第29回キャリアコンサルティング技能検定2級面接試験準備

事前に発表されたケース内容を基に行った試験準備の内容です。予想であり、必ずこのような展開になるとは限りません。

ケース1:20歳、大学2年生

  • 友人はすでにインターンシップに応募している

  • アルバイトをしているが、社員は仕事のやり方が全然違う

  • 自分も何か始めなくてはと焦る

  • どのように考えたらいいかわからない

ポイント:
・周りが行っているから自分もとなっていて、自己理解や仕事理解に基づくモチベーションではないのかも
⇒卒業や就職に対する思いを聞く。自己理解に関する質問(卒業後は?どう働きたい?興味関心は?仕事に対するイメージは?)
・アルバイトという重要な経験が就労への自信につながっていない。バイト先の経験が何か影響?
⇒アルバイトの経験があるというのは、大きな強みで、卒業後に社会人として生活していく上でも役立つと思う。それでも、「社員とは違うし…」と思われるのは、どんなことから?
・目標についての合意:「~(自己理解や仕事理解の促進、バイト先の経験の克服)ができたら、焦りも減って、卒業や就職に向けて進んでいけそう?」

ケース2:33歳、子供(3歳)

  • 人間関係良好、仕事にも面白み

  • 管理職で新規のプロジェクトを任されている

  • 妻が第二子を出産し、妻からは育児休業の取得を頼まれたが、職場はそれを申請できる雰囲気ではない

ポイント:
・男性育休制度の変更:通知・取得促進の義務化(2022年4月~)、出生時育児休業(産後パパ育休、出生から8週間の間に合計4週間分(2回まで分割可能)、休業開始予定日の2週間前までに申請)(2022年10月~)、社会保険料の免除(月末、月の間14日以上、賞与支給月は連続して1か月を超える場合)
・通常育休制度の変更:分割可能(2022年10月~)、有期雇用者の取得可能(2022年4月~)
・まずは本人がどう思われているか。おそらくどちらとも答えない。会社の雰囲気は?実際に取得した人はいない?想像では?誰かと話した?奥さんの言い分は?取得しなかったらどうなる?
・制度について整理したいのだけれど、どう?と切り出して、現在は男性育休制度と通常の育休制度の2種類があることを伝える。通常の育休制度は1歳、保育園に入れられずにパートナーが働いている場合は2歳まで延長できる。男性でも1か月、半年取られる方もいた。1か月前までの申請が必要。新しい男性育休制度は、2か月までの間に、1か月間取得可能で、2分割もできる。1週間ずつ取ることも可能。2週間前の申請でOK。もしかすると、一般にイメージされる育休のだいぶ仕事から離れるというものとは違うかもしれませんが、その辺りはどうですか?
・目標についての合意:現状、会社の方でもあまり突っ込んだお話はできていないように見受けられますがどうですか?また、奥さんとも、具体的にどれだけの期間や頻度取るかとか、取れなかったとしたらどんなリスクがあるか、他の対策はないかといった話を進めていけるといいと思いますが、どうでしょう?そこで、会社や奥さんとの話し合い、相談をもう少し進めるという点を目標にして、具体的な方策を考えていけるといいのではないかと思いますが、どうでしょうか?

ケース3:34歳、父(64歳)、母(63歳)

  • メーカー勤務5年で退職、メーカー契約社員として再就職し5年目

  • 現在は経理の仕事、SNSの登録者数が増え、収入が増えている

  • 会社を退職してSNSの活動に専念するのもよいかと考えている

  • 上司から正社員と無期雇用への転換を打診された

ポイント:
・キャリアビジョン。現在34歳で今後どのように働き、生きていきたいか。親との関りをどうするか。同居や介護?
・現職への思いを確認
⇒SNSに専念するのもよいかと考えているのはどうして?今の仕事は大変なこともある?理想としては、自分で事業をもってという形?副業でという方も増えているけれども、それよりは専念したい?
・上司の思いを確認
⇒上司の思いとしては?正社員でやれると何か変わることは?
・キャリアビジョンについて確認
⇒独立も含めて転職を考える場合、10年、20年後を見据えた仕事や人生を考える必要があると思うが、その点に関してはどうですか?44歳、55歳でどのように働き、どんな人生を歩んでいたいですか?
・目標についての合意:今後のキャリアビジョンを明確にしていくということを1つの目標にするといいかと思うのですが、どうですか?そうすると、SNSに専念するか正社員転換を受けるかの決断の参考にもなるのではないかと思いますが。
・方策:10年後、20年後の働き方や人生を考える。家族と将来について話し合う。副業可の求人を探す。正社員転換の条件、昇給の可能性について、上司や人事と話す。

ケース4:48歳、妻子

  • 自動車ディーラー25年目。店長2年目

  • これまで営業で実績を上げてきたが、上司が変わり人材育成に力を入れる方針に

  • 人材育成はやったこともないし、会社からは具体的な指示もない

ポイント:
・働き方の転換や環境に適応する能力
・営業での実績についてうかがう
⇒25年というキャリアもありますし、店長も2年やられているということで、営業の方は実績もあるし、こだわりをもってやっているというところでしょうか?自分が先頭に立って営業をするのと、副店長や店長としての働き方には違いもありそうな気がしますが、その辺りはどうですか?
・会社の方針についてうかがう
⇒会社としては、人材育成に力を入れてどうしたいのでしょうか?他の店長も戸惑われているのでは?具体的な指示がないということは、それぞれのやり方でということ?
・目標についての合意:今後どのように人材育成にを行っていくか、そこでどうやってご自身の強みを活かせるかということについて見通しがもてると、助けになりそうですか?その方向でキャリア相談を進めていきましょうか?
方策:すでにできていること、人材育成に対する苦手意識とそれを克服する方法、職場に相談すること

ケース5:52歳、父(84歳)、母(82歳)

  • 人事部総務課30年目

  • 社内業務を外部委託。人事・労務の一部もその対象

  • 自分はどうなるのか、異動になるのではと考えると不安

  • 転職という選択肢も含めて相談したい

ポイント:
・不安への対応と転職活動
・状況の整理
⇒人事労務が対象ということで、具体的にどのような業務を外注するかは決まっていないようですね?総務のお仕事で、担当の業務についてもはっきりとは決まっていない?具体的に、いつから何が外注されるかという話は?どのような業務をされているのですか?30年となると相当いろんなことをご存じではないかと思いますが?外部委託するにしても、今の職場の状況をよくわかっている方は必要なので、委託先とのやり取りなどの業務は必要になると思いますが?
・転職について
⇒とはいえ、今の段階で外に目が向いたのはとてもいいことだと思います。職場の定年年齢はご存じですか?60歳定年、65歳まで再雇用可というところが多いかと思います。その辺りも見据えて、自分がこれまでどのようなスキルを身に着けてきたか、定年後、それを活かして、どのように働いていくか、人生を豊かにしていくかということを改めて考える機会にしてみてもいいかもしれませんね。
目標についての合意:もう一度整理すると、会社が外部委託で業務の整理を進めるということですね。そんな中、会社がいつ何を委託するのか、自分の仕事はなくならないのかということがもう少しはっきりすると良さそうですね。一方で、自分の仕事がなくなるとすると、また、将来的なことを考えても、転職の可能性や自分に何ができるのかということを考えてみるということは、有益なことだと思います。2つの方向性がありますが、どうですか?どちらに興味があるかということはありますか?
※多分どちらとも答えないが、一応…
・方策:社内で話ができる人はいますか?上司は?人事は?同僚はどのような反応?

(同)実践サイコロジー研究所は、心理学サービスの国内での普及を目指しています! 『適切な支援をそれを求めるすべての人へ』