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帽子の惑星

二〇一七年四月二十日木曜日

晴れ

買いものもない。掃除も終わっている。のんさんの、旅のまにまに、あてもなくのんびりと散歩ができる。

たどり着いたのは、川の淵。ほんとうは水たまりのようにじゃぶじゃぶとしたかったのだろうが、入るには肌寒いのではないかとかあぶないかしらとか思ってしまってとめてしまった。んーー、そんなにとめる理由は理由になっていなかったかもしれない。手を川につけてさらさらと撫でた。おそるおそる。

のんさんは、石を投げ入れた。川へ。投げるができるのだなあ。川へ石をいれようと思うのだなあ。なんとなしに石を渡す。そうすると、彼女は石を探さなくなる。もらえるのを待つようになる。あ、やってしまった。そのあたりにもあるよとのんさんの手の届くあたりを指さすとじぶんでみつけて拾い投げ入れはじめる。

顔をあげると、あの少年。あのときのアンパンマン。凧揚げをしようと訪れていたあの日、のんさんとあそんでくれたきっといまは六年生になった二人組のうちのシャイな彼。彼は気づいたからか、はたまた目の前にひとがいるのがやりにくいからかどちらにしてもシャイな彼はさささっと友人のいる方へ行ってしまった。ぱっと目が合ったのが気さくなもうひとりの彼であったらまた話ができたのだろうか。声をかけられなかったのを悔やむ。はらっぱにまだいないかなと、のんさんのペースをすこしさえぎり追いかけてみたけれどちょうど公園の出入り口にいて帰ってしまった。また話して、のんさんと遊んでくれたらいいな、彼らとともだちになれたいいなと思う。

はらっぱに連れてきてしまって申し訳ないと思っていたけれど、のんさんはいつだってどこだって、全力でたのしむことができる。早速とっとっとーっと歩きはじめていた。立ち止まったところにいっしょにしゃがんでいると�四つ葉のクローバー。すぐにもうひとつ見つけた。こんなかんたんに二つもみつけられることがあるのだろうか。のんさんがくれた三つ葉といっしょに持ち帰り手帖に挟んだ。

夜ごはんは、コロッケ(スーパーの)とサラダ(玉ねぎ、人参、わかめ、レタス、トマト)、ブロッコリードリアの残り、とりじゃが、人参と油揚げの炊き込み御飯。

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