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【パワポ研のパワポ資料探訪28】気象庁の災害に関する初動対応パワポは迅速で素晴らしい仕事

あけましておめでとうございます。
パワポ研です。本年もどうぞよろしくお願い致します。

様々なパワーポイント資料について解説するこのシリーズ。
毎回大変好評をいただけておりまして、おかげざまでこの度シリーズ28回目を迎えることができました(好評だった初回Goodpatch様の記事は以下)。

今回も見どころあるパワーポイント資料について紹介させていただきます。

はじめに、この度2024年1月の災害において、被災された方々には心からお見舞い申し上げるとともに、復興に尽力されている皆様には安全に留意されご活躍されることをお祈りいたします。

その上で、今回対象とするのは、気象庁が発行した「令和6年1月1日16時10分頃の石川県能登地方の地震について」になります。

令和6年1月1日16時10分頃の石川県能登地方の地震について(PDF)


この資料はまず、地震発生から2時間足らずで作成されたという点が、まず素晴らしい仕事かと思われます(それも1月1日の)。そしてこのパワーポイント資料を利用して迅速な会見を開くことで、国民に正しい情報を提供されました。初動後の災害復旧の対応にフォーカスされることが多いですが、このような気象庁の初動対応があってこそと思い、このような素晴らしい仕事を行われた方にもフォーカスすべきと考えて、今回取り上げさせていただきました。

それでは早速見ていきましょう。

表紙

2024年1月1日16時10分に発生した地震に対して、資料提出が18時10分というのは、くりかえしになりますが、驚異的なスピードです。このような方々の尽力により、生活が成立していることを改めて実感します。

そして縦長のフォーマットですね。おそらく、普段利用しているフォーマットが縦長のため、それをそのまま利用されたと思われます。体裁にこだわる状況ではないので、全く問題にはならないでしょう。

表紙の装飾は不要なため存在せず、表題や所属、問い合わせ先、そしてこの資料の目的を分かりやすい様式で掲示している、素晴らしい表紙です。

大津波警報を発表

1枚目、最も出すべきメッセージである「津波なので避難しろ」が、大きいフォントで掲載されています。これは記者会見で投影する資料であるため、ここまで大きいフォントである必要があるんですね。ここで体裁を気にして、小さい文字にする意味は全くありません。

また、右側の図も非常に分かりやすいです。余計な情報は何もいれず、シンプルに警報・注意報の範囲のみを記載しています。

特筆すべきは、スライド下部に「最新の情報はこちら」というものを、それなりの紙面を割いて示していることです。これは「速報」という側面で作られた資料であり、あとで見なおすことの意義が薄いため、読者の誘導が肝要であるからこその処置です。配慮が行き届いていますね。

震度7を観測

これもとにかく「震度が高いところ」と「その場合の対応」を伝えるには、十分な情報かと思います。やはり文字が大きいのは、こういう場合には素晴らしいですね。

津波警報等の発表状況

色使いについても言及すると、我々日本人の共通認識として「赤」や「黄色」は大変に危ない色というのが分かっており、その上の紫というのは、これはとてつもないことで大変に警戒すべき、ということがよくわかります。

津波の観測状況

少し文字が小さくなりますが、注目すべき津波の高さがしっかりとハイライトされており、読者は迷うことはありません。

津波波形図

素人にはよくわかりませんが、こうした生データを提供し、解説することは非常に大切です。この図ももっと分かりやすく説明すればできるのでしょうが、時間との兼ね合いもあるため、口頭での説明で補足する手段を採用したのでしょう。たしかに私のような素人のためにこの画像を解説するためのスライドを作るとすると、相当時間が必要になるため、それは(この緊急時に)採用すべき手段ではないですね。素晴らしい判断です。

地震の概要

これはおそらく事前に用意していたフォーマット(テンプレート)に入力したものかと思われます。こうした表ものんびり作っていると時間を食べてしまうので、あらかじめこうしたものを用意して災害に備える姿勢が、やはり官はさすがだなと思います。

防災上の留意事項と今後の見通し

このようなワードスライドも、資料には存在すべきです。特に緊急時には。
あとからこのスライドを分かりやすくすることはいくらでもできるかもしれませんが、そんなことは誰も求めていません。分かりやすく明快な資料を迅速に提出するには、このスライドは必要十分です。

緊急地震速報の発表状況

こちらも前述の通り細かいデータですが、右の図がわかりやすいですね。また、これも最新の情報のリンクを案内しているのがよいですね。

発生場所の詳細

もちろん(私のような)素人がわかるような情報だけでなく、こうした詳細な情報も十分に提供してくれます。こういった情報の取得も含めて2時間で資料を完結させるのは、やはり驚異的です。

発表した情報などについて

こうしたリンク集も、緊急時には有効に働くでしょう。普通の資料ならまずつけないものかと思いますが、この状況では大変有用かと思います。

まとめ

これだけハイクオリティな資料を迅速に作る気象庁の方々には本当に頭が下がります。おそらく、当日作ったというよりは、事前に十分にテンプレートがあったと考えるべきでしょうが、このような災害に対するテンプレートを作っていたというのも(素人目には)すごい仕事と思いますし、またそれを加味しても、やはり初動対応が極めてはやいと言えるでしょう。

繰り返しになりますが、こうした緊急対応をやってのける方々には、頭が下がる思いです。少しでもそうした方にスポットがあたればよいと思い、本記事を執筆させていただきました。

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