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仕事でだいぶお疲れの人にすすめたい。東野 圭吾「クスノキの番人」

みなさん、こんにちは。2024年もどうぞよろしくお願いします。

今日は小説「クスノキの番人」を読んだ感想をまとめていきます。

「クスノキの番人」の基本情報

タイトル ‏ : ‎ クスノキの番人
著者:東野 圭吾
発売日 ‏ : ‎ 2020/3/17
※ハードカバー、文庫版あり

選書のきっかけ「ビジネス書ブームの終焉」

ここ数年「本を読む」といえばビジネス書や自己啓発ものが多かった私。

「本を読むなら、何かを学びを得ないといかんぞ!」とがむしゃらに読むばかりでしたが、新しい年を迎えて

「子どものころ読んでいたような、小説が読みたい」

と、ふっと思いました。

その第1号が「クスノキの番人」です。選んだきっかけは「20〇〇年の人気本ランキング!」というサイトで紹介されていたから。著者が東野さんなら間違いない!と選びました。

主人公は「苦労しすぎている若い青年」

主人公は20代前半の青年。

ある事件で逮捕されたところに弁護士が現れ「ある人のいうことを聞くなら釈放する」という。

その提案にのり、誰が「ある人」なのか分からぬまま釈放されると、それは「あなたの叔母です」という人物だった。

ある神社の管理人となり「クスノキの番人になってほしい」と頼まれ引き受けるが、このクスノキには不思議な力があり…

最初は「ミステリー」なのかと思っていた

読み始めた当初「これはどんな系統の話になるんだろうか」と思いながら読んでいました。

このあと、何らかの事件が起きる?スピリチュアルと見せかけて復讐劇?それとも、プチホラー系の話かしら…?

そんなことを思いながら読み進め、最終的にはラスト2ページで大号泣して終わりました。

どんなジャンル?と問われると「人の想い」に照準を合わせた、あたたかいお話だと思います。

好きなキャラクターはバリキャリのお姉さま「千舟」

個人的に「好きだなぁ」と感じたのは、主人公の叔母である「千舟」さん。

この「ちふね」という名前の響きが好きなのと(何回も呼びたくなる)、不動産事業を手掛ける一族の中でも、低迷していた業績を上げた功績を持つバリバリのキャリアウーマン。何事にも動じぬ肝の座り方と、うっとりするような品格に惚れます。

主人公の言動について「しっかりしなさい」と叱るシーンがけっこうあるのですが、そこにいつも愛があるような気がして…。読みながらほっこりさせていただきました。

個人的に気になった「千舟の手帳の色」

私の仕事は「広報」「ライター」がメインですが、兼業として「パーソナルカラー診断」のサービスも行っています。

そんな私が気になったのが、主人公の叔母「千舟」が頻繁に開いていた自身の手帳の色が「黄色」だったこと。

色の一般的なイメージでいうと、黄色は

明るい・自由・幸せ・希望・公平・社会性・開拓者精神・ユーモア・注目・マイペース・明朗・愉快・感受性豊か

などがあります。

当初、千舟さんのキャラクターイメージと黄色があまり結びつかなかったのですが、イメージを言語化したものと照らし合わせると「公平」「社会性」「開拓者精神」などはイメージと一致するなぁと思い直しました。

「選ぶ色」は「自分の内面を表現している」以外に「こうありたいと願う自分のイメージ」だったり「今、欲している感情や気分のイメージ」だったりします。

その意味で、本の内容と照らし合わせると

「自分が感じたこと」を素直に表現したい

という気持ちも、黄色という色にあらわれていたんじゃないかな、と思いました(物語のいちばん最後で分かること)

この本をおすすめしたい人


私がこの本を読んでほしいのは「お仕事でお疲れ気味の方」です。

職場を舞台にしたお話ではないのですが、お仕事でいろいろとご苦労されている方、ご自身で事業をされている1人社長の方や事業継承などで2代目を探している方なんかにも良さそうです。

仕事で求められるものには

・数字を上げる
・行動を積み上げる

などがあります。それも大事です。でもそれはいったん部屋の隅のほうに置いておいて

「私はこの仕事で何を伝えたいんだろう」

と自分の気持ちを考える、考えたくなる。そんな本だと思いました。

まとめ

東野さん!

この本を書いてくれて、ありがとうございます!
(まさかの著者へのメッセージ)

この本をおすすめする人以外でも、何かビビッときた方はぜひ読んでみてくださいね😊


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