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予定不調和と安心安全
二〇一七年十月十八日水曜日
晴れのち曇り
帰りの電車、井の頭線。狭いかしらと思う隙間にきゅっとお尻をおさめる。左側のおじさまが寄せてくれて、すみませんとそちらばかり見ていたら、右側のおばさまが「まあ」と話しかけてくれた。「何歳かな」「おばさんこどもだあいすき!」っと。きもちのいい大好きな雰囲気の方で、なにかが浮いているような気がしたらアメリカで暮らしているという。今はよくベビーシッターを頼まれるのだそうだ。その場限りのsmall talkをした出会いのなかで、いいな!好きだ!と思う方はどうしてだか日本で暮らしていないひとばかり。おおきくひろ包容力と愛を伝えるきもちよさ。だいすきなその雰囲気を持っている方たちがどうして日本で暮らさないことを選んだのかもっとじっくり聞いてみたい。「この時期の子といられるのはほんの一瞬、わたしはあなたの選択はとってもいいと思う。お金はあとからついてくるんだから。」「こどもはみんなバックのなかを見たがるの。だめとは言わず見せるの、全部中身を出すとだいたい飽きてどっか行っちゃうのよ。」「いつも耳にぶらぶらさせているから、こどもがひっぱりたがる。だからピアスはしないようにしている。すごいはやさで取っていくのよ。」
彼女が明大前で降りると、うわんと泣いた。向き合う抱っこにひっくり返し、会えてよかったねと話し眠っていいよと声をかけるとすっと眠った。いすに座ったままの抱っこで眠るなんて、のんさんには稀。いつもなら意識が勝ってしまう。彼女の存在に安心して (わたしも心がひらかれて)眠れたのだと思う。
晩ごはんは、三日目の水炊き鍋、あいこちゃんの鶏ハム、納豆、ごはん。
のんさんが眠った後、ストーブを囲み帽さんと話す。どのくらい話したのか、帽さんが時間をたしかめると日を超えていた。すこしずつすこしずつ風は吹いている。
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