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「過重労働」の果てに学んだこと -その4-

バーンアウトとの出会い
バーンアウトとは、日本語では燃え尽き症候群と翻訳されるもので(個人的には凄く軽く聞こえてしまってあまり好きではない)、きちんとした症状の1つです。
(定義が難しいでので、詳しくはここでは書けないです)

私は、この症状に出会えたことで、服従的な労働環境やそうなってしまった自分と向き合うことができたので、非常に感謝しています。

人がバーンアウトするほど過酷な労働を強いる状況であっても、それが利益を生む限り、そこで徳をする人は現状を決して変えないのだと、私はオーナーとの話し合いで実感しました。

私は勇気を持って、心療内科にいって今までのことを全て話しました。
前述したような心身の不調以外にも、オフィスでオーナーと話すと涙が止まらない時もあったので、これ以上自分の不調に目を背けることはできませんでした。あんなに元気だった私がこうなってしまった今の現状を、何と呼べばいいか、むしろ「名付ける」ことで現状を俯瞰したい気持ちさえありました。

ここでは診断書の内容は割愛しますが、納得のいくものでした。
なお、心療内科の先生が、「話を聞いていると過重労働と判断できますが、実際にどれくらいの労働時間だったか数字はわかりますか?」と聞きました。

この時の答えはNoでした。何故かというと、マネージャー以上はそのような残業のモニタリングはなされず労基が入る際は、深夜のメールなどを消去させていたからでした。外部の方と話すことで、自分の置かれた環境の異常さをよく理解できました。辞めていった先輩が、自分の労働時間だけはちゃんと証拠を残しておけといったのはそういうことだったのかとその時やっと実感したのでした。

その結果を、会社に報告し、今のような働き方を続けるにはメンバーを下につけてほしいという結果に関しては同意を得られず、むしろオーナーから出た言葉は、「あなたは気がおかしいから辞めて休んだらいい」ということでした。

利益を生み出さないものは、社員として認めてもらえないという、
今思えば当たり前の事実に気づいたのでした。

終止符
そこで、短いですが10年弱のキャリアに「一度」、終止符を打つことができました。
まさか、第一章はこんなに儚い終わり方をするとは想像もしてなかったのですが。

最初の数日は「今まで何のために、こんなに頑張ってきたのだろう?」と、悲しみがコップの8割を占める状態で過去を反芻していましたが、「何のため」は紛れもなく「私の承認欲求」でした。「服従的なオーナーから、褒められる」ことを欲して、自分の時間を捧げてきたのでした。

新卒時代、優秀な同期と比較して、「何かダメな自分」と自分に烙印をつけ、自分が認められる環境を探しました。自分の輝ける場所を探すことは、戦略的で素晴らしい考え方と思います。だけど、その前提には、”どんなふうに輝きたいか”がわかっており、ゴールイメージが描けていることがあると思います。
私の場合「このように輝きたい」といった崇高なイメージはなく、労働集約側型の環境で耐え抜けば”認めてもらえる”と思っていたので飛び込んだようなものでした。

今思えば、(よく聞く一般論ではあるのですが)、
・誰かと比べることに意味がない
・自分の良さを認める(存在しているだけで優秀)
・自分の出来ないことも認める(かつ、できれば愛されるように曝け出す)

これができていれば、どんなに効率的だったかな〜と思います。
これからはそうしていこうと思います。

そして、当たり前ですが、仕事に関する価値観ですね。
仕事だけが人生じゃないというのは「まあまあ納得」(しかし、仕事なくては人生成立しないので半分は納得してないです)です。

「人生」と「仕事」を二項対立にするのではく、
「人生」と「雇用関係」(もしくは職場)と考えると良いと思いました。

「仕事」からは金銭・喜び・価値が得られるとは思うので、ある程度期待しても良いと思いますが、「雇用関係」にはもう期待はしない方がいいと思いました。

”あの人に褒められない”・”あの人のためになりたい”というのは
非常に原動力になるのですが、人の気持ち・思惑というのはどこまで行っても正確に把握できるものではなく、コントロールできるものではなく、そんな不安定なものを基準にしてしまうことはとても、自分の人生を生きる上で合理的には思えないというのが、極端ですが私の今の気持ちです。

”裏切られてもいい”と思ってついて行ってるという場合もあると思いますが、
それ自体が少し危険な状況なのかなと思うので、やはり難しいところです。
しかし、そのような生き方を否定はしないです。そのような生き方の素晴らしさは、私には出来なかった生き方として凄いねってシンプルに思います。

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