新人保育士が保護者と関わるときに大切なこと
保護者と関わること。
保育士の中でも、このことを苦手としている人は多いのではないか。
特に、新人にとって、右も左もわからない中で、保護者とどのように関わっていけばいいのかわからないということはよくあることだろう。
ここでは、私や先輩の実体験から、新人保育士がどのように保護者と関わっていけばいいのかをつらつらと書いていこう。
まずは子どもと仲良くなろう
新人の私も、どのように保護者と関わればいいのか悩んでいた。
初めて接する、年上の保護者。どのような話をすればいいか、どのように保護者と仲良くなっていけばいいのかわからなかった。
そんなときに言われた先輩の言葉。
「保護者と仲良くなろうなんて考えなくていい。まずは子どもと仲良くなること。そうすれば自然と保護者もあなたを信頼してくれるようになる」
目から鱗であった。
考えてみれば、保護者は私のことを友達や仕事仲間として見ているのではない。
一人の保育者として見ているのだ。
ならば、新人保育者として一番求められることはなんだろう。
それがまさに、子どもと仲良くなるということなのだ。
実際、子どもと仲良くなる、信頼関係ができると、保護者もまた私たち保育士に信頼を寄せてくれる。
はじめはそっけない態度であったお母さんが、「うちの子、家でも先生のことを話すんですよ」なんて話してくれたとき、改めて子どもとの信頼関係の大切さを実感した。
まずは子どもと仲良くなるところから始めてみよう。
子どもの輝いている姿をありのままに伝える
連絡ノートを書くとき、何と書いていいのか悩む新人保育士は多いだろう。
私もその一人。
子どもの姿を伝えなければいけないと感じながら、今日も元気に園庭で遊んでいました。なんてありきたりな言葉しか伝えることのできない日々が続いた。
どんな姿を伝えればいいか、今ならわかる。それは、「子どもが輝いている姿」、ということだ。
新人の頃、こんなことがあった。
ある日の絵の具遊びの時間のこと。Aちゃんに画用紙と絵の具を出して、フィンガーペインティングをしてみようと思った。
だが、Aちゃんは違った。
手に絵の具をつけた後、画用紙そっちのけで夢中で絵の具の感触を手の平の上で遊んでいた。
そして結局、最後まで画用紙に手をつけることなく活動が終わった。
そのときの連絡ノートに私は悩んだ。フィンガーペインティングをしました、と書こうにも画用紙に手をつけてないから、したと書いていいのだろうか。
そもそも、その活動には触れず、別のことを書いた方がいいのだろうか。
悩んだ末、「Aちゃんは画用紙そっちのけ、絵の具の感触を思いっきり味わって楽しんでいました」といった内容のことを書いた。
すると次の日。
保護者からこのような返事が帰ってきた。
「わかります。うちの子、そういう姿がありますよね」
嬉しかった。
保護者から返事が帰ってきたこと自体も嬉しい。
だがそれ以上に、Aちゃんの輝いている姿をありのままに伝えることで、私と保護者が少し繋がれたと感じたのだ。
この経験は、どのように保護者に子どもの姿を伝えるのかという考えにつながっている。
保護者は、保育士のパートナーであるという考え
保育士にとって、保護者とはどんな存在であろうか。
子どものお母さん、お父さんという答えでは、私たち保育士と保護者という二者にはどのような関係があるかという意味だ。
私は、保育士にとって保護者とは、「子どもの最善の利益を目指すパートナー」であると考える。
保育士と保護者は、年齢や価値観、国籍や話す言葉も違うことが多くある。
それでも、ただ一点。子どもの利益を願うという存在という意味で、保育士と保護者は共通し、つながっているのだ。
保護者に関わるとき、特に新人保育士はこの点が大事であると感じるのだ。
年が近い保護者に対して、ついつい友だちのように感じてしまうかもしれない。
言い方が怖い保護者に対して、この人は保育士の敵だと感じてしまうかもしれない。
それでも、どんな保護者であっても、「子どもの最善の利益を目指すパートナー」ということに変わりはないのだ。
私も改めて、このことを意識しながら明日の保育を行なっていきたい。
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