【女装と女子会】魅惑のイベントに行ってきた
東京、新宿歌舞伎町。大雨。
桜はまだしぶとく咲いている。
今日は、女装サロンRAARが主催する大人気イベント『女装と女子会』に行ってきた。
このイベントでは女装男子と女子が５０：５０で、女子会をする。普段、女子会をするにもこんなに大人数ですることはないのにどうなってしまうのだろう。
16時に箱がオープンするというので、エレベーター前で待っていた。
ある女性が私の後にやってきて「何回か参加している」と言う。何回か参加するということは、それほど魅力があるということなのだろう。
「私、初めてなんですよね」
「そうですか。今日は何でまたここに来たんですか？」
その女性は同じ質問を何回もしたことがあるような雰囲気だった。私もイベントが始まって何回もこの質問を多くの女装男子にして、またされる側になった。なぜ新宿で雨の日にこんな大人数が集まっているのか、お互いに不思議でたまらない空間だった。
イベント参加の女装男子や女性の中には、撮影OKの方もいて遠慮なく綺麗な姿を撮らせてもらえた。
どこでウィッグを買ってるのか真剣に聞いてる女子もいた。
美容情報の交換場にもなっているようだ。
17時過ぎに、このイベントの目玉である「お見合い回転寿司」が始まった。
クジ引きで引いて15組のグループに別れ、1グループ3分という短い時間で全員が怒涛に話していく。我々女子達は椅子に座ってどんどん回ってくる女装男子達に胸を躍らせながら待つ。すぐにタイムアップして目の前から去っていくので興味が尽きない。
女装男子といっても、今日初めて女装デビューした方や女装歴20年の方もいた。
本日女装デビューした方に話を聞いた。
「今日、初めて女装したんです」
「え。すごい完成度ですね」
「RAARさんに寄ってきて綺麗にしてもらいました」
「どうですか、初めては？」
「嬉しいです。こんなイベントあるのも初めて知ったし、でも僕なんて他の女装さんに比べたらまだまだです」
その場にいて聞いていた女の子達が「そんなことないよ」と声を揃えて言った。なんなんだろう、この我々女達の一体感も。女装男子よりも女子の方が前のめりに質問をして、早口になっていた。
18:30からはフリータイム。
目まぐるしい回転寿司の記憶から、いいなと思った人に声をかけて話していく。
みんなソワソワした目線を送りながら誘っていく。ダンスパーティなのかと思うくらいみんなオシャレして来場しているので、結果を出そうと積極的に誘う人も目立った。女子達も負けずにドリンクを差し入れて連絡先を交換していた。
シャンパンを入れるグループもいて、コールも響いた。
私は一応占い師なので占いタイムを1時間設けて奥の席に構えていた。楽しい女子会の合間を縫って、女装男子が占いの席につく。
「どうですか、今日」
「どの人が女装男子か女子か分からなくて正直パニックになってます」
「みんな綺麗にしてますもんね。さて何を占いましょう」
「恋愛運を」
「まず今日の恋愛運は…」
これから先は個人情報なので言えないけれど、
こういうイベントに来ている時点で恋愛するエネルギーは十分である。この方の恋愛が前に進むことを占い師として祈る。
3年ぶりとなった、この「女装と女子会」。イベント終了間近になっても盛り上がり席を立たず話し込む女装男子と女子達の姿を見て、小さな恋が始まっていくのを見れて良かったと思う。
今夜は、いくつ恋の種が蒔かれただろう。
占い師として、恋愛や友情が産まれる瞬間を見れた気がする。男と女、性別関係なく嬉しそうな人間のエネルギーが満タンであった。
次回も、この素敵なイベントが多くの人の「きっかけ」になることが楽しみで仕方ない。
思いっきり次の執筆をたのしみます