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経過報告:家が建てられない?ウッドショック直撃

 故郷の南魚沼市に移住して家を建てると宣言してから、ずいぶん時間がたってしまいました。この間を簡単に説明すると、こちらのプランニング内容と希望価格に開きがありすぎて、なかなか施工してくれる工務店が決まりませんでした。

 今日は、工務店決定に向けて経過報告と、それと同時に起こった厄介な問題「ウッドショック」について書いてみます。

工務店に断られる

 理想の設計が決まったものの、それを実現してくれる工務店さんがなかな決まりませんでした。その理由は、わが設計士さんが描き上げた、招き屋根が複層的に折り重なる独特の形状、南面はほぼ窓で覆われた透明感のある外観、またそれでいて断熱気密などの機能を最高レベルに保ってほしいという無理ゲーに近い私の要望に起因します。

 せめて、見積もり入札に3社は手を上げてほしい。なのに、もともと懇意にしていた工務店さんたちに次々に首を横に振られる始末。やっと3社かき集めてこちらのオリエンを聞いてもらうことができたのは3月になってからでした。

そしてまさかの木材の高騰 ~ウッドショック

 やっと設計図が固まり、3社に実施設計のオリエンをしました。そして各社から見積もりをいただきましたが、なんと各社ともこちらの提示額の1・5倍以上の金額になっています。どういうこと?

 各社の説明は、「木材価格が高騰している」と。

 木材とは、海外、主に北米から輸入される加工木材のことです。なにやら、すごもり生活になり海外でもDIYが流行して木材需要が増したとか。そんな理由で?

 その後、WEB記事やYoutubeでも、海外産の木材高騰が話題になっていました。曰く近年聞いたことないレベルの「ウッドショック」だと。

 ショックって、電気ショックとオイルショックしか知らない。オイルショックは歴史で習うレベルの昔話感。それが、たまたま私が家を建てようと設計図を作っている最中に起きるとは、なんと不運なのだろう?

 いろいろ調べると、原因はもっと複雑でした。コロナ禍をいち早く脱して経済が復興している中国と、またコロナ禍でも株価高騰で景気のよいアメリカで今空前の住宅建築ラッシュが起こっており、木材がそちらにまわっていると。ケチで品質にうるさい日本にはまわってこないそう。またそもそもコンテナを運ぶ港湾労働者や運転手などの職人が不足しており、木材を運ぶことが自体が困難であるなど、いろんな解説にいきあたりました。


国産杉は?地元魚沼杉は救世主になるのか?

 では、海外木材ではなく、国産をつかえばいいのでは?

 もともと価格が廉価な海外産に押され、日本の材木業界は沈没状態。売れないから担い手もいない、ますます日本の林業は衰退のスパイラルに陥っていると。そしてその状態はすぐに改善することは難しいと。

 山を走るトレイルランニングをしている私には、よくわかります。山中にある樹木は、定期的に伐採していかなければ森を健康に保てないと聞きますが、切ったものが山肌にそのまま放置されているのをよく見ます。
 運ぶための林道が朽ちているからでしょう。人が通らなければ、誰がか整備しなければ道は塞がる。道がなければ山の資源は麓に降りてこない。ニーズがなければ担い手は育たない。

 どこかで聞いたことある話ですね。日本の一次産業はみなこのスパイラルに陥っている。本当に必要になったときに担い手がいないのはどれも同じ構造。構造的な問題は、私の家が建つまでに改善するのだろうか?

 幸い、わが魚沼エリアは行政含めて地元の魚沼杉活用を促進するムーブメントがあります。魚沼杉を使うと補助が出たり、地元の建築業会のみなさんが林業をまもる活動をしていたりというのはきいてました。そこに一縷の望みはあるのかな?

うちの家は、いつ建つのだろう?

 工務店は、ほぼほぼ1社に決まりそうです。そしてそこは国産材をメインに考えているとのこと。ただし、この価格のところがまだ不透明。

 私の家建つのかな?すくなくとも今年は無理か?

 もともと4月着工だったのに、ウッドショックと関係なく遅れている。そして、まだまだ何か起きそう。

 ちなみに、コストの関係で当初のプランより坪数は小さく、また構造上の問題で窓の面積も小さくなってきています。これが現実か。でもまだあきらめませんよ。今後の経過もまた報告したいと思います。

 それにしても、ウッドショックはまだ家を建てなければいいだけだけど、食料やエネルギーで同じ問題が起こったら、日本はひとたまりもないですね。それが、今回の一番の気づきです。


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