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薬剤師国家試験103回340|尿酸降下薬の薬剤選択
初めに
https://e-rec123.jp/e-REC/contents/103/340.html
103回340は主に高尿酸血症治療薬の薬剤選択について問われています。
尿酸排泄低下型と言われているので尿酸排泄促進薬を選びたいですが落とし穴があります・・・
関連分野の尿酸合成阻害薬についてはこちらを!
https://yakugaku-museum.com/uapiname/
尿酸合成阻害薬(アロプリノール フェブキソスタッット トピロキソスタット)の一般名の由来をまとめたものです。薬理の覚え方の参考などになれば嬉しいです!
問題の要点
設問304
eGFRが23ml/分/1.73m²
→高度の腎機能低下状態
尿酸排泄促進薬は、腎機能が低下すると効果が薄れる
よって尿酸合成阻害薬を用いる
注)
アロプリノールは減量基準に従って投与
重度の腎機能障害ではフェブキソスタッットは慎重投与(使用経験少ない)添付文書上では
1.尿細排泄促進薬は腎機能低下では効果が無いので禁忌指定
2.尿酸合成阻害薬は腎機能低下患者に注意と記載されている
アロプリノールはガイドライン上の減量基準あり
それ以外は臨床試験なし
尿酸排泄促進薬の添付文書抜粋
ベネシッド錠250mg(プロベネシド)
禁忌 抜粋
1.腎臓結石症又は高度の腎障害のある患者
[尿中尿酸排泄量の増大によりこれらの症状を悪化させるおそれがある。なお、本剤は慢性腎不全 (特に糸球体濾過値30mL/分以下) の患者には無効とされている。]
ユリノーム錠25mg50mg(ベンズブロマロン)
禁忌 抜粋
・高度の腎機能障害のある患者
投与しないこと。効果が期待できないことがある
ユリス錠0.5mg 1mg 2mg(ドチヌラド)
注意 抜粋
・他剤での治療を考慮すること。
本剤は腎近位尿細管において
作用するため、腎機能障害の程度に応じて、有効性が減弱す
る可能性がある。特に、乏尿又は無尿の患者においては、有
効性が期待できないことから、本剤の投与は避けること。
なお、臨床試験では、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者
は除外されている。
パラミヂンカプセル300mg(ブコローム)
禁忌 抜粋
重篤な腎障害のある患者[腎障害を悪化させるおそれがある。]
投与しないこと。腎障害を悪化させるおそれがある
ブコロームはNSAIDSであり腎障害を引き起こすので禁忌の理由が他と一味違う。
尿酸合成阻害薬の添付文書抜粋
ザイロリック錠50mg 100mg (アロプリノール)
特定背景患者 腎機能障害
投与量の減量や投与間隔の延長を考慮すること。本剤やその代謝物の排泄が遅延し高い血中濃度が持続する。特に腎不全患者に副作用が発現した場合は重篤な転帰をたどることがあり、死亡例も報告されている。
アロプリノールの減量基準についてはこちらを参照
フェブリク錠10mg 20mg 40mg (フェブキソスタッット)
禁忌 メルカプトプリン併用
特定背景患者 腎機能障害
重度の腎機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない
トピロリック錠 20mg 40mg 60mg (トピロキソスタット)
禁忌 メルカプトプリン併用
特定背景患者 重度の腎機能障害のある患者(eGFR30mL/min/1.73m2未満)を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
調べておきたいキーワード
生物
プリン代謝 尿酸排泄トランスポーター
化学
メルカプトプリンと尿酸合成阻害薬の相互作用
衛生
高尿酸血症の年次推移
薬理
尿酸合成阻害薬 尿酸排泄促進薬
病態
高尿酸血症 痛風関節炎 アロプリノールの減量基準
腎機能低下時の尿酸降下薬の選択
薬物動態
腎機能低下時に注意する薬剤
アロプリノールの代謝経路
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