見出し画像

プラグイン・マシマシDTMerには、M1 MacBook Proが最適か(も) 〈副題:色々ありました〉

前書き

結論としては、「M1 Pro 搭載のMacBook Proは凄いですぜ」という話です。
ただし、その過程はデコボコのボッコボコでした。

※プラグイン関係の話については、「私はうまくいきました」というだけであって、完全に自己責任でお願いします。
「うまくいった、て言われたから買ってみたのに動かねえじゃねえか」というクレームは一切(以下略)

ちょいと前にこんな記事を投稿しました。

要約すると、


・M1 Macをはじめ、高スペックマシンがついつい欲しくなるが、
・プラグインをぶっ挿しまくってる現状を見直すべきではないのだろうか

…というもの。

で、あれから2ヶ月。
自分の手元にはこれがあります。

画像1

M1 Pro搭載のMacBook Pro16インチ。
おいおい、と総ツッコミの嵐ですよね。
軸がブレブレの自分が嫌になります。
ほんと、いい加減やな。

とはいえ。
やっぱり、新製品が手元に来るのは嬉しい。
「プラグインが動くかどうか問題はあるけれど、まあどうにかなるっしょ」と楽天的なことを考えつつ、分割組んでご購入しました。

買ってすぐに絶望の淵に

買う前に下調べはしていました。
例えばこちらのサイト。

DTM界で知らぬ人はいないであろう総本山、sleepfreaks。
こちらが、詳しく対応状況をまとめてくれています。
しかも、情報は随時更新。
ありがたいったらありゃしない。

購入前、ざあっと情報を拾った結果、「ボカロ曲作っていて、その他プラグイン使いまくりの自分は待ちの一択だ」という結論に至りました(11月初旬時点)。


で、その後、「未対応と書いていても、動くことが結構あるからいけるんじゃね」という楽観論がムクムクと心の中にもたげてきて、結局購入に至りました。

例えば。
現在公式ではCatalinaまでしか対応していないとされるpiaproスタジオAUですが、何にも考えずにアップグレードしたBig Surで普通に動いていたので、「行けるでしょ」と軽く考えていまいた。

トラブル その1 プラグイン問題

まあ、これについてはある程度覚悟していましたが、やはりというか、piaproスタジオAUは動かず。
Rosetta2モードで起動すれば動くんじゃないか、というアドバイスをTwitterで頂きましたが、それでもストンと落ちてしまいます。

M1プロセッサに加えて、OSはMonterey。
そりゃ無理筋だったんでしょう。

その他では、これを挿せば音が一気にキラキラになる魔法のプラグインINTENSITYもだめ。

他にも色々動きません。
動かない、ってのはどういうことかというと、最悪の場合、上記のプラグインを挿していた過去のプロジェクトファイルを、新Macでは開くことができないということです。

なので、さっさと買取りに出そうと思っていた前機種を手元にキープして置かなければいけない、という悲しい事態に陥りました。

この時点で、M1 MacBook Proは「弁当箱」に成り下がってしまいました。

トラブル その2 そもそもLogicが不安定

これは「M1大丈夫」のお墨付きを得たプラグインも多少は影響していると思われるのですが、Logicの動作がめちゃくちゃ、相当、大層不安定になりました。

トラックを複製したら固まる。
リージョンを移動したら固まる。
とにかく固まる、固まる。

更には、自動保存されたファイルを立ち上げようとしたら、Logic自体がストンと落ちる。
つまり、一旦固まったらアウトな状況でした。

恐ろしくて恐ろしくて、一動作のたびに保存していたくらいです。

Rosetta2が世界を救う

結論。
M1に対応しきれていないソフトに対して使うと思っていたRosetta2を常時Logicに使ってみたらば、今までの混乱が嘘のように安定しました。

ある時を境に、Rosetta2を噛ませても動かなかったpiaproスタジオが普通に使えるようになったし(なぜかは不明)。
INTENSITYも快調に動きます。

以下、自分が使っている主だったプラグイン等の状況を簡単にまとめると。

【通常営業でも大丈夫だったもの】
・Ozone 9
・Massive
・Nexus 3
・KONTAKT
・EZ KEYS(メーカー公表の対応状況は絶望的なのに、なぜかサクサク使えます)
※2/25追記:Toontrack社製品すべてがM1対応になった模様です。

【Rosetta2を噛ませたらご機嫌になったもの】
・piaproスタジオAU
・INTENSITY
・本丸のLogic

【いまだ怪しいもの】
・Neutron3(序盤、快調だったのに、なぜかアップデートしたら不調に)
※2/25追記:一旦アンインストールして入れ直したらご機嫌になりました

・piaproスタジオNT(初音ミクNT用のエディタ。スタンドアロンはいけますが、プラグインは怪しいです)
※6/3追記:先日のアップデートで、プラグインでの使用がRosettaモードで可能になりました。また、Rosetta使わずにプラグインをぶっこんでみたところ、問題なく使えました(←自己責任です)

【まだ使えないもの】
・Massive X(まあ、これは公式でも未対応と言ってるので仕方ないんですが、結構使っていたので痛いです)
※1/23追記:つい先ごろのアップデートで、Massive Xも使えるようになりました! やった、やったよ!(公式にM1やMontereyに対応と公表されているかは調べてません。あしからず)

M1 Proは凄かった

安心して使えるようになってから、わかったこと。

M1 Proチップは恐ろしく馬力があります。
アップルが宣伝しまくってるのも嘘じゃなかったです。
これがMAXになるとどれだけ凄いんでしょうか(多分、DTMにはオーバースペック過ぎて必要ないと思います)。

数値とか示しながらお伝えする方が説得力があると思うのですが、面倒くさいので(おい)その過程を省きます。

その代わり、一例をお示しすると。

約30トラック使った、とある自作ボカロ曲があります。

各トラックにNeutron 3を挿して、マスターにはOzone 9やらINTENSITYやら刺しています。

intel Macでは、全トラックフリーズさせて再生しても、CPUが悲鳴を上げてしばしば固まっていました(まあ、盛りすぎっちゅう話ですが)。

ですがM1 Pro では、上記と同じ条件で、更にはフリーズなど一切しなくてもCPUのインジケーターが半分を超えることがありません。

プラグインをメガ挿ししても、サクサクMIDIの編集ができ、再生もスムーズです。

これは驚愕でした。

しかも、Rosetta2モードで起動してこれです。
今の所、通常時との違いは起動速度くらいで、Rosetta2で立ち上げてもストレスはほとんど感じません。

プラグインに頼らない音作りが目指すところではあるけれど…

各所で指摘されていますが、特にMIX・マスタリング系のプラグインは優秀であればあるほど頼り切りになってしまい、腕前が上達しません。

このままじゃいかん、と常々思ってますが、あまりに奥が深い世界ゆえに、ハウトゥブログを読んだくらいじゃ、訳がわからないのも正直なところです。

加えて、「深夜の2時間DTM」のように制限時間がタイトな場だと、プラグインは頼りになることこの上なしです。

初級〜中級者ほどM1 Macはジャストフィットじゃなかろうか

DAW純正の機能だけですんごい音を作ってしまう上級者には、おそらくM1 Proは必要ないと思います(無印のM1については、使ったことがないのでわかりませんが)。

お値段は張りますが、プラグイン・メガ盛りでもびくともしないM1 Proは、DTM初級者〜中級者に丁度いいのかも、と思う次第です。

まとめ

サードパーティのプラグインは未だM1未対応のところもあるので、「待ち」が正解とは思いますが、予算が許すのであれば、いくつかのプラグインが使えなくなる危険を犯してでもM1 Proを買うメリットはあると思いました(あくまで自己責任です←しつこい)。

1に馬力、2に馬力、3・4がなくて、5に馬力です。

M1 MacとDTMについて書かれた記事、ブログ等はそれなりにありますが、プラグインとの実際の相性について書かれたものはあんまり見かけません。
なので、この記事が少しでもご参考になれば嬉しい限りです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?