【財務分析 Vol.23】 スノーピークの「圧倒的顧客ハピネス」

すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。

このブログでは、"当たりまえ"を破壊して
新しい"当たりまえ"を作った会社を、主なモデルとして取り上げています。
テーマは"Think Different"です。(Apple)

読んでいただいた方が少しでも、ビジネスモデルのおもしろさとか、
会社の基盤であり結果を表す数字を、楽しいものと思ってもらえたら嬉しいです。

財務諸表をみればその会社がわかる。
未来分析実践活用編
Vol.23 『スノーピーク』

理念:The Snow Peak Way
ビジネスカテゴリー:その他製品

▶スノーピークの理念

キャンプで使うテントなど、アウトドア用品を主として展開する「スノーピーク」

その特徴は、なんといっても”品質の高さ”

実現している要因は、製品の企画開発を100%自社にておこなっていること。経営理念を定め、そしてその経営理念の実現に向けていること。

開発の工程は、同業他社の製品を調べるわけでも、一般的な市場調査をするわけでもなく、『世の中に未だないもの』をつくること。

例えばテントでいえば、本気の登山家向け、もしくは一般的な量販店向けのモノというのが”当たりまえ”でした。相場はせいぜい2万円。

スノーピークが作り出したテントは16万円でした。

しかし、その想いがのっかった製品は機能性の面を併せて、爆発的に売れました。”当たりまえ”を疑い、想いをのせ、ニーズや未来をイメージさせることが、世の中に新しい価値を生み出しました。

▶圧倒的顧客思考

そしてその品質の高い製品は、多くの『ファン』を作ることに繋がっています。定期的なキャンプイベントを開催を決め、世界的にみても代表できる程のユーザーコミュニティ形成をしています。(そのファンの中でも熱心な方は「スノースピーカー」という呼称がつくほど)

このコミュニティにて、ユーザー同士が良さを教えあったり、色々な使い方を披露することで、その楽しみ方の幅を体感したユーザーへの、さらなる購買意欲をかきたてるような効果もあります。

またそのイベントにて、実際の顧客の声を聴いたり、見たりすることでサービスを届けるための、さらなる改善を続けています。

ー 改 善 1 問屋を介さずに、販売店に製品を卸す。 ー

高品質故に、どうしても高価格となっていた製品の価額を抑え、ファンの方がより手に取りやすいように、そして多くの人に使ってもらうようにするために、問屋を介さず販売店との直取引を始めました。

この実現により流通コストの大幅削減につながり、品質を下げることなく、値段を抑えることに成功しました。

従来の”当たりまえ”では、「そんな取引はあり得ない。」言われる中、お客様の幸せを一番に考え、”当たりまえ”を書き換えました。

ー 改 善 2 店 舗 集 中 ー

多店舗展開していたその数を約四分の一程度まで縮小しました。

何事もお客様が価値を感じ、納得して買ってもらわない限り、売上という結果には結び付きません。だからこそ、多店舗よりもその数を絞り、しっかりとお客様と向き合うということが、なによりもお客様にとって幸せになることと信じての戦略だったのです。

ー 改 善 3 販 売 戦 略 ー

そして縮小した店舗での販売には、必ず一人は自社製品のファン(精通している)であるスタッフを配置し、実体験を交えた商品説明をおこなうことで多様なシチュエーションを想定した販売を可能としました。

買っていただいた方のニーズにしっかりと寄り添った販売をすることで、購入後実際に利用する場面で、多くの「信頼」が生まれています。


このような改善策はどれも周りに合わせた”当たりまえ”のなかにいれば気づけないことだったでしょう。

▶スノーピークの財務分析

キャプチャ

収益性 ★★
安全性 ★★
生産性 ★★★
成長性 ★★★★

売上高の伸び率に対し利益率が下落している。また販管費内訳内にても固定費の上昇が見て取れることから、収益性についてはここが正念場となりそうです。(投資有価証券の減損もありますが)

また安全性については、売掛金の回収サイトの早期化に対して、たな卸資産の急増している。それに伴いCCCサイクルも上がっているため、投資有価証券のみらず、損失を生み出さないことに注意が必要であるとともに、資金繰りにも、目を向けることが必要になるだろう。

期末商品の価額が上がる場合、良くない傾向が強いということについては、またの機会にまとめられればと思います。

海外展開とコト事業によるその需要はまだまだ広がる可能性を秘めている点とこの投資が成長性につながる可能性を信じたい。

~まとめ~

「お客様の幸せ」が一番という本当の意味の”当たり前”は、なにかとできなくなってしまうことが多い。

まずは与えることからしか得ることはできない。

売上高というものが示す意味を考えてみるといいのかもしれない。

過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考え、要因分析し将来の施策を考えると、その企業の動向をつかめるようになります。

一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!


参考


財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。

財務諸表ハック|各種企業財務チャート、複数社比較も簡単にできるXBRL財務分析ツール
財務諸表ハックは、XBRLをベースに企業財務情報を財務分析チャート、帳票に展開するWebアプリです。
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