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電卓のちょっと進んだ使い方――その4:半端を勝手に丸めておくれ(端数処理)

こんにちは、小林です。

前回(その3:定数計算)に引き続き、きょうは端数処理についてご紹介します。

使える機種

端数処理機能は、次の特徴がある電卓で使えます。

‣ [F CUT 5/4][5 4 3 2 0 ADD2] などと書かれたスライドスイッチがある

表示が微妙に違っていても、このようなことが書いてあるスライドスイッチがある機種なら問題ありません。これもメーカーによる差があるのですが、詳細は後述します。

シャープ製の電卓にはスライドスイッチではなくキー操作で設定する機種があるようですが、そちらの具体的な操作方法は本稿では割愛します。

使い方

前々回から引き続き使っている表を考えます。前回は、合計に占める各営業部員の売上高の割合を求めたのでした(小書き数字)。

tbl3 - コピー

このとき全部の結果について、割り切れないために端数がずらーっと表示されたことと思います。実務上、ここまで細かい端数が必要になるケースはそうそうありません。パーセンテージであればせいぜい小数点以下1桁か2桁あれば十分でしょう。

そこで、左側のスイッチを [5/4] に、右側のスイッチを [2] にセットします(画像)。

画像2

シャープ、キヤノンの電卓では、スイッチが [F 3 2 0 A][↑ 5/4 ↓] のように表示されています。この場合、前者のスイッチを [2] に、後者のスイッチを [5/4] にセットしてください。

この状態で、改めて前回同様にパーセンテージを求めてみましょう。

[AC] 0
[4][8][8][8] [÷][÷] 4,888 K
[1][0][0][8] [%] 20.62 K
[1][0][2][3] [%] 20.93 K
[1][1][7][8] [%] 24.10 K

前回の結果と見比べてみてください。スイッチを [F] から [5/4] にセットしたことで端数処理(四捨五入)がされるようになり、また [2] にセットしたことで結果が小数第3位で丸められて小数第2位までで表示されるようになりました。

注目いただきたいのはC原さんの結果で、1178÷4888のパーセントに対して24.10 (%) と返されています。このように端数処理の結果最下位の桁が0になる場合でも、スイッチでセットした桁数分必ず表示されます(試しに、オールクリア状態で単にイコールを押してみてください。0.00と表示されるはずです)。

[2] にセットしたスイッチを [0] にすれば小数第1位で丸められて整数が表示されます( [ADD2] または [A] 位置は次回説明します)。一方のスイッチを [5/4] から [CUT] または [↓] にすると、端数処理が四捨五入から切り捨てに変わり、 [UP] または [↑] にすると切り上げに変わります。

Tips: 一部の機種には切り上げ機能が搭載されていません。


端数処理は次の流れで行われます。

1.  [=] [%] [M+] [M-] が押されたとき、
2. (通常通り計算して結果を求めて、)
3. そのときのスイッチ位置に基づいて結果を端数処理して、
4. 画面に表示(イコールのときはGTに積算、M+, M-のときはメモリの加減算も同時に)

この通り、電卓は「イコール、パーセント、M+/M-キーが押されたとき」しかスイッチ位置をチェックしていません。スイッチ位置にかかわらず、表示できる範囲で小数点以下何桁でも打ち込むことができます。計算の途中で端数処理されることもありません。「端数処理は計算の最後に1回だけ行われる」とも言えます。

スイッチは計算の途中で操作することもできます。例えば「消費税計算するときは端数を切り捨てて1円単位にしたい、その後パーセンテージを求めるときは四捨五入して小数第2位まで表示したい」ときには、最初は [CUT] [0] にしておいて、その後 [5/4] [2] に切り替えればよいわけです。

補遺

スイッチが [F] (Floatすなわち浮動小数点の意)に入っているときは、その電卓で表示できる限りの小数を表示します。整数部を全部表示した上で、余った桁数で小数を表示するイメージです。

このとき、表示しきれない部分の小数はいずれのメーカーでも切り捨てで処理するようです。試しに、スイッチを [F] にして、1÷6を計算してみてください。これは0.1666666....で以下無限に循環しますが、表示の最後の桁は7ではなく6になっているはずです。

まとめ

改めて、使い方のまとめです。

‣ 小数第何位まで表示したいかをセットする
‣ 端数処理方法をセットする
‣ 計算する

今日は端数処理機能を紹介しました。次回はいったん最終回として、アドモードをご紹介します。

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