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この街に暮らす可能性

二〇一七年十二月十日日曜日

はれ

家のダニなどを駆除するようなものの箱を拾い、てのひらに置いてやさしくなでる。わたしのまね、だ。けいたいをさわるまね。

目が合うと照れたかおをしてはにかんで耳にあてる。いいことを思いついたのって。でも恥ずかしいという様子で。こどもは知っているわかっている。にせものであるとかほんものであるとか、それをわかってもあそべるひと。みえないせかいのなかでもどこまでもどこまでもわらっちゃうことができるひと。

昨日すれ違ったおじいさんは話の終わりに「このくらいになりたいね。いいな。」と言って去っていった。

晩ごはんは、代官山の中華料理屋さんにて。麻婆豆腐、青椒肉絲あんかけ炒飯(帽)、五目あんかけつよそばと大葉と海老の餃子のセット(わたし、のん)。

曽田さんのつくられたものがあらゆるところに座り空間を満たしていると、はじめての場所でも深く呼吸ができる。小沢健二さんと満島ひかりさんの対談番組で「胸のなかがぎくしゃくしないです」ということを満島さんが言っていたけれど、こういうことかな、と思う。同じがいて、はじめましてがある。常に。挑みつづけているというのか変化している流動体、その自然に抗わぬようにいるようにかな。いつかいつかお気に入りのひとつをわたしの鞄にするのだ。

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