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お守りについて③

荒川・村上(2006)の研究では、お守りを保持している理由として挙げられたのは、以下の通りとなりました。

ーご利益を求めて(49名)
ー安心するから(52名)
ー捨てる時期じゃないから(2名)
ーなんとなく(2名)
ー(加筆:お守りをもらった)背景を思い出すから(1名)
荒川歩・村上幸史(2006)「お守り」をもつことの機能:贈与者と被贈与者の関係に注目して, 社会心理学研究.

「ご利益を求めて」であっても、強い効用があると信じている人は少なく、「持っていないよりは持っていたほうがいいことがありそうだから」といった、漠然とした期待から持ち続けている人が多かったようです。

「神様はいないと思うが、もっていたら安心するから」といったように、効用に期待する程度は別にして、むしろ心理的な効用を求めるものであったようです。

また、人から贈与されたという事実が、お守りが保持されるための重要な要因であると指摘しています。お守りによって贈与者との関係性を被贈与者に意識させ、安心感を与えているのではないかということです。

さらに調査結果を分析して、お守りの贈与・購入の理由について、以下のようにまとめています。

神頼みとしてのお守り

・具体的な幸福への願い
・不吉なことから逃れるため
・不幸なできごとの抑止
・あいまいな幸福の希求
荒川歩・村上幸史(2006)「お守り」をもつことの機能:贈与者と被贈与者の関係に注目して, 社会心理学研究.

儀式的・副次的な祈りとしてのお守り

・副次的な祈り(毎年恒例だから、初詣に行ったから、など)
・儀式としての祈り(車に乗るから、厄年だから、など)
・家の信仰
・見た目の魅力
荒川歩・村上幸史(2006)「お守り」をもつことの機能:贈与者と被贈与者の関係に注目して, 社会心理学研究.

コミュニケーション・ツールとしてのお守り

・贈与者の心配(一人暮らしが心配だから、事故に遭わないか心配だから、など)
・メッセージ(受験頑張るように、勉強頑張るように、など)
・贈与者との一体感(形見として、つきあっていたから、みんなおそろい、など)
荒川歩・村上幸史(2006)「お守り」をもつことの機能:贈与者と被贈与者の関係に注目して, 社会心理学研究.

その他

・企業からのプレゼント
荒川歩・村上幸史(2006)「お守り」をもつことの機能:贈与者と被贈与者の関係に注目して, 社会心理学研究.

このように、人の想いや願いが具体的な「形(お守り)」となることで、それを見るたびに、手に取るたびに、その想いや願いを振り返ることができます、

それにより、安心感を得ることができたり、今の自分を見つめ直す機会となる、他者とのつながりを思い出すといった機能を果たしていると考えられます。

参考文献)
荒川歩・村上幸史(2006)「お守り」をもつことの機能:贈与者と被贈与者の関係に注目して, 社会心理学研究.

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