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嘘をつかないてるてる坊主

二〇一七年六月四日日曜日

晴れ

どうぶつえんへ。

チンパンジーはとてもとても悟られているようなお顔をされているのだなあと見つめながら思う。

ぽ「まちを歩いていたら、けっこうこわいよね」

帽「そりゃそうでしょ。どうぶつえんにいるどうぶつみんなそうだよ」

ぽ「にんげんはこわいからこうやってどうぶつえんにとじこめたんだと思うんだよね」

帽「そうだろうね」

帽さんはわたしが思っていたことを(そりゃそうだ)とすかーんと認める。だれにでも話せる話題じゃないなと、メタ認知がないと言われるわたしでも思うようなことほどさらっとあっさり頷く。


やぎに帽さんがえさの藁をあげる。のんさんは真剣にみつめている。やぎはつの同士をがしんっとぶつけた。
ぽ「挨拶かね。(拳をぶつけ合うような仕草をみせて)こういう感じの」
帽「そういう感じね」
ぽ「Bボーイ!ヒップホップ!」
などと話しているとのんさんは藁を口にいれようとしている。わわわととめる帽さん。
ぽ「のんさん、帽さんのまねじゃなくてやぎのまねしたんだね。そっちか。」
のんさんはおおまじめな顔をして、帽さんはよくわらった。


コンドルのまえにずっと立っている帽さん
帽「喉のまえになにかついているのなんだろう」
ぽ「ネックレスじゃんね」
帽「そういうかんじだよね」
ぽ「にんげんはこういうどうぶつをみて、ネックレスをつくろうと思ったりしたんだろうね」
帽「きっとそうだよ。どうぶつが先。毛皮のコートを着てネックレスをしているみたい。」
ぽ「これもBボーイか!」


ビーバーの赤ちゃんを特別にみることができますという内容の放送が流れて、誘ってもらってそこへ向かう。

帽「どうぶつえんでの鳩とかの存在ってね、なかなか。自由なんだよね」

ぽ「話したりしてそうじゃんね」

帽「家にいるハエのような存在で気にしてないと思うよ」

ぽ「見てきた景色とかお話をしているような気がする。(こんなことがあったよ)とか、鳩が伝えるの」

帽「あはは。アニミズムのひとだね」
*話した内容は合っているけれど言葉遣いなどはちがった


夜ごはんは、タコスサラダ、蒸したとうもろこし、とまとソーススパゲッティー。

甲府を三時ごろ出発して七時過ぎに「ただいま」と玄関をひらいた。見覚えのある道に入ってからはあたまのなかで献立作りが行われていた。どっぴゅーんと夜ごはんづくり。お湯を沸かしているあいだに洗濯も回したりして、きれっきれでありました。

甲府の農協のようなところで帽さんのおかあさんに買っていただいたとまとととうもろこしてをさっそくいただく。帽さんはあんまりそのままのとまとをすすんでたべないなあと思い出して、「あ!」とタコスにつかうサルサソースをレタスにかけようと思いつく。それはなんだかヒットした。八時になるかどうかのころには食べはじめた。

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