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DTM専用端末をテレショップで売る妄想(後編)

こちらの記事の後編になります。

前回のおさらい

前編記事を簡単に要約します。

・友人、知人、職場の同僚など、身近な人の中にDTMをやっている人がいない
・DTMがもっと楽しくなるためにも、同好の士を増やしたい
・が、DTM人口は多く見積もっても15万人程度の模様。他のレジャー、趣味と比べるとかなり少ない
・じゃあどうやって増やせばいいのか? 後編に続く

…です。

曲を作りたいという需要

例えばうちの父親ですが。

音楽の素養は特になく、経験も皆無。
だけど歌は好きで、畑仕事中や入浴中に即興のオリジナル曲をよく歌っています。

更に文学男子なので、小説や詩を書いたりしてます。
作詞には興味津々です。

こんな人、意外に多いんじゃないでしょうか?

楽器経験者ならなおさらで、ギターやっている人の頭の中には、形にはなってないけど超絶かっこいいオリジナルバンド曲がいくつかあるはずですし。
クラシック好き&経験者の方は、大編成の楽団で自分のオリジナル曲を指揮する、という夢を描いたことはあるんじゃなかろうか、と思います。

オリジナル曲を作ってみたい、という鉱脈(需要)はまだまだざっくざく掘り起こせるんじゃないでしょうか。

DTMは簡単ではない、という事実

この記事を読んでいただいているDTMerの方々に聞けば、「DTMはやってみたら案外簡単。やってみたもん勝ちっすよ」という答えが返ってくると思います。
僕もそう思います。

が、それはPCやスマホ、タブレットの扱いに慣れている人間の感想であって、世の中にはデジタル機器の扱いに不慣れな方もたくさんいます。
特に年配になればなるほど、苦手な方が多いのは紛れもない事実。

しかし、時間とお金に余裕があるのはシニアの方々というのも真なり、です。

日本DTM普及協会(今立ち上げ、会員1名)にとって、シニアの方々へのDTM普及は、避けて通れない道だと思います。

ここで基本データの確認

まずは年齢別の人口比。

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65歳以上の方は3617万人、総人口の28.7%。
この割合は今後どんどん増えていきます。

そして2つ目のデータ。

金融資産(貯金も含む)を年代別に比較してみると、

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このように、上の世代に行けば行くほど増える傾向にあります。
当たり前といえば当たり前ですが、60代、70代以上がやはり多いですよね。

データ的にも肌感覚的にも、シニアの方々の方が、自由に使えるお金が「現役世代」より多いのは事実です。

そして新聞広告や民放BSのテレショップは、シニア向けの宣伝、販売で溢れかえっています。

根強いハード信仰と専用機

で、上記の広告やテレショップを眺めていると、なかなか面白い。

先日、目を引いたのは、新聞掲載のとある通販広告です。

これと同じものだったかは定かでないのですが、似たような麻雀ゲーム機が販売されていました。
テレビに繋いで遊ぶ物のようですが、ビデオ端子なところがなかなか風情があります。

この商品を見た時、多くの方は、「スマホなら(基本)無料でできるんだけどなあ」と思うんじゃないでしょうか。

わざわざテレビに繋げて遊ぶなんて不便じゃなかろうか。
ネット対戦ができるわけでもないし。
お値段も安くはないし。

などなど、デジタルネイティブ世代からすれば、ツッコミどころは多々あります。
でも、広告をぼちぼち見かけますんで、それなりに売れてるのではないでしょうか。

また、こんな商品も。

ボイスオフ、速度調整…
「そんなん、『ハヤえもん』で一発ですやん」というのは、デジタルネイティブ世代の(略)

少々長くなりましたが言いたいことは…

シニアの方々に何かを売るには、

・ハードであること
・専用機であること

この2つが必須条件ではないか

ということです。

満を持してのDTM専用端末です

ここからが本題です。
DTM人口底上げのためにも、DTM専用端末を作り、テレショップや新聞広告で大プッシュしよう! という妄想を書き連ねます。

以下はDTM専用端末を開発するにあたって、必須と思われるポイントを挙げます。

1.機器であること

さあ、絵を描きますよ。いいですか、描きますよ。

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電子レンジではありません。
DTM専用端末です。
クレーム等はカスタマーサポートまで。

と、冗談はさておき。
タイトルには「端末」と書きましたが、商品化するならば、タブレットのような薄型デジタル端末ではなく、「ザ・機械」が良いと思います。
どんと置く重量感、存在感が必要です。

物を所有する喜び。
これは世代を問わず、誰にもあるものと思いますが、特に上の世代に行けば行くほど、その傾向は強いと思います。

なので、ラジカセかミニステレオくらいのサイズ感があったほうが良いです。

2.アナログなボタン、スイッチ、ダイヤル

やれることはかなり絞られますが、ほとんどの作業をボタンやスイッチ、ダイヤル等でできるのが吉と思います。

うちの親もそうですが、やることは同じでも、タッチパネルになった途端ひるんでしまいます。

僕が考える基本線は…

(1)トラック数は5くらいに絞って、1〜5までのボタンを準備
(2)音質調整はダイヤル一つだけ。「ずんずん←→しゃかしゃか」をダイヤルで調整する。
(3)「ジャンル」ボタンがあって、「ロック」「演歌」「フォーク」「クラシック」などがある。それを押すと、ガイダンススタート。
(4)ガイダンスに従って、プリセットから各パートの音色やリズムパターン、メロディラインを選んでいく

こんな感じでしょうか。
そしてコストが上がっても必ず付けなければいけない機能としては、

(5)鼻歌をメロディに替える機能
(6)CDへの書き出し機能

の2つだと思います。
シニア向けのDTM専用端末を謳うのであれば、この2つは絶対に外せません。

特に(6)。
YouTubeやTwitterにアップというのは、デジタルに不慣れな方には相当ハードルが高いです。
「あかうんと? メールと違うん?」というところから始めなければいけません。

一方。

 音楽を聴く=CD

という方は、日本において、まだまだたくさんいます。
せっかく作った曲を他の人に聴かせたいのは誰しも同じ。
ならば自作曲をダイレクトでCDに焼ける機能は絶対に必要だと思うのです。

3、コンテスト開催

DTM専用端末「作曲名人(仮称)」を大々的に発売するにあたって、ぜひコンテストを開催しましょう。
コンピでも配信でもありません、コンテストです。

流れはこう。

→「作曲名人(仮称)」購入者には、毎月、雑誌「おんがくびと(仮称)」が届く
→「おんがくびと(仮称)」主催で、毎月コンテストを開催。
→「テーマ:四畳半フォーク」「テーマ:恋」など
→参加者は自作曲のCDを編集部に送る
→南こうせつ、さだまさしなどの審査員が審査(勝手に人選)
→入選曲は、レコード会社のエンジニアによりミックス・マスタリングされ、コンピレーション・アルバムとしてリリース(うわ、素敵)

DTMは創造するためのツールです。
ツールはあくまでツール。
創造物の受け皿があってこそ初めて盛り上がるもんです。

今はネット全盛ですが、世代を捉えたマーケティングという意味では、ネットに頼らない盛り上げ方があっても良いのでは、と思います。

まとめ

というわけで。

色々妄想が爆発しましたが、何かを広めるには、時に逆転の発想も必要なのでは、と思う次第です。

この記事をローランドかKORGの方が読んでくれて、数年後に「作曲名人(仮称)」が発売され、アイデア料として当方に多大な利益が ←ヾ(ーー )

こほん。
DTMerがもっと増えないかな、という希望を込めたピュアピュアな記事でした。

最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。


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