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バター大臣

二〇一七年五月三十一日水曜日

晴れのち曇り

三輪車散歩のきょうは、いつもの隣の公園。のんさんが歩くようになって、わたしの足で徒歩二〜三分の公園にだってなかなかたどり着かないこのごろ。目の前のひとつひとつどんなふうに写っているのだろう、と思う。はてさてこのまえ隣の公園へ行ったのはいつのころだろう。

のんさんが駆け回るのをみつめながら、思い出す。のんさんをはじめて野に放ったのも、両手をつかんで歩く練習をしたのも、枯れ葉の上をざくざくはいはいしたのも、この公園だった。はじめておろしたときは固まってあまり動かなかった (と思う)。ちくちくした芝への違和感のようなものをかんじていたのかもしれない。あの日から一年くらいだろうか、いまじゃこんなに駆け回っている。

風のきもちよさ、ひろがるはらっぱや青空。目の前のことに気をとられて目的をわすれるのんさんは口にはいるものへの意識が家にいるときよりぐっと低くなっていて、ぺっと出しそうなものもよおくほおばってたべる。知りたい味わいたいが溢れてきょろきょろして、彼女は目がまわる寸前だったのかもしれない。いつも、そうなのかもしれない。

夕方、はやい帰りの帽さんと公園。よそ見だらけのんさんは、帽さんが木の棒でひく線のうえを駆けてどうにか家にたどりついた。ひんやりとした風に鳥肌がたつ。お昼の散歩は帰って着替えるくらいの暑さだったのに。大人びていて学校では学級委員長なんかをしているけれど、ぬいぐるみを抱いて眠っている四年生のおとこのこというような、まだまだ夏本番ではないね、かわいいねという気候だ。

夜ごはんは、ほうれん草の胡麻和え、コールスローサラダ、肉味噌レタス巻き、あんかけロールキャベツ、焼きトマトごはん。

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