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だいすきな安西水丸さん

どうも、朝から虫と格闘しているコスモオナンです。やはり杉並区木造1Kの大豪邸には、それなりの生命体がいらっしゃるので、心して私も生活しております。

早く、追い焚きもわたしにさせてほしい。
お湯を追わせてほしい。

ふろ自動もいいな。

今は、お湯が蛇口から出ているところを見続ける一種の瞑想のような見張りスタイル。ココロ、これ以上整わなくていいんだけどなって思ってます。

この間なんかは、うっかり自分のことをふろ自動杉並区民と勘違いしておりまして、

お風呂場がやけに賑やかだな?と思ったら、上記画像のように、溢れかえっていたんです。

目に見える真実は、残酷だけども本当なのよね。しかたない。贅沢な源泉掛け流しごっこをしたと思おう。


さて、今日は私の大好きなイラストレーター安西水丸さんの話をしたい。

もう亡くなってらっしゃって、お会いすることは出来ないんだけども。

安西水丸さんはよく村上春樹さんとタッグを組んでいたんです。ご自身でも文章を書かれたり。これもまたいいんですよ!ぜひ、チェックして。

もともと私は、村上春樹さんの文章を読むことが大好きでよく一人で学校の帰り道に、村上春樹風に世界を見てみるゴッコをしていたのよ。

ちょっとこわいっすよね。

そしてエッセイの挿し絵がいつも印象的で、写実的な絵をデッサンで描いていた当時美術部のコスモはこんな軽やかな水丸さんみたいなイラストレーションが描けたらいいなぁ〜とどハマり。

「ランゲルハンス島の午後」の表紙なんて、もぉぉおお!!!と興奮してしまう。

もうね、すべてがオシャレなの。

考え方だったりがね。信頼する大人ってだれよって聞かれたら、お会いしたこともない水丸さんと答えたい。影響がすごい。


好きな水丸さんのことばを書いておく。
ちょっと表現違うかもしれないけど。

「いい人をバカにしてはいけない」

「人間は劣等感を持つと、100歩後退どころか3000歩くらい後退する」

「絵がうまいひとは世の中にたくさんいる。ルーブル美術館で30分も過ごせばミケランジェロもラファエロもいてうまさでは勝てないから、魅力ある絵とはうまいだけでなく、その人にしか描けないものなんじゃないかな」


当時15歳くらいのわたしは、このひとにぜひイラストレーションを習いたい!!!と心の底から思って、上京できる日をワクワク待っていたんです。

当時、青山でイラストレーター養成スクールを開講されていたので、生徒さんたちの作品もチェックしていました。

各作品に対する水丸さんのアドバイスが斬新であり、その人らしさを引き出してるなぁ〜とインタビュー記事で確認したり。



授業中でもよく絵を描いたりして、もう肩慣らしバツグン。

直接会えたらどんな話をしよう、どんなアドバイスを頂けるんだろう。南インドカレーの話もしたい。青の時代、最高ですと伝えたい。

しばらくして上京して、生活もようやくととのって、よし水丸さんのスクールに行くんだ!と思った矢先。

水丸さんが亡くなられたんです。


力がね出なくなっちゃって、錦糸町から通うつもりでいた青山の街をふらふら歩いて、途中でとある本屋さんに入りました。

あれ?!

そこにはなぜか水丸さんに関する本がたくさん置いてありました。

驚いて、水丸さん、もしかして書店開いてたの?!とやさしそうな店員さんに聞く。

「ここ、水丸さんがよく来られていたんですよ」

そう言われた瞬間、なみだが止まらなくなって、入店3分くらいなのに大号泣。

店員さんも一緒に泣いてくれて、「水丸さんがいなくなっちゃったのが信じられないんです」と。

「そうですよね、私も習いたかったんです。お会いしたかったんですよ。」

「水丸さんのイラストレーションがここの本屋の2Fに展示されてるので、良かったら見ませんか?」

「ぜひに」


こんな日があるんだろうか。

水丸さんの生の作品が2Fの壁にずらり。

もー、なんでいないんだろう。

切り貼りしたフラットなカラートーンを、直接見ると、もう、また号泣。

魅力があふれてるよ。


何人か当時の生徒さんがそこにはいて、みんな悲しい顔をしていた。

そうだよね、突然すぎるよね。


別日に、和田誠さんが別の水丸さんの展示会にいらっしゃった。

和田誠さん!!!!!っと、緊張しまくってお話は出来なかったんだけど、水丸さんの話を会場にいる方にされていた。

「水丸さんの絵はヘタウマじゃなくて、ウマウマなんだよ。真似できないんだよ。」

ウマウマ。

ほんとにそうです。ウマウマすぎて、上京しちゃってるよ、こちら。

それから私は続けていた絵を描くということをなぜかやめてしまって、今に至る。

放心状態になってしまったのもある。

なんだか自信がなくなってしまっていた。

憧れの対象がいなくなってしまったことを受け入れられなくなっていた。



ここ数週間で、信頼できるひとのことを沢山考える出来事がわたしの身の回りに起きた。信じたいこと、人がいなくなったりもした。

期待と裏切り、天国と地獄が同時多発しちゃうコロナ時代に振り回されている。自分の軸がブレて谷底に落ちそうになることもある。

水星人からすると、この地球は行動の星であるので、テレパシーや超能力はあまり使えない。じぶんで色々やるしかないのよね。

昨日、ツライがMAXになったときに、突然水丸さんのお顔が浮かんだ。


わたし、本当はずっと絵を描きたかったんだよな。

心の奥底にしまい込んでいた、たのしかった自分の好きなこと。日々の生活に追われて忘れていたな。

昔かいたものを写真フォルダで見つけ、見ていると涙がまた出てきた。

また描いてみたいな。

こころの中の水丸さんにアドバイスと励ましをもらいながら、好きな時間に描いてみようと思う。

こうやって文章を書くようになって、自分のこころの中をアウトプットできるのもすてきだ。

よし、また描く!

それではばいちゃっ!

(プラスめも)
このnoteのトップ画は、水丸さんを真似してカラートーンを新宿の世界堂に行って切り貼りした。カラートーンが高すぎて、数枚しか買えなかった。また、お金を貯めてカラートーンを世界堂で買いに行きたいな。

思いっきり次の執筆をたのしみます