電卓のちょっと進んだ使い方――その3:「+-×÷る」数が同じときに(定数計算)
こんにちは。小林です。
前回(その2:メモリー)に引き続き、きょうは「定数計算」機能をご紹介します。
やはり、メーカーごとの特徴の話
前回までにクリアキーやメモリーの表記の違いを取り上げましたが、今日ご紹介する定数計算機能はメーカーによって操作そのものが異なります。定数計算機能では、大まかにカシオ計算機とそれ以外に分かれます。
わたしは長年カシオの電卓を使っており、シャープやキヤノンの電卓は説明書を参考に「こうであろう」と推測して書いています。間違いがあったらコメントいただけると大変助かります。
ちなみに、シャープは定数計算と書いて「じょうすうけいさん」と読ませています。カシオとキヤノンは公式の読みを見つけられませんでしたが、おそらく「ていすうけいさん」でしょう。
使い方(カシオの場合)
前回の表を考えます。そのときまでに、合計まで求められたのでした。
このとき、「合計に占める各営業部員の売上高の割合」を計算することを考えます。これはそれぞれの小計を合計で割れば求められます。
ここで1008÷4888, 1023÷4888, ...と素直に計算すると、 「÷4,888」を都合5回も打つ必要があり、数が多くなるにつれ負担が大きくなります。そこで定数計算機能を使います。
まず、割る数 (4,888) を定数として設定します。
[4][8][8][8] [÷][÷] 4,888 K
[÷]キーを2回押すのが重要です。画面にKと表示されます。
この状態で割られる数を入力してイコールキーを押します。これを繰り返します。
[1][0][0][8] [=] 0.206219....(後略) K
[1][0][2][3] [=] 0.209288.... K
[1][1][7][8] [=] 0.240998.... K
これで割る数を何度も打つ必要がなくなりました。
ちなみにイコールの代わりにパーセントキーを使うと、計算結果を最後に100倍して表示させることができます。
[AC] 0
[4][8][8][8] [÷][÷] 4,888 K
[1][0][0][8] [%] 20.6219....(後略) K
[1][0][2][3] [%] 20.9288.... K
[1][1][7][8] [%] 24.0998.... K
使い方(その他のメーカーの場合)
シャープとキヤノンの電卓がこの方法だと推測しています。違ったらご指摘いただけると幸いです。
まず最初に計算するA山さんの値を素直に計算します。
[1][0][0][8] [÷] [4][8][8][8] [=] 0.206219.... (後略)
その後は割られる数だけを入力して、イコールを押します。
[1][0][2][3] [=] 0.209288....
[1][1][7][8] [=] 0.240998....
補遺
定数計算機能は割り算だけではなく四則計算すべてで利用できるので、応用は広がります。
例えば複利計算をしてみましょう。利率3%で50万円に対する1年ごとの元利合計を出したいとき、カシオ式では1.03××500000と押してから、イコールを連続して押せば1年目 (515,000) 、2年目 (530,450) 、……と連続して計算できます。このように単にイコールを押すと「表示された値に対して」定数計算が働きます。
なお先の割合の計算結果で小数点以下が表示されない場合、あるいは小数点以下が必ず同じ桁数だけ表示される場合、ラウンドセレクターがF以外の位置(CUTや↓、5/4など)に入っています。F位置に切り替えてもう一度試してみてください。
まとめ
改めて、定数の設定方法をまとめます。
‣ カシオ:定数にしたい数字を入力して、計算命令(四則演算)キーを2回押す
‣ シャープ・キヤノン:最初の計算を普通に行う。定数になるのは「かけ算の時は先に入力した値」「足し・引き・割り算の時は後に入力した値」。
今日は定数計算機能を紹介しました。次回は端数処理機能をご紹介します。
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