また書いてみることにする

とっても久しぶりにnoteを開いた。
気づけば一年もここでは書いていなくて、それがなぜだったのか、特に大それた理由はなかったと思うのだけど、読書会に出たり小説の公募に出したり、出したものが落ちたり、勤めていた本屋が閉店したり色々なことがあるにはあった。

この一年、小説はほとんど読んでおらず、人類学、歴史、哲学みたいなジャンルの本ばかり読んでいた気がする。
レヴィ=ストロース、サピエンス全史、(100分de名著だけど)資本論、諏訪大社や古代の神様についての本、河合隼雄のユング入門書、中沢新一などなど。

久しぶりに小説を読んでみたくなって、漱石の短編を読んだら驚くほど面白かった。ふとした景色や、子供のいたずらや、夢のことや、日常の小さなことが、漱石が切り取ると、美しい余韻を残して霧になる。霧になって、しばらくなんの変哲もない太陽光を乱反射して、世界の色合いが変わる。
漱石の短編は、序破急や起承転結ではなく、熱いと寒いや、美しいと汚いや、なんだかそんな二要素をとても上手に使っているように見えた。

物語を書くなら次は短編から始めてみたいような気がしてつい文豪の短編集を買い漁ってしまったけど、まだ漱石の途上にいる。
書き始めて20分が経った。
私は今、早く書くということを試したいと思っている。

本屋が閉店したので仕事が変わり、在宅ワークメインになった。
これから、仕事の一環として文章を書く機会をもらえるかもしれないのだが、私という人間は、どんな面をとってもスピードという基準を重視しない傾向にある。

私に与えられる時間は、ひとまずは30分ということだ。
「30分で書けるものを、それなりの頻度で出していく」というのは、ただ書けるということとは少し違う能力が要りそうだ。
だからまたnoteに戻って来てみた。

テーマは決めずに、日々のことをなんでも、始めと終わりを設けて切り出す習作。
漱石のようにとは行かずとも、霧の余韻を生み出すことが、練習次第では出来るかもしれないではないか。
何にしても、やってみなくては進歩はしない。
ということで、ちょうど今、30分である。

応援いただいたら、テンション上がります。嬉しくて、ひとしきり小躍りした後に気合い入れて書きます!