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旅地理日記/静岡県三島市 三日目の巻

今日歩き回るのは近場にしようと思っていた。昨日はかなり歩いて右足の指に水ぶくれができた。痛くはないが気にはなる。

朝の仕事が終わって9時過ぎ。夕方もあるとはいえ、早く終わりすぎでうらやましがられるとは思う。でも僕は社会不適合系で、頑張ってなんとかしてきた人生なので、そういう苦渋や努力は経てきている。


昨日とは違って、中心地を歩こうと思う。ゆっくり歩く。坂を降っていき、レストランじゅんがある道、鎌倉古道。そこを広小路方面、国分寺跡方面に向かう。途中、横道の飲み屋街などが見える。

踏切をわたる。大社前の道が県道22号で、そこより北西のエリアがどうなのか気になっていた。第一に、広小路町周辺の。


三島広小路町は21年、静岡県で一番住みやすい街と評価されたそうだ。でかくて新しいマンションもある。中小型のマンションもある。近隣には飲食店が多くて穏やかで、旧市街地に接して郊外の新興エリアも近い。交通もあって、水辺の公園:せせらぎ散歩もあって、庶民的な顔をしているし、住みやすそうだ。

余計なことを言うと、評判のエリアには、それとも評判を生むところからもあるかもだが、そうすると経済マンはガンガン開発したがって入ってくるものだなと思った。


店は飲食店が目立つが、庶民的なお店と、小綺麗な店と色々ある。きれいな川のおかげか、かっこいい街だなと思う。だいたい水辺の街って絵になりやすいかもだ。岸に面した飲食店のテラスなんて、それだけで雰囲気勝てるよね。隅田川あたりの屋形船もそうだし。

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お寺の墓地があった。墓石に明治の元号もあって、明治期前の街の範囲が想像できた。だいたい街の周囲にできるのだと思う。明治以降など、町が広がったから、町中にあるのだと思う。


そこから三島大社側に向かう。ニノ乗御殿通りというらしい。マップで見るといくつか飲食店があるが、午前中だしコロナの影響もあるのかもだし、マップの印象ほど店がない気がした。

駅から伸びる美術館通りを渡って、三島プラザホテルの裏手を歩いた。落ち着いた感じが増してくる。が、基本的に裏手を歩いている感じ。市役所横を通ってエビス参道を越えて裏手をいく。落ち着いた住宅街という感じで、観光客が歩くところではない感じだ。そろそろ大社前の道に戻る。


三嶋大社の横から鎌倉古道を歩いた。雰囲気がいい。ちょいちょいお店がある。鎌倉古道という名前もだし、こちらの方が元々の通りだったのではと思った。

明治になって電車や馬車、車が走るようになり、新規に道を作るパターンがあると思う。その時にここでは、既存の道と既存の街並みの裏手に道ができた、または拡大されたのではと予想した。

つまり大社前の車通りは後からできたのではと。根拠はないけど、そうかなと想像した。また広小路に戻って、西側を歩く。マップで見たら東海道と書いてある。

ここを少し進む。なんかすごく生活感がある。懐かしく好きな雰囲気。しっかりした歩道がないのも、昔からの道らしいと思う。


加屋町交差点から道が広くなった。なんとなく旧農地エリアな気がする。加屋町という名前が茅、すすき野だったのだろうし。もはや農地だったかどうかはわからんけど、神社や寺、墓地があるので、一集落があったのではと勝手な想像が湧く。谷間もあった。

それでまた広小路方面に戻る。駅近くまで来て、スーパーマーケットに寄る。地元スーパーではないのでそれほど面白みはないけど。地元スーパーだと地域色が面白い。


もうじき昼。スーパーで買い物をして、大社方面のみつわ食堂に向かう。斜め向かいに三島プラザホテルがある。ここは結婚式場だとかがあるホテルで、地元の人も使うタイプのホテルだろう。この辺りはこの辺のいいとこなのではと思う。

で、みつわ食堂。おいしいのでまた来た。前回は黒酢酢豚定食だったが、今回は五目チャーハンにした。スープがなかなか美味しかったので、ここはラーメンも美味しそうだ。米がうまいしチャーハンも美味しい。

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普段の外食で、チャーハンはたまに、脂がきつくて途中で重たくなることがある。ここは本当に基本がしっかりしているのだと思う。おいしかった。


しかしまだ昼時間帯。午後に雨予報なので、宿に近い公園で読書でもしようと思った。トイレを借りて、木のベンチに座って本を読んだ。少ししたら蚊が出たのでやめた。

少し坂を上がったところにも、池と公園があるので歩いた。でも着いたら小雨が降りはじめたので宿に戻ることにした。

その途中、コンビニでコーヒーを買って、部屋で作業をすることにした。旅先だと基本、なんでも買って済ますことになるので、少しだけ考えてしまう。大袈裟にしたくはないので、どうしたものか。


ところで、この辺は駅の近くなのだが、つまり中心地から見たら後からできたエリアだ。それで飲み屋とかが多い。所々若い店もある。が、駅裏だとか、中心の通りや水辺を外れると、かなりシャッターが閉まっている。

さすがに中心地は、歴史の厚みというか、文化ができている地というか。距離は近いのだけど、人生の動線のようなものは案外そういうものらしい。


それで昼過ぎに部屋に戻ってきた。じんわり雨が降って、地面は濡れている。でも時々窓の外を見ると、傘をさしていない人が見えたりで、はっきりしない空だ。

部屋でブログの整理などパソコン作業をやって、夕方になったので食べに出かけた。


栄楽という町の中華屋。チャーハンと餃子を頼んだ。スープを飲むと、昼に飲んだスープと同じ系統だと思った。煮干し系?おいしい。チャーハンも餃子も良かった。三島は普通の食事のレベルが高いと思う。味は強くも弱くもない。油がやさしい。食感がいい。

食文化というか味は、当地の水に比例する何かがあると思っている。なかなか判定は難しいのだけど、水が甘いと甘口、水が辛いと辛口、な傾向を感じる。醤油も酒もだ。

三島で湧き水は飲んでいないけど、これだけ湧水があるのだし、富士山からの地下水でしょ。いい水だと仮定してしまって。だから食べ物が文化的においしいのだろうと自分用に思っておく。


川、水が湧くところに町が生まれて文化ができる。これだけ水が湧くのだから、食も比例して感覚が洗練されている。そんな想像をしている。それにしても安定して美味しい街。普通なものがおいしくてうれしい。

都内だとかはね、派手な味にしないと、人々の舌をつかみにくいのかもしれない。それで競争もあってで、それに慣れたら、日本の食べ物の舌の基準値ではなくなると思う。

そういえば以前に熊本のとある食堂に行った。話では、ある世界的なレストラン評価の星のやつ。(ミ)ね。その食堂は、あれを調査する人の舌の基準値になっているだとか聞いたことがある。熊本も水が豊富だよね。


まぁしかし、1店舗の評価だけで見ていくと、競争だとか「売らんかな」だとかが過剰になると思う。何か僕の考えとはずれるので、違和感がある。僕は地域のレベルとか、庶民的な味のレベルとか、そういった文化的な雰囲気の方がはるかに気になる。

あと、スーパーで買った助六寿司は大阪寿司と書いてあった。僕の地元でいう助六寿司は大阪寿司というようだ。助六寿司と書いてあるやつは太巻がなかった。

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四日目は悪天候のため、散策はせず、仕事が終わって早めに帰宅した。

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