今回の里帰りで決めていたこと
私はポートレイトを撮るのが
とても苦手です。
いえ、撮れない、と言ったほうが正しい。
よく
「そのいいカメラで撮ってもらおうよ」と
娘達に言われるのですが、
私は人物を撮るのに最適な設定やら何やらをまったく理解していません。
勉強もしてません。(威張るな)
とりあえずなんでも「オート」です。
普段私が好んで撮る被写体は
廃船とか朽ちた鐵骨とか、何かの道具。
畑の野菜に晩げのおかず。
私がどんだけどんくさく設定をいじっていようと文句のひとつも言わず撮らせてくれるものばかり。
そうなんです、人にレンズを向けるということは
「カメラや写真を熟知しているでしょ?」
「おちゃのこさいさいよね」
「ちゃちゃっとすませてね」
と向こう側から要求されているような気がするんです。
ぶれるなんてありえない。
もたもた設定変えるなんて許されない。
そんなことしようものなら
「まだ??」
「あ、できないんだ??」
なんて思われてしまう・・・・ような気がするんです。
娘達はそんなこと言いませんけどね。
レンズの前に並ばれると
孫らが遊んでいる様子を追い回して撮るのとは
全く違う心持になってしまいます。
他人なら尚更。
でも撮られる側としたら、
待たされたくないもん。
そして「いい写真」撮ってもらいたいじゃん!
あれ、いい写真って言っちゃった。
そんな私だけど
今回はちゃんと「父の写真」を撮ってこようって
決めていました。
設定はしょうがない、オートだけど、
目を見て、
言葉を交わして、
笑顔を撮ろうって。
SNSに載せるアレ的なアングルではなく
真正面から。
それがいい写真なのかわからないけど、
自分が自分や家族のために「撮っておきたい写真」
父が倒れて1年と8か月ほど。
相変わらず対面での面会は自由には出来ないです。
一番最初のオンライン面会、
画面に家族の顔が勢ぞろいした瞬間、
父は幼子のように泣き出しました。
いろんな感情がないまぜになってたんでしょう。
情けないやら寂しいやら懐かしいやら
不安に不便に退屈な入院生活への不満etc…
20分ほどのオンラインずっと泣いてました。
スマホの向こうであっては父の背中をさすってやることもできず、
「泣かないで、泣かないで」って言いながら
自分もわんわん泣いてました。
その後何度かオンラインで顔を合わせました。
泣いてしまうことはもうなくなったけど、
あんまり笑顔は見られなかったな。
だから今回、麻痺が残ってはいるけど、
にこって笑顔、おさめられたのがすごく嬉しい。
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