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木影宇宙散歩

二〇一七年五月二十九日月曜日

晴れ

公園の日影は涼しいくらい。ひんやりとする風がとおってきもちよい。木がいなくっちゃ、影はなくっちゃ、と思う。


砂利道で石ころを拾い、道をかたどる草のうえに時々座って足を伸ばす。

日影にはいると足もとから音がする。顔を近づけてのぞくと、枯葉。歩くとざくざく音がする。

のんさんの身長よりもながい木の枝で届かない場所をさわったり、天を仰いだり、しゃしゃしゃしゃしゃと枯葉を鳴らした。

階段をのぼって降りてまたのぼる。頂上へは抱っこで登頂。

山に咲くつつじのなかは、こどものせかい。いくつかの入り口と通り道。そこではまほうつかいの家族が住んでいた。みんな小学二年生くらいの女の子。お菓子の空き袋に水と土をいれて、混ぜて混ぜて「生チョコね」「もう生チョコじゃないわ。チョコレートよ」「あ、ホットケーキミックスくらいになってきたからホットケーキね」なんてどんどん土をいれてどんどん中身は変わってゆく。わたしとのんさんはそこに入りこんでしまってしばしおじゃまする。のんさんがじぶんの足に土をかけると、なにも言わずはらってくれる女の子。(わたしたち)という線引きができてきているようでまだうっすらぼやけている季節の彼女たちの軽やかさはとってもいいなと思う。

シロツメクサをたくさん摘んできた二人の女の子。たべものなのか、部屋の飾りなのかなにかに使うらしく妹ちゃんたちにたくさん摘んできてと伝えている。べつの女の子が「かわいそうだよ」と言うと、「いいんだよ、いっぱいあるから」。かわいそうと伝えた女の子の仲よしであろう子は小声で「しょうがないよ」と言った。立ちつくして納得いかないというようすだったけれど、それ以上なにも言わず流れてゆく変えられない状況をじっとみつめていた。なんだかその会話がぐるぐるぐるぐるなんども聞こえてくる。

夜ごはんは、茶碗蒸し、コールスローサラダ (きゃべつ、レタス、人参、大根、ツナ)、餃子 (大蒜、椎茸、きゃべつ、玉ねぎ、豚ひき肉)、塩豚とレタスのチャーハン。

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