buddies視点で9thシングル初週を振り返る

 こんにちは。恐らくこの記事はオリコンデイリーチャート(6/30付)の発表前に投稿されるものです。現時点の予定では。
 改めて、MINIさん、buddies、本当に一週間お疲れ様でした。本当に雑ではありますが、このイカれた一週間を記録に残しつつ、クールダウンしたいと思います。

1.被り判明までの9th下馬評

 そもそも、buddiesにとって9thシングルとはどういう位置づけだったのか。大きな意味合いは4つあったと思います。

  • 前身グルが出せなかった9枚目

  • 3期生の初センター

  • 二年連続の紅白出場に向けたシングル

  • 1年半ぶりの東京ドームに向けたシングル

 前身である欅坂46は、様々な事情があり9枚目シングルを発表こそしたものの、発売延期を重ねた結果中止となりました。そしてその後に改名を経て今の櫻坂があります。

 3期生は加入してから1年半足らず、選抜合流から3作目のシングルになります。8thで「三部作」というストーリーが完結したことが制作陣からも語られていたことから、9thは初となる3期生センターであろう、という予想が大半を占めていました。

 ファンダムの中では危機感も共有されていました。8thの売り上げ・MV再生数はいずれも7th比で微減しており、年末の紅白出場が危ぶまれる状況でした。ツアー注釈・ステバ完売と勢いだけはあっただけに、ファンダムとしての団結力が求められていました。

そして前述したように、6月中旬には1年半ぶりの東京ドーム公演を控えていました。前回の空席・暗幕という悔しさを乗り越えるべく、シングルとの相乗効果で盛り上げたい、という思いはメンバー・運営・buddiesの間で共有されていたと思います。

2.発売発表~初週直前

 5/13、YouTubeにて、8thシングルが発売されて以降主な販促作品だった「3rd Year Aniversary Live」の映像を限定公開し、その最後に9thシングルの発売が発表されました。発売日は6/26。4/23にINIがすでに同日の6thシングル発売を発表していたため、少なからず反響がありました。

 当初、X上の反応は「そこそこ」といったものでした。韓国資本(株保有率は70%、吉本と共同設立)のINIと日系資本の坂道Gはそもそも活躍の場もファン層も異なるため、大きな話題になりにくかったのだと思います。
 私が初めて"競争"を認知したのは、あるMINIさんのマシュマロ回答でした。マシュマロの送り主はMINI兼buddiesだといい、坂道Gの売り上げはミーグリ(オンラインお話会、K-POPでいうヨントン)に支えられており、安定的であることを説明。INIのオリコン1位が危機的であることを訴えていました。
 比較的大型垢であった回答者の投稿はかなり拡散され、buddiesのTLにもスクショの形で流れ着いてきました。この方が決して悪いわけではなかったのですが(実際めちゃめちゃ敬意ある形でCD頑張って買おう!と呼びかけを続けられていた)、これ以降、互いの情報を探り合う応酬が始まります。この辺りからちらほらマシュマロを中心に誹謗中傷も見られました。全数を把握できているわけではないですが、お互いにかなり大きなダメージを負う垢もありました。
 ファンダム構造・考え方の違いもこの辺りから鮮明になってきます。MINIさんが「追う」「積む」「枯らす」といった文化により、CDショップで購入する数を増やしているのに対し、ネット購入・予約の文化が強く、「必要な分(各種イベントへの応募も含め)買う」という考え方が根強いbuddies。今回の売上競争に拒否反応が多く出たのは、疑いようもなく後者です。金で買う1位に意味があるのか、そもそも1位でなくてもいいのではないか、という意見も多くありました。どちらが正しいというよりは、「いい数字(1位)を取らせてあげたい」という目的が明確なMINIと、「ファン皆でCD期間を盛り上げる」という一種処女性を持った過程を重視しているbuddiesの違いだと言えます。サバイバルオーディション出身のグループであるINIのファンダムとbuddiesの違いは、確実に初日売り上げの「接戦」に影響したと思います(後述)。

 フラゲ日まで、私自身売り上げの予想は全く立ちませんでした。お互いに過去最大レベルの特典・形態セットを用意し、販促もかなり激しかったため、「互角」と考えていたファンもいたのではないでしょうか。また世間的な知名度を考えれば、櫻坂が優勢だろうと考える人もいたように思います。

3.初週

 6/26、ついに発売日を迎えます。結果から言えば、両グルの売り上げはほぼ差なしでした(Billbordで2700枚差、オリコンで5万枚差)。事実、この後の実店舗中心となったデイリーチャートでは土曜日までINIが1位を独占し、逆転首位に立ちました。
 初週に入ってからも、一部ファンによる誹謗中傷は後を絶ちませんでした。差別的ワードでファンをけなしたり、盗撮を行う人もおり、極めて悪質だと思います。

 苛烈な競争と誹謗中傷による関係悪化が招いたのは、最終日での大炎上でした。まず29日夜、SHIBUYA TSUTAYAさんが投稿した在庫報告写真が大きく話題になります。MINIさんのファンダムではそもそもCDの購入枚数を発信することがタブーとされています。具体的な理由はわかりませんが、ファン内での無意味な競争を防ぐ意図があるというコメントに一番納得がいきました。そうした土壌もあってか、在庫の数が推測できてしまう投稿はCDショップの中ではご法度である、という指摘が相次ぎました。

 さらに翌日、タワーレコードNU茶屋町(梅田)店さんがMINIさんの並び列を鑑み営業時間を1時間延長したという情報など、本当に数多くの指摘(という名のディスり)がありました。疲れるくらいに暴言が飛び交うTLとなり、多くのユーザーが疲弊したと思います。

 最終的にはタワレコ梅田、シブツタともに両グループ完売という結果になり、激動の初週は終わりました。

4.最後に

 今回の競争において、両グループが得た物、失ったものはなんなのでしょうか。
 お互いに得たのは売上でしょう。両グループともにシングル売り上げはV字回復、過去最高に到達しています。様々な他グループのファンとのつながりが生まれたことも、ポジティブな要素かもしれません。
 一方で、苛烈な売上競争の結果精神的にすり減る大型垢も多くありました。恐らくある程度名の知れている(1000人FFがいるような)垢は総じてかなりひどい状況だったと推察します。競争の結果「敵」という認知が強まり、何もされていないのに憎しみが生まれる状況を、健全なものとは到底いいがたいように感じます。
 今回、発売日発表が後だったのは櫻坂46です。ただ、いつ両運営が被っていることを認知したのか、そもそも決定はどちらが先だったのか等を言い始めるとキリがないことになります。個人的な妄想としては、61作も坂道に連続1位を取らせ続けてきたソニーも、世界的レコード会社であるユニバーサルも、他レーベルのハーフミリオン級アイドルの発売日を把握してないことは無いだろう、と思ってしまいます。避けられたバッティングだったのだとしたら、今後はそうして欲しい、と願うしかありません。

 最後に、冷静に呼びかけを続けたMINIさん、buddiesの各アカウント、それに応えて近年屈指の争いを繰り広げ、最後までお相手を貶さなかった全ての皆さんに労いの意を表して、終わりといたします。

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