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キャリアコンサルティング技能検定2級論述対策(第23,25,26回の回答例あり)

基本方針

論述試験は、実技試験であるということを忘れてはいけません。極端にいうと知識は求められていません。知識が無くても、大きな減点にはならないと考えられます。まずは、実技の試験範囲を押さえて、その試験範囲を満たすような回答の作成を心がけるべきでしょう。面接試験の評価区分は「基本的態度」「関係構築力」「問題把握力」「具体的展開力」です。論述試験でもこれらの区分を意識して回答するようにしましょう。

押さえるべきポイント(2021年版)

2021年版の回答範囲は次の通りです。

https://www.career-kentei.org/wordpress/wp-content/uploads/2019/12/grade2_kamoku_hani2020.pdf

Ⅰ キャリアコンサルティングを行うために必要な技能

1 基本技能

相談者に対する支援を適切に行うために、以下の1)から 4)までの基本的技能を有し ていること。

1) カウンセリングの技能

① カウンセリングの進め方を体系的に理解した上で、キャリアコンサルタントとし て、相談者に対する受容的・共感的な態度及び誠実な態度を維持しつつ、様々なカウンセリングの理論とスキルを用いて相談者との人格的相互関係の中で相談者が自分に気づき、成長するよう相談を進めることができること。
② 傾聴と対話を通して、相談者が抱える課題について相談者と合意、共有することができること。
③ 相談者との関係構築を踏まえ、情報提供、教示、フィードバック等の積極的関わり技法の意義、有効性、導入時期、進め方の留意点等について理解し、適切にこれらを展開することができること。

2) グループアプローチの技能

① グループを活用したキャリアコンサルティングの意義、有効性、進め方の留意点 等について理解し、それらを踏まえてグループアプローチを行うことができること。
② 若者の職業意識の啓発や社会的・基礎的能力の習得支援、自己理解・仕事理解等を効果的に進めるためのグループアプローチを行うことができること。

3) キャリアシートの作成指導及び活用の技能

① キャリアシートの意義、記入方法、記入に当たっての留意事項等の十分な理解に基づき、相談者に対し説明できるとともに適切な作成指導ができること。
② 職業能力開発機会に恵まれなかった求職者の自信の醸成等が図られるよう、ジョ ブ・カード等の作成支援や必要な情報提供ができること。

4) 相談過程全体の進行の管理に関する技能

相談者が抱える問題の把握を適切に行い、相談過程のどの段階にいるかを常に把握し、各段階に応じた支援方法を選択し、適切に相談を進行・管理することができること。

2 相談過程において必要な技能

キャリアコンサルティングを進めるに当たって、次の1)から8)までの技能を用いて、 相談者との関係構築、相談者の抱えている問題の把握、その問題に対する目標設定及び 具体的展開につながることができることの応答と相談過程を意識できること。

1) 相談場面の設定

① 相談を行うにふさわしい物理的な環境、相談者が安心して積極的に相談ができる ような環境を設定することができること 。
② 相談を行うに当たり、受容的な態度(挨拶、笑顔、アイコンタクト等)で接する ことにより、心理的な親和関係を相談者との間で確立することができること。
③ 主体的なキャリア形成の必要性や、キャリアコンサルティングでの支援の範囲、 最終的な意思決定は相談者自身が行うことであること等、キャリアコンサルティン グの目的や前提を明確にすることの重要性について、相談者の理解を促すことがで きること。
④ 相談者の相談内容、抱える問題、置かれた状況を傾聴や積極的関わり技法等によ り把握・整理し、当該相談の到達目標、相談を行う範囲、相談の緊要度等について、相談者との間に具体的な合意を得ることができること。

2) 自己理解への支援

① キャリアコンサルティングにおける自己理解の重要性及び自己理解を深めるため の視点や手法等についての体系的で十分な理解に基づき、職業興味や価値観等の明確化、キャリアシート等を活用した職業経験の棚卸し職業能力の確認個人を取り巻く環境の分析等により、相談者自身が自己理解を深めることを支援することが できること。
② 面接、観察、職業適性検査を含む心理検査等のアセスメントの種類、目的、特徴、 主な対象、実施方法、評価方法、実施上の留意点等についての理解に基づき、年齢、 相談内容、ニーズ等、相談者に応じて適切な時期に適切な職業適性検査等の心理検査を選択・実施し、その結果の解釈を適正に行うとともに、心理検査の限界も含め て相談者自身が理解するよう支援することができること。

3) 仕事理解への支援

① キャリア形成における「仕事」は、職業だけでなく、ボランティア活動等の職業以外活動を含むものであることの十分な理解に基づき、相談者がキャリア形成にお ける仕事の理解を深めるための支援をすることができること。 ② インターネット上の情報媒体を含め、職業や労働市場に関する情報の収集、検索、 活用方法等について相談者に対して助言することができること。 ③ 職務分析職務、業務のフローや関係性、業務改善の手法職務再設計、(企業方針、戦略から求められる)仕事上の期待や要請、責任についての理解に基づき、 相談者が自身の現在及び近い将来の職務や役割の理解を深めるための支援をするこ とができること。

4) 自己啓発の支援

① インターンシップ、職場見学、トライアル雇用等により職業を体験してみること の意義や目的について相談者自らが理解できるように支援し、その実行について助 言することができること。
② 相談者が啓発的経験を自身の働く意味・意義の理解や職業選択の材料とすること ができるように助言することができること。

5) 意思決定の支援

① 自己理解、仕事理解及び啓発的経験をもとに、職業だけでなくどのような人生を 送るのかという観点や、自身と家族の基本的生活設計の観点等のライフプランを踏まえ、相談者の中高年齢期をも展望した中長期的なキャリア・プランの作成を支援することができること。
② 相談者のキャリア・プランをもとにした中長期的な目標や展望の設定と、それを踏まえた短期的な目標の設定を支援することができること。
③ 相談者の設定目標を達成するために必要な自己学習や職業訓練等の能力開発に関する情報を提供するとともに、相談者自身が目標設定に即した能力開発に対する動機付けを高め、主体的に実行するためのプランの作成及びその継続的見直しについて支援することができること。

6) 方策の実行の支援

① 相談者が実行する方策(進路・職業の選択、就職、転職、職業訓練の受講等)に ついて、その目標、意義の理解を促し、相談者が自らの意思で取り組んでいけるよ うに働きかけることができること。
② 相談者が実行する方策の進捗状況を把握し、相談者に対して現在の状況を理解さ せるとともに、今後の進め方や見直し等について、適切な助言をすることができる。こと。

7) 新たな仕事への適応の支援

① 方策の実行後におけるフォローアップも、相談者の成長を支援するために重要で あることを十分に理解し、相談者の状況に応じた適切なフォローアップを行うこと ができること。

8) 相談過程の総括

① キャリアコンサルティングの成果や目標達成具合を勘案し、適正だと判断できる 時点において、相談を終了することを相談者に伝えて納得を得た上で相談を終了す ることができること。
② 相談者自身が目標の達成度や能力の発揮度について自己評価できるように支援すること、またキャリアコンサルタント自身が相談支援の過程と結果について自己評価することができること。

回答手順

問 1 相談者がこの面談で相談したい「問題」は何かを記述せよ。(20点)

主訴の理解を確認する問題です。基本的態度や関係構築の基礎となる受容的・共感的理解が問われていると考えられます。

問 2 キャリアコンサルタントとしてあなたが考える、相談者の「問題」は何かを記述せよ。(20点)

問題把握力を問う問題です。相談過程、特に、自己理解、仕事理解、自己啓発、意思決定、方策の実行のどこが不足しているかをクライアントの発言に沿って示す必要があります。

問3 あなたは、上記2つの「問題」を合わせ、相談者を援助するために、①どこに目標をおいて、②どういうことを実施したいか。目標と具体的な方策を記述せよ。(60 点)

具体的展開力を問う問題です。①(主訴)の部分に対して受容的・共感的に関わりつつ、一方で、②の問題を解決するための支援を提供しることになります。

自己理解の一環として、問題の整理や主体性の促進が必要となる場合もあり得ます。

展開では、事後のフォローや相談過程の総括を含むのが望ましいといえます。

回答例(第26回)

現在はこちらに共有されています。(古くなると公式の公開は終わります。)

https://www.career-kentei.org/wordpress/wp-content/uploads/23_2021_1H_S_Ronjutumondai.pdf

問1 相談者がこの面談で相談したい「問題」

次の発言が使えそうです。

Cl1 13年ずっと車両の検査や整備の仕事をしてきたが、先日突然電機システム会社への出向の内示があり…
Cl2 ショック。
Cl3 新しい職場で自分にできることがあるのかといろいろ不安ばかり…
Cl4 電車や機械いじりが好きで、この会社に就職。やりがいをもって頑張ってきた。
Cl6 ずっと現場で機会を相手に仕事をしてきたし、これからも電車に関わる仕事ができると思っていた。人付き合いも得意な方ではないし、急に課長補佐と言われても、勤まる自信がない。

回答例:
13年間ずっと車両の検査や整備の仕事をしてきたが、突然電機システム会社への出向の内示があり、ショックを受けている。機械を相手にした今の仕事にやりがいを感じている。出向先で、課長補佐として何ができるか、人付き合いが得意な方ではないこともあり、自信が持てず、不安に感じている。

問2 キャリアコンサルタントとして考える、相談者の「問題」

次の発言が使えそうです。

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(同)実践サイコロジー研究所は、心理学サービスの国内での普及を目指しています! 『適切な支援をそれを求めるすべての人へ』