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ダイナモ人か、、、

知識創造プリンシプルコンソーシアム「企業変革を牽引する新世代リーダー ダイナモ人を呼び起こせ」、日経BP(2021)

https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08Z2VJYRF/opc-22/ref=nosim

読了。

本著の

・イノベーションが起こらない。イノベーションが失敗するのであればいいが、「口先だけで本気で取組もしない」ようになってしまっている(三振もしないが、そもそもバッターボックスに立たない)

・「優秀な人材」が予測可能な未来を想定して、精緻な計画と確実な実行を前提とする経営を磨けば磨くほど、イノベーションや変革を実践する「余白」は組織から失われていった。

といった問題意識には共感する。

コロナの1年間、興味深く、人の意見や世論を見ていたが、これはビジネスの世界だけの話ではなく、社会全体に余白がなくなっていると痛感する。

同時に、もっとも優秀は人材であった官僚があたふたしている。未来の予測ができないし、当然計画もできない。その分、肉体労働でカバーしようとしているようにさえ見える。

この本では、従来の優秀な人材に変わって、イノベーションや企業変革を推進する人材は、利他的な目的を掲げ、できない理由よりもできる可能性に着目し、圧倒的な熱量と行動力を伝播させながら、人を巻き込む力がある人たちを「ダイナモ」人材と呼んでいる。そして、そのような人材が組織をダイナモ化し、さらに社会をダイナモ化していくことが冒頭の問題の解決方法だとしている。

ちなみに、ダイナモというのは発電機という意味の単語だが、プロフェッショナルサービスファーム経営のグルとして名高いデービッド・メイスターがこの言葉を組織の活力の源泉という意味で使った。

この本が主張しているのは、経営のプリンシプルを変え、ダイナモが生み出され、活躍できる場をつくることの必要性を示し、かなり、具体化している。

が、そもそも、問題の本質は経営のプリンシプルを変えるようなダイナモがいないことなのではないかとも思った。


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