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SNSで遊戯王はもっと楽しくなる!「伸びる」ガチデッキ作りの楽しさ【遊戯王Advent Calendar 19日目】

この記事はキャベツさん(@mtbambooygo)主催遊戯王 Advent Calendar 2023企画 19日目のものとなります。前日はヒナタさんの「御巫使いの1年の振り返り」でした。

はじめに

こんにちは。potato4dです。遊戯王OCGのトーナメントプレイヤーを経て、現在は OCG も毎期ごとにある程度 CS に出場しつつも、今年からは MD に軸足を移し、 MD の大会環境を中心にプレイしています。

note を動かすのは久々のこととなりますが、キャベツさんが引き継ぎ、新たな体制で始まる Advent Calender を初回ということで、せっかくなので参加した次第です。

この記事では、あまり語られないマスターデュエルの大会環境……ではなく、SNSの力を利用して、ガチ対戦をもっと楽しむ方法をご紹介したいと思います。息抜きがてらリリース以来欠かさずに登頂しているランクマッチを題材として挙げますが、OCGのCSにおいてもこの傾向が見られていると感じます。

この記事を読んだあとに、「たまには好きなデッキでランクマかCSでもやってみるか」と思っていただけることを願っています。

ランダムマッチの最大の魅力

本題に入る前に、マスターデュエルというゲームのランクマッチ(ランダムマッチ)の最大の魅力についてわたしの主張を述べたいと思います。

マスターデュエルのランクマッチの他のものに代えがたい唯一無二の魅力は「自分がどんなデッキを使っていても、勝利を目指している対戦相手と継続的にマッチングできる」という点に尽きると考えています。

余談ですが、CSも「ランダムマッチ」という観点で同様の魅力を持っていますが、そもそも参入人口が非常に小さい世界ということ、それ故に完全に同一というわけでもない都合を抱えていることから、今回は詳細については割愛します。

環境外は「調整」ができない

「勝利」を目的とするガチ対戦において、環境トップやそこに追従するテーマ以外を選択するという行為は、デッキパワーはもちろん、絶対的な実戦経験の不足がつきまとう非常にリターンに乏しい行為です。

そしてリターンに乏しいことは、特にOCGのようなオフラインで特定の人間との継続的なプレイ、いわゆる調整が欠かせないため絶望的といって良いでしょう。

当然のことですが、Tier1を握っている人にとってTier3や環境外との対戦を行う時間は得られる経験値が限りなくゼロに近く、奉仕行為と表現しても過言ではないでしょう。一度や二度ならともかく、毎週、毎日のように対面してもらうというのは現実的ではありません。

そのためTier1側を自分が実際に使って様々な対面を行い理解度を高める、メタゲームを俯瞰してみて環境理解を高めることまでは可能ですが、本題である自身が使いたいTier下位やTier外のデッキそのものを触る機会は必然的に少なくなり、その結果実際の仮想敵との対面は数えることしか行えないというのも珍しくありません。

「全員が勝ちに来てくれる」ランダムマッチという処方箋

マスターデュエルのランクマッチはそんな課題を高い水準で解消してくれます。もちろん対戦相手の練度のムラはあるでしょうし、特定の対面を要求することはできません。ランクマッチとしての最大Tier1は現状マスター1ですが、正直競技的にプレイすることを前提に置くと、普通のデッキを使う限りは少々退屈なものであることも事実です。ですが、それを差し引いてもなお「対戦相手が必ず現れてくれて、勝利のために戦ってくれる」ということは何よりも貴重なことです。

これは「トーナメントシーンに顔を出したことがない全てのテーマをガチ向けにチューニングする」機会という過去にはない価値を提供してくれます。

そしてなんと、今その需要が非常に高い時代が到来しています。CS環境にTier下位や環境外を持ち込むものによっては垂涎ものの環境がある上、それが価値になるかもしれません。以降で実例を交えて紹介します。

環境外のガチ向けチューニングの実例

直近の事例として、私が12月のランクマッチで使っていた【十二鉄獣】の例を挙げたいと思います。

今のマスターデュエルは CYAC 環境に突入しており、【ピュアリィ】などはかなり前に実装済み。既にそれなりの規制を喰らったあとで、【烙印】や「AGOV」までのカードが素早く実装された【VS】が活躍している環境です。【ドラゴンリンク】や【クシャトリラ】、【斬機】なども一定の分布が見られますね。

そんな中で私はマスターデュエルにおいては禁止カードであった「モルモラット」ならびに「会局」が規制緩和されたことをきっかけに、【十二鉄獣】をランクマッチの利用デッキとして選定しました。懐かしの【鉄獣戦線】を楽しみつつも【十二獣】側の出張ギミックの対クシャトリラの有用性の検証を DC 前に終わらせたかったモチベーションが大きいデッキチョイスです。

OCGでは「ドランシア」が禁止であることも影響し、【デスピア】(現在の烙印)が登場する頃には姿を消したデッキであり、CYAC以降のトーナメントシーンでの使用者はほぼゼロと言っても過言ではないでしょう。最近のOCGで環境落ちしたときにありがちな、「大会にはついていけないがカジュアル対戦で使うにはオーバーパワーすぎる」カテゴリに属してしまい、中々使いどころに難しいテーマなってしまっています。

そんなテーマであっても、マスターデュエルであれば使用は自由です。【烙印】も【ピュアリィ】も嫌な顔ひとつせず対面してくれますし、マスター1到達後はともかく、そこに至るまでに必要な最低40戦を終えるまでの間は、最後までしっかりとプレイしてくれます。

当然、Tier上位であっても40戦全勝とはいかないため実際の試行回数はより多く、その中でギミックが予想通りの活躍をしたか、していないか、汎用枠に間違いはないかなどを十分にキャリブレーションもできるでしょう。仮説を持って実践を経てフィードバックを受け取るという、デッキ構築ゲームの真髄の一つを自分なりに十分に楽しむことができるのです。

と、このようにチューニングを進めていると、副次的作用としてあることが生まれます。

それは、「びっくりするほどポストが伸びる」ということです。そしてここからこそが、ガチ向けチューニングのもう一つの魅力です。

「ガチ向けチューニング」はSNSで伸びる

実はこれは今回の【十二鉄獣】に限った話ではなく、定期に発生しています。渡しの場合5月にはBFを、8月には天威勇者でランクマッチを完了しており、それぞれいずれも一定の伸びを見せています。

そしれこれらには「やれそうな環境外デッキで最高ランクに到達した」という共通点があり、これを満たしたデッキは多くのケースで伸びる印象を受けます。

マスターデュエルでデッキレシピが伸びることなんて通常はデュエリストカップや大規模大会での好成績程度でしか起こらない中、やっていることは少し変わったデッキでランクマッチをプレイしているだけでこれほどまでにデッキの情報が多くの人に伝わり、プレイヤーとしても一定数から興味を持ってもらえるのは十分にお得と言えるのではないでしょうか?

「ランクマッチで遊びたいプレイヤーへのネタ提供」を一つの楽しみとしてプレイできるのでダレづらいのはもちろん、ゲームを楽しむことが自分にとってのプラスにもつながるというわけです。

そんな嬉しいことが多い「やれそうな環境外デッキ」のレシピは、なぜ「伸びる」のでしょうか?

「やれそうな環境外デッキ」に対する需要

伸びる要因は大きく分けて3つの層へとリーチできているからと考えています。

1つ目は「環境Tier上位以外でそれなりに勝ちたいプレイヤー」であることは間違いないでしょう。

マスターデュエルは否が応でも勝利を目的とした環境に身を置く必要があるため、OCGでの「交流会」のような体験を得ることが難しいゲームです。そのため、「ある程度カジュアルに楽しみたいが、ゲームシステム上やむを得ずガチ対戦を行う」という層はどうしても多くなるため、見飽きたデッキではなくある程度変わり種で味変をしつつ楽しみたいという需要は必然的に高まります。

一方で、環境上位層と環境上位以外で戦う構築に仕上げるには一定以上の環境への理解度が求められるため、必然的にそれら両者を満たした構築の需要が高まるということです。トーナメント環境のプレイヤーであればマスター1の到達はTierを下げても特別の苦戦を要するものではないですが、必ずしも全てのプレイヤーがそうではないため、それが需要につながるというというわけです。

2つ目は「資産の有効活用を求めるプレイヤー」でしょう。

これはプレイヤーとしての競技意識に関わらず、OCG/MDともにパックからランダムにカードが排出されるというシステムの都合上、出たカードを折角なので有効活用したいという点です。これは特にマスターデュエルにおいて顕著であり、OCGであればシングル購入が中心となる競技プレイヤーでも、生成よりセレクションパックを剥くほうが合理的なため資産が溢れやすい傾向になります。

分解するにしてもする前に多少遊ぶ、偏ったからにはデッキとして組み上げてみたいという需要は常に一定数存在するため、こういった要素からも指示されやすい傾向にあると思います。また、十二鉄獣のように過去の資産のリペアは少ない新規カードと組み合わせやすいのでより支持されやすい印象を受けますね。

3つ目は「環境向けのエッセンス提供」でしょう。

デッキ自体はトーナメント水準とは言い難くても、そこからのエッセンスは他に使える余地があるというのは往々にしてあるものです。私自身ランクマッチ向けのものはデッキやテーマと言うよりは特定のカードにフォーカスする目的でデッキを組み上げる傾向にありますが、その知識が他で幸いすることが頻発します。

BFあたりはティアラ環境で最終的に大会に持ち込んで入賞するまで使い倒しましたが、フルアーマードを通じて環境における高耐性の有用性や当時の規制のティアラメンツにおけるアトラクターとの向き合い方などは重要なエッセンスとして長く使えた印象です。実際当時のDCやWCSではアストラムがかなり強力なカードだったことからも、こういった特定のカードの評価につながるため競技目線のユーザーにも興味を持ってもらいやすい点があるでしょう。今回の枠だと会局がそうですね。

以上の3種類の需要を満たしやすいという傾向から、必然的に「伸びやすい」レシピとなっている印象です。

「伸びる」と何が嬉しいのか

お気に入りのデッキがあって、その結果生まれたレシピが伸びるというのは素直に嬉しいことでしょう。

これを目的に毎月好きなテーマで環境的に追い風なものを選択して進むということもある種の楽しみ方で、おそらくこれだけでマスターデュエル、SNS活動ともにより色鮮やかなものへと変貌を遂げるはずです。ゲームのリザルトでインプレッションがザクザク増えていく感覚は、代えがたい喜びがあることも事実です。

更には作ったデッキの品質が高い良いと、実際につかったプレイヤーから「これでマスター1にたどり着けました」という声を届くことすらもあります。これはデッキビルダー冥利に尽きるというほかなく、「勝利」というゴールがあるからこそ得られるポジティブフィードバックです。

もしこれまでランクマッチ頭頂をユニークなデッキで行っている方がいれば、ぜひ構築をポストしてみてください。きっと新しい喜びがあるはずです。

そうそう、ポストのときは「#遊戯王マスターデュエル」のハッシュタグも忘れずに。これだけで色々と変わってきます。

「伸びた」流入をどう扱うか

折角なので、「もう少し欲張りたい」となったらどうするかについても言及します。

これに関しては遊戯王というゲームの楽しみかたからかなり逸脱した範囲となるため、行うかどうかはアウトプットへのモチベーション次第ですが、何かしらの形でまとめるというのもまた一つの手段でしょう。そうすると、「伸びた」流入を定着させることができるかもしれません。

私は YouTuber ではないので積極的に投稿しているわけではありませんが、それでもこのようなデッキを投稿すると毎回コンスタントに伸びます。

例えば十二鉄獣だと1.6万回、BFや天威勇者は1万回前後再生されていることから、他の要因も大量にあるとしても、ソーシャル同士でのトレンドの傾向というのは一定以上似通っていると言えそうですね。

また、定着を表すものとしては、私のドライトロンの動画がしっかり伸びていることもある程度証拠となりそうです。

これはOCG時代から長らくドライトロンの発信を続けてきたというのもあるかもしれませんが、デッキとしては創作デッキの色もない普通の大会向けの構築の紹介が 1.4 万再生まで到達しています。自身のデッキ選択の積み重ねを否定するつもりはないですが、少なくとも「ドライトロン」の要素だけではない定着が貢献していることは明らかでしょう。

せっかく興味を持ってくれた人をどうやって定着していくかというのはその人次第ですが、少なくともSNSを意識してデッキを選択してみると、その後無限大の可能性へと繋げることができると思います。

YouTube への動画投稿はハイカロリーだと思うので長文でポストを行う、デッキ紹介画像を作ってフォロワー数の増加を狙う、マスター1で需要があるかはともかくとしてブログなどにまとめてみるなどでも良さそうです。

ガチ向けチューニングについてのまとめ

まとめると

  • マスターデュエルはランダムマッチの性質上、いわゆる「環境デッキ」ではないものを最低限以上の環境レベルへと引き上げることに最適

  • そして引き上げた結果の構築の情報は多くの人に見てもらいやすく、これをモチベーションに据えて楽しむのも現代の「ガチカジュアル」なプレイヤーとしての一つの楽しみ方

  • 併せてその流入をどうやってグリップして活かすかはその人次第なので、せっかくなのでその先を工夫してみても面白いかも

といったところでしょうか。

「ガチ向けチューニング」の学びどころ

最後に「ガチ向けチューニング」で楽しんでみたいという人に向けて一人紹介すべきアカウントがあるので紹介しておきます。

私もある程度創作デッキらしさを持ったガチ向けチューニングを得意としていますが、ZEPさんは特にその調理方法がうまいと感じます。

モンキーボードの解除を受けて即興で【EM斬機】を組み上げてマスター1や DC 1st などのある程度遊びの幅がある目標をサクッと上げきるかたで、方向性を感じるには非常に学びの多い方であるはずです。

定期的に構築が伸びているためご存じの方もいらっしゃると思いますが、素材の味の活かし方が巧みなことから、SNS時代に「そこそこ勝てる構築」のビルド能力が大きくマッチしているように感じられます。

良ければ併せてどうぞ。

おわりに

長々と書いてきましたが、ある意味私のSNSを強く意識したマスターデュエル活動のまとめみたいな記事になりましたね。

本当はDCで結果を出して華々しくリザルト報告でシンプルに……。と考えていたのですが、残念ながら結果を残すことができなかったので、少しメタ的な遊戯王の楽しみ方について紹介してみました。疲労困憊のまま綴っているので後で読み返すと恥ずかしいないようになってそうな気がしないでもないですね。

マスターデュエルの登場と新規テーマの継続的なインフレによって、ガチとカジュアルの境界線といったものは非常に希薄なものとなってきています。そんな中でもプレイヤー志向としての「ガチ」と「カジュアル」は今日においても未だに存在していますが、それによって新たに「カジュアル向けのガチ」という領域に価値が生じていることは疑いようもないでしょう。

マスターデュエルとSNSを活用した対戦活動を通して、更にこの融和を加速させ、そして自身のデュエル・SNSライフもより豊かなものにしてみませんか?

明日は湊月ナハトさんの「ヌメロンとドラリンを組み合わせたデッキを紹介する予定です」です。

それでは。

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