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Generative AIによってワークスタイルの変革を起こし、Prompt Engineeringへ


0.自己紹介

皆さん、こんにちは。DXソリューション統括部 モダンアプリソリューション部の朱瀟君(シュ ショウクン)と申します。中国出身です。

去年から2匹の猫を飼っており、癒される毎日を過ごしています。今は部署内でMicrosoft Dynamics 365 Finance & Operationの開発プロジェクトに携わっています。

世の中目新しい技術が次々と登場しているので、いつもワクワク注目しています。今回はGenerative AI(ジェネレーティブAI)ツールの「Midjourney(ミッドジャーニー)」「Copilot(コパイロット)」と一緒に旅出しましょう。

1. Generative AIとは

米Gartner社が発表した2022年の「戦略的テクノロジーのトップ・トレンド」で注目すべきキーワードとして挙げたのが「Generative AI」です。Generative AI(ジェネレーティブAI、生成AIとも)は、「コンテンツやモノについてデータから学習し、それを使用して創造的かつ現実的な、まったく新しいアウトプットを生み出す機械学習手法」と定義されています。

2. 2022年はGenerative AI飛躍の年

2022年Generative AIツールはいろいろな領域で活躍してきました。
2022年2月、日本経済新聞社は、文学賞「星新一賞」で初めて、AIを使って執筆した小説が入選したと発表しました。

2013年に創設された「星新一賞」(日本経済新聞社主催)は、農芸化学を学んだ理系作家の星新一にちなみ、理系的発想からうまれた短編作品を募集し、AIなどを「斬新な発想やイノベーションを生み出すもの」と位置づけ、人間以外が執筆した作品も受け付けています。
今回の応募総数は2603編であり、そのうちAIを利用して作られた作品は114編(前年14編)あったといいます。

2022年6月、エディターでソースコードを提案してくれるAIペアプログラマー「GitHub Copilot」をすべての開発者が10米ドル/月、100米ドル/年で利用できるようになりました。学生や人気のあるオープンソースプロジェクトのメンテナーは無料で利用できます。

コードやコメントを入力すると、GitHub Copilotが次の行を提案してくれます。それは一つの単語や一行のコードだけではなく、完全なメソッド、ボイラープレートコード、単体テスト全体、そして複雑なアルゴリズムまでも提案することが可能です。

GitHub Copilotにより、開発者はAIベースのコーディング提案を受けたり、編集したりすることができます。また、Neovim、JetBrains IDEs、 Visual Studio、Visual Studio Codeなどの人気のエディターと統合し、拡張機能として利用できます。

また、2022年8月、米コロラド州で開催されたファインアートコンテストで、画像生成AI「Midjourney」が生成した絵が一位を取得したと、米ニュースサイトのMotherboardが報じました。Motherboardによると、作者であるアレンさんは「Midjourney」を使い数百枚の画像を生成し、その中から3枚を選び、Photoshopで画像を調整、AIを使い解像度を上げたものをプリントして提出したといいます。

2022年8月、米コロラド州ファインアートコンテストで、一位を取得した「Midjourney」が生成した絵

3. 画像生成AI「Midjourney」でGenerative AIのイメージを掴もう

Midjourneyは、テキストの説明文から画像を作成する独自のAIプログラムです。Midjourneyのチームは、Leap Motion社の共同設立者であるデビッド・ホルツが率いています。

かつてはフリーミアムビジネスモデルを使用し、制限付きの無料利用枠を提供していたが、現在は有料利用枠のみの提供となっています。利用者はDiscordのBotコマンドを使用して、Midjourneyでアートワークを作成します。同様のプログラムにはOpenAIDALL-E、オープンソースのStable Diffusionが存在しています。

実際にMidjourneyを体験してみましょう。

画像生成のプロンプト文章をDiscord上のチャネルに投稿すれば、要望に合う画像を4枚生成してくれます。

それぞれ高解像度の画像をさらに生成できますし、一枚の画像をベースに新たな画像も生成できます。4枚とも気に入らなければ再び4枚を生成することもできます。

ぼんやりした要望しか持っていなければ、よくできたと思われるでしょう。ただし、明確な要望やイメージに沿って画像を生成してもらうのはなかなか難しいでしょう。そんな時、プロンプト文章の指示を具体化する、画像の種類を指定する、時代や地域のスタイルを指定する等の工夫ができます。

・プロンプト文章の指示を具体化する:

・画像の種類を指定する:

・時代や地域のスタイルを指定する:

4. Prompt Engineering(プロンプトエンジニアリング)の重要性

プロンプト文章は「Midjourney」の生成する画像をコントロールします。誰が、いつ、どこで、誰が、何を、どのように等の具体像を意識すればするほど明確な指示が出せます。また、AIへの指示力を持っているかどうかは不明なので、描き方を変えたり、試行錯誤をしたりするのも大事です。

プロンプトエンジニアリングは、自然言語処理における概念の一つであり、Generative AIを操ることで開発プロセスを効率化します。プロンプトエンジニアリングはGenerative AIのキーを握るといっても過言ではありません。Microsoft 365 Copilotの登場により、開発者以外の方々もプロンプトエンジニアリングの実践が極めて容易になりました。

5. Copilotの力でワークのフライトをより速く

米国時間2023年3月16日にMicrosoft 365 Copilotが発表されました。Microsoft 365 CopilotはGitHub Copilotと同じ技術が使われており、大規模言語モデル(LLM)をベースとした、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsなどのオフィスツールに実装されています。データ作成・整理を得意とするAIであるため、業務効率化や生産性向上を実現します。

たとえば、Copilot in PowerPointに、作成したスライドから関連するコンテンツを追加してもらえますし、スライドのデザイン見本を生成してもらえます。Copilot in Excel を使えば、トレンドを分析し、プロフェッショナルなデータビジュアライゼーションを数秒で作成できます。Copilot in Outlook は、受信トレイの数十通のメールを数分で整理してくれますし、返信メールの下書きも作成できます。

さらに、Copilot in Teamsは、会議時誰が何を言ったか、どこで意見が一致し、どこで意見が対立しているかなど、重要な論点をまとめ、アクションアイテムを提案してくれます。これらすべてが会議中にリアルタイムで実行されるのです。

今後、モダンアプリソリューション部のコパイロットになってくるのがCopilot in Power Platformです。 Power Appsなら、作りたい内容を入力するだけで、3分でアプリが作成されます。そこから、Copilotと簡単なやり取りをすることで、アプリの調整もしてくれます。作業の自動化、チャットボットの作成ももちろんできます。モダンアプリソリューション部のエンジニアもいつかプロンプトエンジニアになるのでしょう。

終わりに

Generative AIの利用により、エンジニアはよりスムーズな開発プロセスを経験し、生産性の向上につながります。また、プロンプトエンジニアリングとGenerative AIの組み合わせにより、さらなる効率化と革新が可能となるでしょう。

プロンプトを与えることでCopilotはAIモデルを制御し、適切なコードを生成してくれるため、開発者はより多くの時間をアイデアの創造やデザインに費やすことができており、ワークスタイルの変革が加速しています。

しかし、今の段階では、AIが生成する結果は確認と検証が必要であり、最終的な品質やセキュリティの責任は開発者自身にあることも忘れてはいけません。

※朱さんが所属するモダンアプリソリューション部の紹介はこちらから


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