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Z級の日々:睡眠不足も忘れるくらいswing

「睡眠薬を使うと眠れる。」

自分の脳は未だにおかしな状態にある。
朝は脳が真空パックを受けているような収縮感がある。頭の中でビッグクランチが起こっている。新型コロナの後遺症の一つとしてよく挙げられる「ブレインフォグ」に近いのかもしれない。元来ブレインフォグはうつ病の症状だったからこの感覚はそれなのかもしれないが、靄がかかっているのとは少し違う気もする。
夜は全く眠気が来ない。一応欠伸は出るが身体全体が睡眠モードを忘れている。布団に寝そべろうが目を閉じようが頭も目も冴えたまま。ただ脳だけが徐々に機能停止を開始する。しなくてもいいのに本や映画の考察したり、プレイ中のゲームの攻略プランを考えたりしてしまう。攻略プランはもうアウトプットした方が良いまであるが、そこまでする気にもなれない。大体「脳は処理落ちしかけているのに思考が巡る」って支離滅裂にも程がある、どういう状態なのか全くよく分からない。だから処方してもらった強めの睡眠薬で、それ以上思考しないようにもっと強く脳をシャットダウンさせる。どういう仕組みなのかは全く分からないが眠っている。眠気を誘われている訳ではないので、気絶に近いのかもしれない。
薬を飲んで目を閉じると誰かに脳をぐらぐら揺らされている感覚が押し寄せてくる。眠りたい時はそのまま脳を任せて感覚を集中し、ぐらぐらを全身に波及させる。宇宙を漂う。

そんな風に毎日7.5時間ほど寝ているが、ノンレム睡眠はたったの30〜50分という効率の悪さ。朝にかけてどんどん眠りが浅くなる。おまけに朝は相変わらずの頭痛。ノンレム睡眠を増やす薬を服用しているはずなのにこの体たらく。ちなみに精神科の先生にもふざけた口調で睡眠効率について報告したが「それはスマートウォッチが壊れているに違いない」と一蹴された。取り付く島もない。

ここ数日は低気圧の影響が脆に体に出ているのか、眠る前の段階で朝と同じ頭痛に見舞われる。頭が痛くてとても眠れる状態ではない。念のために「眠れない時用に」と気休めで渡された薬を服用する。効果が出ているのか単に暗示にかかっているだけなのか真偽は定かではないが取り敢えず眠れているのは事実だ。

しかし毎日「御守り」に頼るわけにはいかない。どうしてもつらい時のためのとっておきだし、何よりこれ以上薬に依存するのが怖い。だから催眠音楽をアテにするのだ。ゆったりとして歌詞のないジャズやスイングの曲をイヤホンから流す。「眠り」を邪魔する自分の思考と周囲の音をシャットアウトしつつ、音楽に気を取られすぎないよう脳の「揺れ」に集中する。先日父親から「音楽ないと寝れないなんてあるはずがない」と罵倒を受けた時は「お前に何がわかるんだ」と一気に心が負に傾いたが、その考えもイヤホンから流れるジャズで押し流して気絶。救済だ。

こうして音楽に依存した睡眠を取っているのもやや不安だが、どうすることもできない。もちろん自然な入眠状態になっているわけではない。どうやって寝るんだっけ。
そもそも自分は投薬治療が必要なほど深刻な睡眠障害だったのか?何としても仕事から逃げるために無我夢中で問診票の「不眠」にチェックを付けてしまっただけのような気もする。いや、そのレベルの精神状態だと不眠症の有無は最早関係がないほど追い詰められているのだから、そこは素直に不眠なのかしら。

繰り返してしまう自縄自縛を振り解くように今日も名も知らぬジャズのプレイリストを再生し、脳の宇宙を漂い続けて気絶の時を待つ。

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