、暮らしの一場面で圧倒されてしまうことがあるな~と思いました(やりすぎたり言いすぎてしまったことにひどく後悔したり、ささいなことに感謝されて急にやる気が出てきたり)

この映画はそんな私の「醜さ」と「健気さ」の両方をかみしめたくなる作品でした。

この映画を観てほしい人は?

人の狡猾さや意地の悪さを目の当たりにしたとき、または理不尽な思いを感じたときに観てほしいです。

「観たら、そんなもやもやがちょっとスッキリするよ!」なんてことはいえないのですが、

自分の今の状況を「一段高いところから見下ろす感じ」が、観終わったあとにするんじゃないでしょうか。

普遍的な何かが眠る作品なので、人生の節目に見返すのにもおすすめです!
あと、昼間より夜中に一人で観てほしいかも。

興味ある方はぜひ観てください!

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