最高に面倒で苦痛な英文法学習法

この記事ではこれまで何度も英文法に挫折してきた僕が、自分の目的に照らし合わせて「これが一番良いかも?」と感じた方法を紹介します。

無駄話は前回・前々回と散々してきたので、今回は細かい話は抜きにして「何をどれくらいやるのか」を中心にサクッといきましょう。


何が必要?

文法学習に使うツールは3つ。

  • 文法参考書

  • Anki (デジタルフラッシュカードアプリ)

  • Excelなどのスプレッドシート

参考書は『真・英文法大全』を選択。
この本については機会があれば別でお話ししたいと思いますが、僕のニーズにはうまくハマりました。
ただし文法参考書に関しては合う・合わないが必ずあります。好みに合うものを選んでください。

Ankiも同様。他のアプリでもかまいません。

これに加え「あった方が良い」ものとして辞書を挙げておきます。
僕が使用しているのは物書堂の辞書アプリ (Mac / iOS 対応)。

ネット上の辞書でもOKです。ただレスポンスや複数辞書の串刺し検索などを考えると、利便性はこちらの方が上でしょう。

結局何を使うかは大きな問題ではなく、快適な環境を構築して毎日やることがキモ。


何をするの?

  1. 参考書を読んで理解する

  2. スプレッドシートに例文の和訳、英文、解説など必要事項を書き込む

  3. 一単元終えたら、スプレッドシートからAnkiにデータを流し込む

  4. 音声や (必要なら) 画像を付け加える

  5. 日本語を見て英文を復元する

    1. 音声を聴ける環境なら再生して、発音やリズムを把握

    2. 文法事項がわからなかった場合は、解説を読んで理解しなおす

    3. Anki内の解説で不十分なら、参考書や辞書を参照

要は「高校英文法を使った瞬間英作文」という感じで、実際の学習はほぼAnkiだけで完結する形。こうしておけば通勤電車やちょっとした休憩時間も英作文に充てられます。

ポイントは、その例文の文法事項を意識しながら復元することでしょうか。上の例文で言えば「Unless」や動詞の現在形、その後の-ingあたりは注意しておきたいところですね。

言うまでもありませんが、暗唱できること自体が重要なわけではありません。頭を使わないただの例文暗記では意味が無いということです。


やるとどうなる?

  • 文法を使って正しい文章を組み立てる力が身に付く

  • リスニングやスピーキングの基礎を固められる

  • 語順や文のパターン、基本語彙に対する慣れを構築できる

副産物として「入試レベルの文法問題は余裕で解ける」もありますが、

こんな方にはおすすめしません

  • 入試のスコアアップを目指している

    • 単純にキツいです。入試のためにここまでやる必要は無いと思います

    • 文法はそこそこでいいので、他を伸ばしましょう

  • これだけやってれば半年で英語ペラペラに!?

    • なりません

  • 面倒なのは苦手なんだけど……

    • 諸々の環境構築だけで一週間以上かかりました

    • カード作成までの手順はほとんどが手動なので、面倒なこと山の如し

    • マジでおすすめしません

  • 楽しくなければ続かない!

    • これは学習というより訓練です。むしろ「できない自分」に毎日向き合う必要があります

    • そんなあなたにピッタリなのがイマージョン! 今すぐYouTubeで検索しよう!




3ヶ月の学習量は?

さてと。
客席からいい感じに人が減ったところで、量と期間の話に移ります。

Ankiはユーザーが何もせずとも、ある程度詳細な統計データを取ってくれるのが嬉しいところ。つまりある程度学習を続けると、それまでの実績を元に「完了までどれくらいかかるのか」がある程度推測できます。

開始日は4月2日。そこからちょうど90日後までのデータを用意しました。


カード枚数

90日経過時点で作成したカード (問題と答えの組み合わせ) の総数は1348。実際には1380程度が最終的なカード数となります。
これは参考書によって大きく変わるでしょう。『真・英文法大全』は他の参考書に比べると、若干多い部類かもしれません。

この時点でおよそ80%が既知のカード。まだ出会っていない新規カードが約20%残っている状態。


学習時間

次に学習時間のグラフ。
「合計: 11.45日」に24を掛けると274.8時間。これが3ヶ月でAnkiに取り組んだ時間の合計となります。

平均は183分と出ていますが、これは最初期に試行錯誤していた期間も含んでいるので、実際の平均とは若干異なる数値。
安定してくるのがだいたい40日経過後 (矢印) あたりからでしょうか。そこからの平均は1日140~150分。2時間半程度ですね。


学習枚数

同じような見た目のグラフですが、こちらは消化したカードの枚数。
3ヶ月で延べ17696枚の問題に答えていて、一日平均は197となっています。
直近1か月の平均を取ると、若干増えて210程度。

デッキオプション画面

一日にこなせる量は人によって変わるところなので、あくまで僕の場合はですが、基本的にはこの量を設定しています。

新規15、復習150。
どちらかというと新規よりも復習に重点を置いていて、新規は全くできない日もそこそこあるといった感じ。
なので新規カードを何度も見直したり、間違えて再度復習する枚数も加えると、大体1日200~230あたりに収まるということになります。


だから、英文法完了までにはこれくらいかかる

以上のデータをまとめると、

  • 中学英文法をある程度修了した段階で高校英文法の学習を始め、

  • 一日平均2.5時間、210程度の文章を瞬間英作文した場合、

  • 90日間 (274.8時間) で『真・英文法大全』の約80% (1100程度) の文が頭の中にインストールできる

この274.8時間を基準として、その20% (54.96) をプラスすると329.76。
100%到達までの時間を見積もると、おおよそ330時間かかるという計算です。

ただし、これはあくまで「全ての例文に出会い、一応暗唱できる」までの時間。練度を上げるにはさらなるトレーニングが必要なので、それを考えると少なくとも400時間は超えてくるでしょう。

この400時間を2.5時間で割ると160。期間で言うと5ヶ月と少し。

後半の計算はかなりガバガバで笑えますが、これが英文法習得完了までにかかる時間、そのおおよその目安となります。
(本を読む時間やカードを作成する時間が、ここには含まれていないという点にも留意しておいてください)


大体こんなところ

ということで、今回は高校英文法の学習をテーマに

  • 文法学習とは具体的に何をするのか

  • 3ヶ月でどの程度進むのか

  • あとどのくらいで完了するのか

をお伝えしました。

次回は逆に「僕が選択しなかった (避けるべきと感じた) 学習方法」についてお話しようと思います。


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