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特急電車は四国山地を縫って(高知旅行記2日目) 2024.07.15

朝7時半起床。二日酔いにはなっていないのでセーフ。シャワーを浴びて、リープルを飲みながら今日はどうしようかなあと思う。
ひとつだけ懸念事項があって、帰りのバスがすでに満席でないのだ。となると特急南風で岡山まで出るルートになるが、初めて乗る上に連休最終日なので切符が取れるのか怪しい。まずは帰宅手段の確保からするべきだろうと思って、宿をチェックアウトしてから高知駅へ。目当ての15時台の特急の指定席を取ることができた(このときケチって自由席にしなくてよかった。連休最終日の自由席の混雑はなかなかすごかったのだ)。

帰宅できると分かったらもう安心だ。あとは残りの5時間ほどを心置きなく楽しむだけだ。
まずは高知大丸に行き、市吉秀一さんがプロデュースする高知県の名産品を集めたLokaを訪ねて、お土産を買う。阪神百貨店の高知フェアで買ったBOKA NUTSをリピートしたかったので買えてよかった。

それから金光堂を覗いてから、ひろめ市場の方面へ。昼ごはんには「うなぎ屋せいろ」をチョイス。口開けと同時に入りたかったので20分前から並ぶ。雨が降っていたが我慢。11時に無事入店。

4000円のうな重を選ぶ。肝吸いとサラダ、御新香がついてきた。うなぎは皮目がパリパリに焼かれているタイプでそれが香ばしくてめちゃくちゃ美味い!そういえば今までふんわり系のうなぎばかり食べてきたので、皮目がこんがりとしたうなぎの美味さを初めて知ったかもしれない。夢中で食べる。4000円出した甲斐があった。

だいぶ腹が膨れたが、ここで止まるのも口惜しいので一旦再び金光堂をぶらぶらしてからひろめ市場に流れる。亀泉の小瓶を買い、カツオの酒盗を買い、明神丸で塩たたきを買った。これが僕のちょい飲みセットだ。

これには狙いがあって、明神丸のタタキには柑橘の搾り汁がついてくる。これをタタキではなく、酒盗に注ぐのだ。確か、増田聡先生がTwitterで紹介していた食べ方で、酒盗に柑橘系の搾り汁をドバッとかけると酒盗のポテンシャルが跳ね上がるのだ。これはもう酒が進む進む。小瓶もすぐに空になった。

ほろ酔いのまま路面電車に乗って菜園場町まで。そこから歩いて安岡酒店Bluesを訪ねる。ここは酒屋ながらレコードとオーディオとがズラリと並んだ面白いお店で、しかも僕好みの日本酒を提案してくれるので前回訪ねてからすっかり気に入った場所なのだ。
大将と話しながら日本酒の提案を受けて、何本か試飲をさせて頂いた。酔鯨の限定酒と、美丈夫のしぼりたて生原酒、土佐しらぎくの純米吟醸を購入することに。ちょっと予算オーバーだが仕方ない。
大将と音楽の話になって、店に飾ってある細野晴臣のレコードのことを尋ねると、ご厚意でお店の音響で聴かせていただけることに。

「ろっかばいまいべいびい」と「僕は一寸」の二曲を日本酒に囲まれながら聴いた。Spotifyでしか聴いたことがなかったので、音の豊かさにとても驚いた。まさかこんな貴重な経験ができるなんて。大将に丁寧にご挨拶をして店をあとにする。

高知駅に戻り、職場や友人へのお土産を買ってから特急南風に乗車。駅で購入したクラフトビールを開けて車窓を眺めながら飲む。

四国山脈の中を縫うように電車は走る。雨のせいで川は増水していて、激しい流れが眼下に広がっていた。普段はどんな流れなのだろう。そんなことを考えていたらいつのまにか徳島県、香川県と経て瀬戸内海を渡り、岡山県へ。
岡山からは在来線で帰る。新幹線が少し頭によぎったが、相生駅で乗り換えるだけなのでまあいいだろう。のんびり行こう。
電車の中で藤本智士さんの『取り戻す旅』を読み終える。昨夏に訪ねた八戸のことにも触れられていてとても良かった。旅をしながら読むのに最適な本だった。
顔を上げると本州の風景。そういえば四国と本州とでは土地そのものを形成している何かが、成り立ちの段階から根本的に違うんだなあという気持ちにさせられた。そんなことをぼんやりと考えていたら相生駅で乗り換え。
そこからは新快速で姫路や明石、三ノ宮と見知った土地を通り過ぎて大阪へ。帰ってきたんだな。

そのまま家に帰って、荷解きをして、シャワーを浴びて、簡単な夕食を済ませてから眠りについた。あっという間だったな。高知、また行こう。

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