PRでビジネスの「土俵」をつくる

コミュニケーション手法として比較されることが多い
広告コミュニケーション
広告コミュニケーションの第一義的な目的は、
●●と言えば「自社ブランド」と、お客様に想起されるようにすること
これを一般的に「認知」と言います。

これは「●●と言えば」という同じ土俵の中で
競争相手とポジションを争うというゲームです。
このゲームの勝者は多くの広告投資をできたブランドになります。
土俵が大きければ、参加者も多くなるからより目立つために、
広告投資予算も必要になります。

このゲームのメリットは、すでに顕在化している顧客ニーズの土俵で
勝負するので、「認知」さえされれば一定の売上が期待できるものと
思います。

広告投資予算が潤沢に用意できない場合は、別な土俵、競争相手と争わなくていい新しい土俵をつくるという考え方もあります。

当社がお手伝いした事例ですと、あるグラノーラブランドをシリアル食品という土俵に上げないで、グラノーラという新しい食品として『ヨーグルトのお供』という土俵に上げてPRを実行しました。

また、ある雑穀のブランドでは「食物繊維と言えば野菜」ですが、
「実は、食物繊維と言えば、穀類のほうが豊富、その穀類とは「米類」ブランド」と、外部の栄養の専門家の協力を得て『本当は大切な食物繊維・源』の土俵をつくりました。
このほかにも、15年くらい前に『植物性乳酸菌』という土俵をつくって
一世風靡したブランドもありました。

このように、自分が得意な土俵をつくることで、
競争相手よりも目立つための広告投資をしなくて済みます。
デメリットは、時間がかかることです。

ですので、PR職に関わる人は「中期事業視点で土俵づくり」を考えたほうが、事業部門、マーケティング部門との認識合わせがしやすいと思います。
特に規模が大きくない、育成段階の事業の場合は、早い段階からPR部門と連携すると効果的です。

「認知競争」に乗るならお金、「土俵づくり」をするなら時間が必要です。
どんなゲームを仕掛けるか、プランしてPRを最大限活用していただきたい
と思います。

執筆者:M3カンパニー 松本
https://www.m3com.jp/