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【恋愛】ついに恋愛を経験!

大学でのぼっち生活の中、夏休みになり地元に帰った。
なんと高校の時のクラスメイトの1人が県外の大学から帰ってくるから
地元で会おうと急に連絡があったからだ。

どうやって連絡先を知ったのかは謎である。

とりあえず実家に帰ると思いの外、歓迎を受けた。
私の変わり様に驚いていた。
なんせ地獄のハイブリットファッションの私を見て、
気分は害さないでおこう、といった感じである。
これ以上変な方向に進まれたら大変なことになるので
とりあえずそっとしておこうという雰囲気丸出しだった。

地元での生活が2、3日経ったころ、懐かしい人間に会うことになる。
中学の時、居場所の一つだったおもちゃ屋に来ていた
メンバーの1人、Tくん。

この子は当時から絵に描いたような不良だったが、
以前より磨きがかかっていた。
当時からなぜか気が合い一緒にいることが多かった。
Tくんは年下だったから、
年上の私を先輩であるということを忘れずに接する。
要するにヤンキーだから変に上下関係に厳しかった。

帰省の間、ほぼこのTくんと過ごすのだが、びっくりすることがあった。
私が会わない間にTくんはヤンキーの道を爆進していて、
喧嘩喧嘩の毎日でけっこう街の不良たちに顔が効いていた。
というよりボスみたいな扱いをされるようになっていた。

私といるときに喧嘩が勃発することが何度もあったが、
私はそんなことには慣れていないのでビビってしまう。
その時単純に怖くて「T、やめとこうよ。」というと、
Tくんは先輩の私が言ってるから喧嘩をやめてしまう。

結果、Tという名前を出すと相手は名前だけは知っていて、
すいませんでした、となるのだがこれが後々尾を引くことになる。

私は地元にT くんという会ってくれる友達を見つけたもんで、
何かにつけてしょっちゅう地元に帰るようになる。
もちろん両親には秘密である。

私は中学卒業後も学習塾との縁は切っておらず、
ちょくちょく遊びに行っていた。
年末の大掃除の際は毎年参加していた。
大学入学した後の年も参加した。

その時、出会った女の子がいた。Mである。
奇抜な格好の私に尻込みせずガンガン突っ込んでくるし、
明るく愛嬌もあり、話しやすかった。
大掃除の最中もずっと2人で掃除をした。
正確には私が掃除しているところを座って見ているだけだったが。

この大掃除は生徒もボランティアで参加するのだが、
参加する子の目的は大抵、非公式で行われる大掃除後の
パーティーとご飯会が目的である。
大掃除が終わると、お金を渡され、
大量のジュースやらお菓子やらの調達が言い渡され、
ある種のお疲れ様会が開かれる。

その時点でもう未成年が出歩いていい時間は過ぎているのだが
そこは学習塾という免罪符がある以上みんな強気なのだ。
その後確実に未成年は補導対象となる時間だが、
ユルイ家庭の子と私のようなOB関係の人間はファミレスへ行く。

Mはファミレスにいたかどうかは覚えていないが、
ずっと気になってはいた。
そして、ファミレスを解散し家についた時一通のメールが届く。

「誰かわかる?」

私はMだと一瞬でわかった。
来るとしたらMだろうと思っていた。
共通の友人からメールアドレスを聞いたらしい。
このMとメールを始めることになる。
そして、何と。

急展開だが、このMと付き合うことになるのだ。
初めての彼女だ。
しかし私は今は地元にいるが、2、3日後には
大学のある都市へ戻らなければならない。

どうしたものか。

いらぬ心配だった。

2日後にフラれた。

遠距離の心配がどーのとかではなくて、私のある一言がMの地雷を踏んだ。

この地雷を踏んだ一言は本当に今考えると情けない一言であり、
男として最低な一言だ。
今でも知ってる人間からはドン引きされている一言である。
できれば知られたくない一言なので書かないでおく。
ぜひ知りたいという方はコメントでもくれれば教えよう。

しかし、ちょくちょく地元に帰っては遊び歩き
暴虐の限りを尽くしていた私は
自然にMとMの友達と常に遊ぶようになる。

ここでMのことを書いておこうと思う。書いておくべきだと思う。

出会ったのは学習塾の大掃除。
よく笑い、声が大きく、あっけらかんとしている子。

向こうからメールをよこしておいて、
しかも告白をさせておいて2日後に白紙に戻すという荒技をこなす女の子。
そして常に遊んでいてわかったことだが、
Mは私のネタでは一切笑わなかった。

私は逆にそれが新鮮だった。

何かありのままでいてもいい、と言われたようで気楽だった。
フラれたはずなのになんの衒いもなく頻繁に遊んだりした。

クリスマスには高いブランドのネックレスをプレゼントした。
そんなプレゼントや常に一緒にいるもんだから、
他の友達からは付き合っていると本気で勘違いされるほどだった。

その度、Mは

「ちがうちがう!2日後にフったから!!」と必死で否定していた。


その度私は「罪悪感とかないんかい!」みたいなことを言っていた。
Mの友達も
「なんで付き合わないの?今付き合ってるのと変わんないよ?」
みたいなことをMに再三言っていたが、Mは首を縦には降らなかった。
よくわからない子だった。
そんなMはこの後、本当に大きな決断をすることになる。

そして、私はというと、夏休みの終わりをギリギリまで
Mやその友達と過ごし、大学がある都市へと帰った。

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