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おばけなんてないさ

2018年7月6日金曜日

彼女がピースの手をふいにつくり「できた」と見せてくれた。なんとなしに。でもどこかでずっと気にしているのかもしれない。右手も同じかたちに動かそうと手を、指を見つめ、思い描いているとおりのところへ動かそうとする。たぶん、いっぽんいっぽんをこっちへと思いながら思わぬ方へつられる指もあったりしてあたまのなかでてんやわんやだ。その表情はいまだけのもので、なににそんなに惹かれるのか、みつめてしまう。


彼女とほぼずっといっしょに過ごしているのに、どうしてだか、いっしょに絵を描くとか粘土をするとか「やろうー」とさそってもらうとき「いまごはんつくっているから」とか言いなんだかんだいっしょになにかするをしていないなあと昨日日記を書きながらだったかな、思った。映画館ですーさんたちを待っているときもなんだかぷんすか注意ばかりしてどうしてこうなっているんだろうなんて思う。ぼおっとしているとあっという間に役割おばけに食べられる。家事の奴隷になっていく。日記をかくことはそのちいさくつよい呪縛みたいなものを解く。わたしにとって。

きょうは雨降り。いちにちおうち。目をみることと、いっしょになにかするをたのしもうなんて思って過ごすと怒ることはすーっとひいていく。彼女も和らいでいく。そうしてこのごろではほんとうに珍しく彼女は昼寝をした。ほっとしたのか、なにかが満たされたのか、なんて想像する。

・・・

だけど こどもなら ともだちになろう

あくしゅを してから おやつをたべよう

だけど ちょっと だけど ちょっと ぼくだって こわいな

おばけなんて ないさ おばけなんて うそさ

・・・

晩ごはんは、枝豆、温奴、いわしの梅煮、たらことじゃがいものグラタン、あさりのお味噌汁。

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