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[組織系ブログ Ver.14] 相互理解をする上で 「行動」 「感情」 「ニーズ」 について理解をすると より人間関係が豊かになる

「あなたは、イライラした時に、どのような "行動"を起こしますか?」
「あなたは、"どのようなことが起こる" とイライラしますか?」

この2つの質問を複数名にすると、異なる角度の返答があることが多いです。

すごく長いお付き合いがある人だと、

「〇〇さんは、〇〇のときに怒る」
「〇〇さんは、怒るときに大体〇〇をする」

などと経験から予想できることはあるかと思うのですが、これを相互理解できてる方はものすごく少ないのではないでしょうか?

そして、本件を語る上で外せないのは「行動」「感情」「ニーズ」の3つです。この3つの関連性を理解するだけでも、コミニケーションは前に進むと感じています。では詳しく話を進めていきましょう。


0. NVCとの出会い

NVCとは:
NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)とは、1970年代に、アメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系化され、提唱された、自分の内と外に平和をつくるプロセスです。

家族や友人から、職場、組織、国際関係まであらゆる人間関係を、支配、対立、緊張、依存の関係から、自由で思いやりにあふれた、お互いを豊かにし合う関係へと変えることを可能にする考え方、話し方という「方法」であると同時に、私たちに「なんのために、どう生きるか」を問う、根源的な「意識」でもあります。

それは、頭(思考)で判断・批判・分析・取引などをするかわりに、自分自身と相手の心(ハート)の声に耳を傾けることから始まります。

具体的には、観察(Observation)、感情(Feeling)、ニーズ(Need)、リクエスト(Request) の4要素に注目しながら、自身の内なる対話や、相手の言葉の奥の意図の推測、相手との対話を行います。

NVC Japanのホームページより引用

ポイントは太字にした部分かと思います。
「お互いを豊かにしあう関係へと変える」という記載がありますが、相互理解においてものすごく活用できる考え方です。


1. 「行動」について

本ブログの冒頭で申し上げた通り、特定の「感情」が生まれたときに、人間はそれぞれの「行動」を起こします。

例えば、

Aさんはイライラしたときに黙り込む。
Bさんはイライラしたときに物に当たる。
Cさんはイライラしたときにとにかく人に話す。
Dさんは、イライラしたときに散歩に行き戻ってこない。
Eさんはイライラしたときに暴飲暴食をする。

「イライラ」という「感情」の変化に対して、人間はそれぞれの「行動」を起こします。ちなみにあなたはどのような「行動」を起こしますでしょうか?

僕(山根)は、イライラしたときに、「声を発する」ほうだと思います。そのため、周りからはある程度わかりやすい人種に分類されるのかもしれません。

ここで、認識しておくべきなのは、

ある特定の感情が生まれたときに、"自分と同じ行動をする" と思い込みながら、生活をしている人が多いこと。

これが、認識を改めなければならないポイントの1つだと思っています。

例えば、前述しました僕がイライラしたときに起こす「行動」をご覧いただいて、「自分はそんな行動は起こさないんだけれどもな…」と思われた方は少なからずいらっしゃるかと思います。また、僕からすると、イライラしたときに「黙り込む」という「行動」を起こしている人は、「●●さんは今イライラしていないだろう」と勝手に解釈を進めてしまいます。なぜならば、自分がイライラした時と「異なる行動」を起こしているからです。

何が言いたいかと言うと、人間にはそれぞれ価値観が存在しており、そしてこれまでの生まれ育ち、携わってきたコミュニティー/チーム/学校のカルチャーによって、自分の「感情」をどう表現するのか(行動に起こすのか)は、
それぞれ異なるという事実を認識しておくべきです。そうしなければ、相手が何を考えてるのかなんて理解することができないでしょう。

2. 「感情」について

本項は前項と逆の話をします。

人間は、自分以外の人が特定の「行動」を起こしていたときに、どのような「感情」なのかを自分なりに解釈します。そして、この解釈は本当に多様であると感じています。

例えば、

Yさんが真剣な顔をして黙りこくっていた場合、

Aさんは集中しているのかなと感じた。
Bさんは切羽詰まっているのかなと感じた。
Cさんは嫌なことがあって、誰とも話したくないのかなと感じた。
Dさんは好きな仕事を集中して取り組んでいるのかなと感じた。
Eさんはイライラした人と話したくないのかなと感じた。

この事例は、Yさんが「真剣の顔をして黙りこくっていた」という「行動」に対して、他の方々がそれぞれYさんの「感情」を読み取り解釈をしています。この感情の解釈って日々生活している中でよくありますよね。

お付き合いしている彼氏/彼女、共に生活をしている夫婦においては、たくさん起こるでしょうし、何より、上司/部下の関係性でも、この「行動」から「感情」を自分が勝手に解釈してしまう事は、ものすごい数起きている事実ではないでしょうか。

実際に、僕が特定のメンバーと話をしているときに、

「みんなが黙りこくっているときは、どのような感情の時が多い?」

という質問をしてみた時があったのですが、その際にありとあらゆる回答がありました。

「集中している時」
「落ち着いている時」
「イライラしてる時」
「喜びを抑えきれない時」
「不安な時」

メンバーの価値観によって、こんなにも「感じ取り方」が異なるものなのかとびっくりしたことを今でも思い出します。

ちなみに、人の感情は下記に分類することできるとのことです。こちらはご参考までに。

2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, nvc@baynvc.org, www.baynvc.org訳:小笠原春野 改訂:安納献ほか より参照

目の前にいる方が、特定の「行動」を起こしたときに「感情」の推測をすること自体は悪いことでは無いのですが、それを勝手に自己解釈をして物事を進めるのは適切ではない、ということがよく理解できた事象でした。

3. 「ニーズ」について

本項から話がものすごく深くなるのですが、別の質問を皆さんにさせてください。

「あなたは何を失ったときにイライラしますか?」
「あなたは何を得たときにイライラしますか?」

イライラするのには人それぞれ理由があります。同じ事象が異なる人に発生したとしても、Aさんはイライラしないし、Bさんはイライラすることもあります。これは「価値観の違い」として話を済ませてはならないと思っています。

ちなみに、僕は、人よりも「完璧主義者」であると感じています。その前提で前述した質問の回答してみると、

山根は、

「自分が立てた計画通りに物事が進まないとイライラする」

これは僕の根本的な「ニーズ」だと自己解釈しています。

「イライラ」という「感情」のピックアップが分かりづらかったかもしれないのですが、例えば「嬉しい」についても言及してみます。これも山根の事例です。

山根は、

「目の前にある仕事が、完璧な状態になった時(不安がなくなった時)に嬉しくなります」
「自社のメンバーがお客様から褒められているのを見ると嬉しくなります」

という感じです。
この「嬉しい」の事例については、何かを「失った」「得た」場合に、「嬉しい」と言う感情が生まれたのかを表現したものです。

話を整理していくと、

人はある「感情」が発生すると、特定の「行動」を起こす。
「行動」と「感情」は、人によってパターンが異なっており、自分のパターンと照らし合わせていると、相手を理解することが難しくなる
特定の「感情」はその人の「ニーズ」を「失ったり」や「得たり」すると発生する。

という感じです。
皆さん、おそらくこの「ニーズ」と言う言葉が、まだピンときていないのではないかと思うのですが、下記をご覧ください。


2006 Inbal Kashtan and Miki Kashtan, BayNVC, nvc@baynvc.org, www.baynvc.org
訳:小笠原春野 改訂:安納献ほか より参照

これが人間の根源的なニーズとのことです。これを見たときにびっくりしました。なぜならば、僕ら人間は、こんなにも複雑なニーズを欲しながら生活をしているのか、と。

4. どのように仕事に活かしていくのか?

「あなたのパーソナリティーを教えてください」
「どのような価値観がありますか」
「どんな性格ですか」
「どのような仕事をしてきましたか」

仕事において、あらゆる方々とご一緒することが多いかと思うのですが、「相互理解」は大事である事は、皆さまご理解頂いてる通りです。

ただ、相互理解をするために最も重要(であることの一つ)なのは、「行動」「感情」「ニーズ」を理解することなのではないかと個人的には思っています。

なぜならば、この3つについては、話をしてみなければ理解することが難しいことです。また、自分自身も「気づけていない」こともあったりします。僕も、この概念を理解してから、自分の行動と感情とニーズを整理しましたが、自分でも気づくことができなかった項目が多数存在していました。

そのため、新しく一緒に働くメンバーには、このような質問をするようにしています。

「どのような時に嬉しいと感じますか?また嬉しい時にどのような行動を起こしますか?」

という類の質問をしています。
これは「行動」と「感情」を照らし合わせながら理解したい、という目的の質問です。この質問内にある「嬉しい」は「悲しい」「イライラする」などと他の形容詞に変換して質問をするようにしているのですが、その方の価値観を理解できているように思っています。


ということでブログはこちらで終了。
今週も頑張っていきましょう!

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