インティライ味

この間、友人とサブウェイに行った時、ナオト・インティライミ感のある帽子とシャツを身につけた前髪厚めの若い男の人と、そのアシスタントらしき若い男の人が若い外国人の女の子と店の奥のソファーで話していた。その女の子の履歴書をインティライミが少し偉そうに見ていたので、何かの面接をしているようだったが、私は友人に「あのインティライミは絶対怪しい」とコソコソ話した。

女の子はなんとなくピュアで優しそうな感じで、インティライミのアシスタント的男の表情はニヤニヤしていた(私の悪意ある主観)し、インティライミはずっと帽子を被ったままでなんだか態度がでかかった(同じく私の主観)ので、あの女の子が騙されて怪しい仕事に入り込んでしまうのではないか、と余計なお世話であるが勝手に心配しながら遠くから監視していた。

私が「どうしよう、あの子が暗黒の道に引き込まれてしまうよ」などと私の妄想で作り上げられた余計なお世話に対して友人は「いや(笑)普通にあの男の人(インティライミ)はこの店の店長で、アルバイトの面接をしているだけなんじゃない?」と言っていた。私は、こんな素晴らしいサンドイッチ屋さんの店長が面接でインティライミ帽子を被ったままなわけなかろう、と思ったので、その怪しい面接が終わるまでずっと観察していた。

怪しい面接が終わり女の子が店から出ていくと、インティライミはレジのカウンターの方へ歩いて行き、馴れ馴れしく店員さんに話しかけながらSTAFF ONLYのドアの中に入って行った。

「あ、やっぱり店長だね〜〜う〜〜ん、そうか〜〜」と私は呟いた。

私の考察が完全に外れていたことについて反省している間もインティライミは帽子を被ったまま店内をうろうろしていた。

私が面接を受ける側だったら「帽子脱げや!」と思ってしまうところで、また勝手に少しピリついた気持ちになりながらも「いや、ワンピースのルフィにとっての麦わら帽子と同じくらい彼もあのインティライミ帽を大切にしていたのかもしれないね」と思い直して、解散した。

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