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初めてのネットショップはオープン前の準備が大事〜ネットショップ初心者のための運営と集客〜

オープン前の仕込みについて

これまで多くのネットショップのオープンに携わらせていただきましたが、オープンしたあとのサポート(コンサルティング)はもちろん、オープン前からお手伝いさせていただくことも非常に多いです。

例えば
・これから始めたいけど何をすればいいのかわからない
・こんな商品を売りたいけど見込みはあるのか
・どのようにブランディングを進めていけんばいいのか検討もつかない
・ECのシステムは何を使えばいいのか
・ブログやソーシャルメディアはどうすればいいのか
といったような、本当に基本的なことから携わることもあります。

実店舗を運営している人ならまだしも、多くの人は会社の別事業であったり、奥さんや友人が中心となった副業である場合がほとんどです。
いきなり会社をやめて裸一貫でネットショップをはじめるようなリスクを背負った人は非常に少ないですね。

まずはじめるにあたって、誰に何をいくらでなぜ売るのか、ということを明確にしてもらいます。
「自分が好きだから売れるだろう」とか「世の中で流行っているから売れるだろう」という考えでは売れません。

またオープンすると
・商品の仕入
・品出し(登録作業)
・配送
・入金確認
・撮影
・商品原稿の作成
・キャンペーンの企画やイベントへの出展
といったかたちで、やることが一気に増えてしまいます。
そこへ新たにブログやSNSとなると正直手が回らず、結局誰に何を伝えたいのか意味不明な自分語りなものになってしまいます。
自分語りなブログは身内や友人以外の人にとっては興味がありませんし、当然見てもくれません。

何から始めればいいの?オープンの方法は?

重要なのはブランディングです。
難しく考えることはなく、自分のお店の目的やストーリーを、自分の口で語り、お客さまへの約束事を作っていくことです。

少し専門的な話になりますが「誰にどのような価値を提供するか」を明確にしていくためにも、お店をはじめるにあたっては「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」という3つの要素をしっかりと把握しておく必要があります。
こういったところから自身のブランドとして守るべきものを考えます。
それは、それ以外のものを捨てる、すなわち「やらないことを決める」ということになります。
これはブランディングにおけるもっとも重要視しているポイントでもあります。

そのためには、まず競合のリサーチです。
当たり前の話なんですが、ここはしっかりとやっておく必要があります。
自分と同じジャンルのお店であったり、違うお店であっても、例えばお店のデザインや商品のセレクト、キャンペーンの打ち方、ブログのネタ、販促ツールなど参考になりそうなところであれば、毎日のようにチェックしてください。
これはオープンの半年ほど前から、少なくとも30〜50程度のお店はしっかりとチェックして、それぞれの強味と弱味をまとめておくと運用の際に活かすことができます。

そして少なくともオープンの3ヶ月ほど前からブログとSNS(TwitterやInstagram、facebook)をはじめてください。
どういったお店で、どのような商品を扱うのか、といったことをブログやSNSを通して準備段階から告知していくのです。
お店の名前、ロゴ、納品書などを入れる封筒といったツール類、デザイナーさんとの打ち合わせ風景、販売予定の商品やその商品を撮影している風景など、徐々に出来上がるストーリーをブログなどを通して伝えていくのです。
まだお店としてのかたちは存在していないけど、スタッフの人柄やセレクトする商品のセンスなど、オープン前から伝えることができますし、それがファンづくりのベースになるのです。

例えば家の近所にパン屋さんができるとき、お店に内装工事がはいってオーブンが持ち込まれたり、現場の前で大工さんとデザイナーさんが話し合ってる風景を見ながら「あ、ココにお見せ出来るんだな」って思いますよね?
徐々に外装が出来上がり、それが自分の好みに合いそうなデザインのお店であればオープンしたらよってみよう、買ってみようと思いますよね?
ネットショップだって同じなんです。

こういったオープン前の仕込みがオープン時に潜在顧客を生み出す仕掛けになるのです。
オープンしてからブログを始めたり、SNSをはじめても、雑務に追われてしっかり運用するのは大変困難です。
また実店舗などがある方でもない限り、通常は潜在顧客も0からのスタートとなります。

3ヶ月間毎日ブログを更新するということは、オープン時にはすでに100近いコンテンツが存在するということになります。
オープン前からの記事をこれだけ仕込んでいると、オープン後に見に来られたお客さまもオープンまでの道のりを追体験できます。
初めて訪れたお客さんでも、オーナーやスタッフの人柄に触れることもでき、また商品をセレクトするときの思いも伝わり、十分潜在顧客になりうるわけです。

そしてSNSを通して、お店の準備やブログに載せる前のちょっとした写真、情報などを、自分と同じようなセンスを持った方を中心にフォローし、積極的にアピールしていきます。

これらの仕込みはオープンしてからでは遅すぎますし、ましてやオープン直後は慣れない事務処理に追われ、それどころではなくなってしまいます。
3ヶ月毎日ブログを更新し続ければ、それは習慣となりますし、そうなると日々のちょっとした時間にでも更新するノウハウが身につきます。
そして、オープン後も毎日更新し続けることができるようになるのです。

最後に

オープン前の仕込みとして、競合のリサーチやブログ、SNSなどの運用が大事であることはお伝えしましたが、それ以前にお店としてのコンセプトや経営理念、経営計画などはしっかりと考えておく必要があります。

多くのお客さまのご相談を受け、実際にオープンされたお客さまは全てではありません。
オープン前の事前準備や、商品の選択、将来に向けての経営計画などがずさんすぎて、どう考えても勝てる見込みがなかったからです。
もちろん弊社でお受けできなかっただけで他所でやっている場合もありますし、自分たちだけで始めるお客さんもいます。
そういったお客さまの多くは、厳しい話ですが、6ヶ月後、1年後の運営状況となると大変厳しいものがあります。
もちろん、その状況から相談されることも少なくはありません。

では、何が成功の原因になるかというと、
・こつこつ地味な作業であっても続けることができる
 →ブログやSNSの運用など
・一気にブレイクを狙わず、自分たちにできることから手堅く進めていく
 →よそがやっているからといって、
  そっくりその手法をまねするようなことをしない
・オーナーやスタッフが笑顔でいること
 →風通しがよく、オーナーやスタッフがお店や商品、
  仲間のことを大切に思っている
・時代の流行ではなく、本当に自分が好きなモノを扱うこと
 →流行っている商品を扱うのは、多くの場合すでに手遅れ
 →自分たちの気持ちがこもっている
・小手先のテクニックではなく、必要なことをしっかりと継続する
 →SEOや広告に高額な料金を払わない
 →まず自分たちでやれることから始めてみる
・常にお客さまの目線でお店をより良い状態に進化させる
 →自分語りになっていない
・商品にストーリーがある
 →扱う商品にこだわりやテーマがある
といったところがポイントでしょうか。

お店そのものも大事ですが、お店のスタッフやオーナーなどのパーソナリティもこのところ大変重要な感じがします。

そして何よりも大事なことは地道にコツコツと継続することです。
そのためには無理をせず、小さく生んで大きく育てる気構えが重要になります。

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