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【マネしたい】上場企業のIR資料から考える「見やすい表スライド」のポイントとは?

みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。

今回は「読み手に伝わるグラフシリーズ」第4弾ということで、上場企業のIR資料から「伝わりやすい表」とはどのような要素を備えているのかを分解して考えていきたいと思います。

「表」は厳密には、「グラフ」とは異なりますが、見やすいパワーポイントを研究したい、という思いから、このシリーズに含めて書かせて頂きました。「棒グラフ」「円グラフ」「滝グラフ」については、別記事で解説しておりますので、参考にしてみて下さい。

では、「見やすい表」のポイントについて解説していきたいと思います。
今回は、上場企業のIR資料に必ず登場する「業績サマリ」に焦点を当てて、ポイントを解説していきます。

1.「表」のお手本事例 (Chatwork株式会社)

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■強調箇所だけに色を施す
とにかくシンプルに。これは「表」に限らず、パワーポイントを作る際に気をつけるべきポイントになります。当期の数字のみにハイライトを施すことで、「最も注目すべき数字」と「それ以外の数字」の違いが明確に強調されています。

■縦線を消すことで圧迫感を排除
上記のように、縦線を無くした「表」の方が、近年ではスタンダードになってきています。実際に見やすさを比較しても、縦線がある場合には圧迫感があるため、省いてしまったほうが得策だといえます。

2020年12月期 決算説明資料より引用


2.単色の濃淡での配色事例(株式会社ミクシィ)

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■灰色の濃淡で重要性を区別
mixi社の業績サマリでは、3色の灰色が使われています。できる限り多くの色を使わない工夫と言えるでしょう。最も薄い灰色は、行の区別を見やすくするための色分けですが、この機能は「表のスタイルの変更ボタン」から作成可能なので、参考にしてみて下さい。

■列名である1行目は「白抜き」が適切
上記の表はヘッダーに「濃い灰色」を使っているのですが、文字色と背景の色が近いために、非常に見づらくなっています。このような場合は、「白抜き」(文字色を白色にすること)を活用するのが適切だと言えるでしょう。

2021年3月期 第3四半期 決算説明会資料より引用


3.「インデント」の活用事例 (SCSK株式会社)

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■内訳や参考指標には「インデント」を
上記の「売上総利益率」や「営業利益率」にはインデントが活用されています。インデントとは「文章の行頭に空白を挿入して先頭の文字を右に押しやるテクニック」です。インデントはこの表のように「参考指標」の際に使われることもありますが、多くは「内訳」を示す際に用いられることが多いです。

■タイトル部(1行目)は白抜きと相性が良い
「表」を作成する際には、「1行目は白抜きを活用する」と決めてしまっても良いかもしれません。ミクシィ社のところでも解説しましたが、タイトル部と白抜きは相性が良いです。表を作成してみたは良いけど、何かインパクトが足りないなと感じてしまう場合には、検討の余地があると言えるでしょう。

21年3月期 第3四半期 連結業績について より引用


4.グレーアウトが有効とわかる事例(住友化学(株))

住友化学

■グレーアウトを活用すると、強調が鮮明に
他のグラフでも有効なテクニックです。読み手には「灰色 = 重要でない内容」という印象がインプットされているため、対比を強調する際には、重要でない箇所を灰色にすることで、より効果が増します

■合計科目は、丁寧に区別を
IR資料において、投資家が確認すべきポイントはある程度、決まっています。特に「売上高」「営業利益」「当期純利益」が前年比較、予算比較でどのように推移しているかについて確認しない投資家は稀でしょう。そのため、「営業利益」などの合計科目は、太字やハイライトを活用して、強調することを忘れないようにしましょう。

2020年度 第3四半期 決算説明コンファレンスコール資料より引用


5.メッセージはあったほうが良い(TIS株式会社)

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■メッセージはあるに越したことは無い
「表」スライドを見ていると、デカデカと「表」だけが載っているものが少なくありません。もちろん詳細な記載を迫られる場合など、スペース的に仕方ない場合もありますが、そうでない場合は、「表」を通して何が伝えたいのかを記載するようにして下さい。「テキスト」と「表」の2段構えで、伝えたいことをより正確に伝えることが大切です。

■「ー」ではなく「▲」でプラスとマイナスの区別を
非常に細かな論点ではありますが、「ー」だと「+」と見間違える可能性があります。読み手への伝達ミスを減らすために、「▲」を活用するようにしましょう。どんな媒体にも共通しますが、読み手の誤解やストレスを最小限に抑える工夫は、非常に重要だと言えます。

2021年3月期 第3四半期決算説明 プレゼンテーション資料より引用

まとめ

「表」を作る際のポイントとしては、以下が挙げられます。
● 縦線は排除したほうが見やすい
● 強調箇所だけに背景色を施す
● タイトル部(1行目)は「白抜き」との相性が良い
● 内訳を示す際には「インデント」を活用する
● 「+」と「△」でプラスなのかマイナスなのかをわかりやすく
● メッセージは可能な限りつける
● 合計科目は、太字や背景色を使って、明確に区別をする
これらのポイントは、パワーポイントに限らず、「表」を作成する際に、完成度を格段に上げてくれるものばかりです。ぜひ参考にしてみてください。

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