【財務分析 Vol.27】 モスバーガーの「高付加価値バーガー」


すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。

このブログでは、"当たりまえ"を破壊して
新しい"当たりまえ"を作った会社を、主なモデルとして取り上げています。
テーマは"Think Different"です。(Apple)

読んでいただいた方が少しでも、ビジネスモデルのおもしろさとか、
会社の基盤であり結果を表す数字を、楽しいものと思ってもらえたら嬉しいです。

財務諸表をみればその会社がわかる。
未来分析実践活用編
Vol.27 『モスフードサービス』

理念:人間貢献、社会貢献
ビジネスカテゴリー:サービス業

▶モスバーガーの財務データ

キャプチャ


収益性 ★★
安全性 ★★★★
生産性 ★★★★
成長性 ★★★

▶ハンバーガーチェーン第二弾

せっかく前回の記事で「日本マクドナルド」を取り上げたので、今回はバーガーチェーンとしてよく知られる「モスバーガー」を展開しているこの会社を選んでみました。

ざっと財務諸表のSummaryを見ると、「減収減益」しているというのがまず第一にわかることだと思います。簡単に理由を言うなれば、『事故』に起因するものです。マクドナルドのも起こったように、ハンバーガーチェーンなるもの、そのリスクは常に持ち合わせているのだろう。

ただ印象としては、マクドナルド程の壮絶なダメージを受けていないというところでしょうか。

しかし順調に伸びていたとも言い難い中で、さらなる飛躍が必要なタイミングでこの事態は、先行きが少し厳しくなってくるようにも思える。

ROAは 0.78(売上高経常利益率) × 1.09(総資本回転率)= 0.85

昨年は 5.23(売上高経常利益率) × 1.15(総資本回転率)= 6.02

収益性に大ダメージを与えたのがよくわかりますね。

▶安全性分析

BS内の安全性からみてみます。この事態に陥るまでに、堅調に利益を上げてきたこともあり、自己資本比率は高比率に保てています。また、その信頼もあり、新規借り入れをおこない安全性に担保している様子が見て取れます。

営業活動から生み出したキャッシュが大幅に減っている中、現預金残高は上を向きました。その金額は月商の約二ヶ月分に達し上場企業の目安である1ヶ月をクリアしていると言えます。

またCCCのサイクルも短期にて回せており、当面”現金”を起因として問題になることはなさそうです。ここは、マクドナルドと比べるビジネスの色が良く出ています。

画像2

信頼の構築と関係づくりを極めるか回転率を極めるか、キャッシュのまわりかたを見ただけでも、なんとなくわかると思います。

▶収益性

そうして得た資金をどのように使い、会社として稼いでいるか。

資産項目については、マクドナルドとさほど変わらない構成となっている。営業活動に必要となってくる店舗などへの投資をおこない、基盤づくりをしている。

注目すべきはやはり『売上原価率』でしょう。

マクドナルドと比べ、モスの原価率は”50%”

モスの戦略が商品付加価値を大きく上げ、高値にて販売することに成功しているのは他の多くの文献等にも書いてある通りなのです。

しかし経常利益率は晩年含め、マクドナルドを劣っています。理由は財務諸表を見ると明白ではありますが”販管費率”となり、これも戦略を映し出すひとつの指標です。

モスバーガーは高級志向や健康志向などの、ファストフードにしては少し高い位置にいることで、その存在感を出しているため、一等地などの場所へのこだわりもあります。そのために”地代家賃等”の項目への支出が発生し販管費を押し上げています。

またマクドナルドと比べて、販促費が3%労働分配率が10%ほど高く、全大衆向けでない分、そういった経費へお金を使っていると考えられます。

▶固定費が増すと危険!?

マクドナルドとの違いを生み出し、お金を稼ぐためにどうしても必要であった販管費はどう影響を及ぼすのか。

”固定費”とは売上に関わらず一定にかかる費用を指します。

そしてもう一方の、売上に比例して変わる費用を”変動費”と言います。

この固定費が上がると、順調に売上が上がっている間は良いが、もしこのような事態にて落ち込んだ時、変わらずかかってしまう費用があるということになります。

そのため、できるだけ固定費を持ちすぎないほうが、リスクの面を鑑みて安全かつ健全な会社という目線も持つことができるでしょう。

これが、ROAにて収益性激減のひとつの理由と言えそうです。

~まとめ~

ハンバーガーチェーンにても、想いや戦略などのやり方が違い、それが数字の面にもくっきりと出ている点を見ると、財務分析というのはおもしろいです。

事件は自分たちを見直すいいキッカケとなります。マクドナルドがそうであったように、自分たちの生み出す価値とはなにか。どうあるべきか。そしてそこに向かうためにはどうすればいいのか。など深く考え、実行に移しあがってきてほしく感じました。

インドネシアにもモスバーガーはあり、よくライスバーガーを食べているので、今後も健康で美味しい食事によって、人間貢献・社会貢献に寄与してほしい。

過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考え、要因分析し将来の施策を考えると、その企業の動向をつかめるようになります。

一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!


参考

財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。

財務諸表ハック|各種企業財務チャート、複数社比較も簡単にできるXBRL財務分析ツール
財務諸表ハックは、XBRLをベースに企業財務情報を財務分析チャート、帳票に展開するWebアプリです。
www.tukuttemiru.biz


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