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スーパーかあちゃんへの道14

再びの主人、またもや一声あげる。

「今週も作ろっか?」
「お願いします(即答)」

作り置きのことである。子供のご飯を作り置いて平日を乗り切っている我が家は、日曜日は作り置きdayなのである。

今回はもう、前回(スーパーかあちゃん13)のように色々と思い悩むことはなく、ただただそのありがたさに深々と頭を下げて一礼。よろしくお願いいたします。

あ、でも、夕ご飯も何か作ってくれることになっていたんだった。作り置きまでしてもらったら、せっかくの休みなのにキッチンに立ちっぱなしになってしまいやしないだろうか。そんなことを配慮して、

「いや、でも夜もやってもらうし、作り置きは私がやろっか?」

と言ってみる。

「別に? いつもやってることだから全然苦じゃないし。
youが文章書くのと一緒yo」

……頼もしい過ぎるやろう。
思わず謎の関西弁を口走ってしまいそうになる。で。お言葉に甘えてお願いした。
これも前回参照なのだが、あるレシピ本の影響で、我が家では「40分で6品作る」と言う謎の基準値があって、それくらいのペースを目指すべし、と言う指針になっている。ちなみに前回は、プロである主人は余裕綽々で、キッチンをピカピカにするところまで含めてあっさり40分以内で終わらせ、私のドンくささを身を以て証明してくれたわけだが…

25分経過。
「…あれ? 今日全然終わらない」

30分経過。
「やべ、あと30分くらいかかるかも…」

40分経過。
「終わったわ。あー、でもまだ片付けしてない!」

43分経過。
「よし終わり!うわー、前回より全然ダメだった〜」

えーと、今回も超速でした。本人的には前回よりもタイムを落としたので納得いっていないようですが。て言うか30分経過時点であと30分かかるって言っといて10分後に終わってるとか、もうわざとでしょ?! と突っ込んだら何も言わずにニヤニヤしていた。確信犯。とんだ挑発野郎だぜ。嫌いじゃないけど。

・トマトと豚肉の味噌炒め
・鶏ささみのピカタ
・ちくわとワカメの和え物
・ハムとほうれん草のスープ
・野菜とツナの卵炒め
・白菜としらすのゆかり和え

を生み出した!!しかも、ほぼノーレシピでやってるからすごい。プロなんだから当たり前、かもしれないけれど、6品考えて、手順を整理して、実際に考えながら動いて、時間で終わらせるいうのはやっぱりすごいことだと私は思う。

子供は喜んで食べていた。ピカタがお気に入りで、肉食獣の形相でかじりついて、8本の歯で一生懸命噛みしだいていた。

一方私は、子供に優しくなれない1日であった。
1歳4ヶ月になる娘だが、成長とともに自我が芽生え、いろんな遊びや味やおもちゃを覚え、あれが欲しい、これは嫌だ、という主張が強くなってきた。それに加え、そろそろ動きが活発になってきて、いたずらもスケールが大きくなっていき、怪我の心配もあったりして、時にはこれはダメ!とわからせなくてはいけない場面も。
子供に対してする怒りは、しつけなどで「私は今怒っている」、ということを示すためにあえてやることがほとんどだが、時に本気でイライラしてしまい、どこまでが演技で、どこまでが本気の感情なのか分からなくなる。

感情のままに怒鳴っている、というのとも違うし、完全に感情をコントロールできているわけでもない。

で、子供はどんな反応をしているかというと、本当に怒っているのかどうか、ギリギリまで試してくる感じがする。こっちに迷いがあるからそう見えるだけなのかもしれないが、冗談でしょ?とでも言いたげに、まず笑ってやり過ごそうとする。それでも瞬きすらせずじっと圧をかけていると、何度か様子を伺った後に、本気のやつなの?って感じでようやくその時は言うことを聞く(あとでまた同じいたずらをするが)。

私はその、じっと瞬きすらせず圧をかけている間、これが演技だと見破られないように、という緊張感と、体の内側に燃える感情的な怒りが外に出ないよう統制せねば、という二重の緊張感に襲われている。

これは一体どっちだというのだろうか。
ここを掘り下げたら長くなりそうなのでまた別の記事に書くが、

「怒り」を子供に行使するのは難しい。
教育的に、大人として、客観的な目線で接すると同時に、ただただ愛おしいという、とても主観的な動機で接している。

その全てを見透かされている気がするのは、こちらが揺らいでいるからだろうが、うぬがこの世で生き始めてからたった1年と4ヶ月しか経っていないと同時に、我も母というものになってそんなもんであるよ、と私は言いたい。

一丁前にそれはダメ、危ないでしょ、などと注意をしているのであるが、その実、グラグラのヨレヨレである。

グラグラのヨレヨレであれやこれやを叱りながら、主人の作ってくれた美味しい夕飯を食べ、娘の活動限界が訪れたので食事も途中で寝かしつけにかかり、ようやっと眠った後、ほとんど暗いような部屋で缶ビールを飲みながら食事の残りを食ベる。

そんな日曜の終わり。
こんなこと、これから何度だってあるのだろう。
やれやれ。明日からも頑張ろう!


スーパーかあちゃんへの道は、暗闇の中を、及び腰でちまちま進んでいる日もあったりなかったりする。



応援いただいたら、テンション上がります。嬉しくて、ひとしきり小躍りした後に気合い入れて書きます!