【財務分析Vol.2】 武田薬品「薬品事情の解剖」

すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。

財務諸表をみればその会社がわかる。

未来分析実践活用編
Vol.2 『武田薬品工業株式会社』

ビジネスカテゴリー:医薬品業

理念:優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する

▶武田薬品の歴史

ホームページを見るとなんと武田薬品の始まりは1781年にまで上るとのこと。200年以上も存続しているその理由は、社会への貢献をし続けているから。それはどの業種でも変わりのないことです。ただ薬品という常に人類に必要になるものを製造しながら、常に現状に甘んじず海外へ視野を広げるなどの施策を打って世界の明るい未来に寄与していることが、見習わなければならないポイントなのだろう。。。

またその姿勢もあり、創業以来2015年3月期まで最終赤字を出したことがないという成績を残している。2015年3月期の最終赤字は開発した治療薬の副作用についてアメリカにて訴訟を起こされ、その和解金への賠償引当額によるものである。


▶製薬メーカーのビジネスモデル

薬は製造原価が極めて低いことが特徴です。そのため自社開発製品ともなれば、実質原価率1~2%での販売をしている製品も決して珍しいことではありません。この高収益モデルを持続するために今得ている収益を研究開発に回し、新薬開発に力をいれています。

しかし日本においてはこの高収益化モデルに歯止めがかかっています。皆様も病院後の薬局に行かれてた時聞かれたことがあるであろう『ジェネリック』の登場です。ジェネリックとは、特許の切れた薬を別メーカーが製造販売する後発薬です。製造が他社にても可能になるため、その薬の値段が下がるんですね。日本においては高齢化社会と国の財政赤字が影響してこのジェネリックが普及しています。このジェネリックに飲み込まれないように今後より開発力が重要なファクターとなります。


▶武田薬品の財務諸表

このように製薬業において重要となってくるのは、『特許権』や『販売権』のような無形固定資産を持続的に持つことで得られる高収益モデルとなります。そのため武田薬品の特徴はまさにこの二つとなっています。

【研究開発への投資】と【企業買収への投資】

今までも資産の固定資産割合が多くを占めており、この固定費の多くが無形固定資産によるものと考えられます。そして2019年度でのこの衝撃的なまでの固定資産の増加。これは企業買収による『のれん』の計上も伴っています。『のれん』とは企業の財務諸表に載っていない価値に対する支払い分を計上するものです。つまりその企業のブランドであったり、技術価値を買ったということになります。こののれんは、国際会計基準を採用しているため定期償却は必要ないが、企業買収のリスクとして業績が悪化すれば巨額の減損損失が発生する可能性がある。

研究開発投資へは売上高の20%以上を使っており、またキャッシュフロー計算書は営業活動プラス投資活動マイナス財務活動プラス、フリーキャッシュフロー0の攻め方を取ってます!


~まとめ~

以前まで20%台にて収まっていた売上原価が40%まで高騰してきている。これは上述の時流によるものである。今回の大型買収と継続している研究開発が花開き、今後収益率を保ちながらまたここ数年続いている減収に歯止めをかけ、さらなる飛躍をすることができるのか。正念場と老舗の底力が図られる時なのかもしれない。。。


過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考え、要因分析し将来の施策を考えると、その企業の動向をつかめるようになります。

一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!

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