【大会構築】環境に適合し勝ち進め!幸魂&イシズ採用・パーシアス型宣告者ドライトロンの今【遊戯王】
こんにちは。potato4dです。
普段は主に関東で【ドライトロン】を利用してOCGのCSに出場しているほか、マスターデュエルのチームEXTRAWINのメンバーや、OCGの遊戯王カードゲームインストラクターとしても活動しています。
これまで【ドライトロン】で何度も優勝・入賞をしてきましたが、今期は前期を最悪とすると、過去2番目に辛い環境となっています。
《ユニオン・キャリアー》禁止後に開拓し、半年以上使い続けているパーシアスギミックのタイプを今もなお使い続けていますが、依然として厳しい状況が続いています。
そんな中、今回は CYBERSTORM ACCESS にて新規に登場した《幸魂》を採用し、CSにてベスト4となりました。
遊戯王DB(いいねしてね!): https://www.db.yugioh-card.com/yugiohdb/member_deck.action?cgid=e754c004ac58e3b696fca2d99f3d46e1&dno=551&request_locale=ja
1月時点でイシズを混ぜた原型は完成しており、ある程度勝てる構築にはなっていましたが、幸魂で完成した形となります。
負け試合もほぼアギト&ケルベクの暴れでイシズの落ち具合に差がついての敗北ということで、上振れティアラに対しては依然として難しいが、環境にて十分に成績を残せる構築に仕上がったことから、このたび記事としてあげることとしました。
基本的にはパーシアス型が軸であり、取るプランもあまり変わらないので、今の環境の情報と差分だけの記事となります。今の【ドライトロン】の基本の動きは以前の note をご覧ください。
https://note.com/potato4d/n/nd1bbc6896a8b
今期のメタゲームにおける立ち位置
厳しい状況が続いていますが、十分にやれる状況です。
先攻の強さ
誘発の総数自体は少ないこと、捲り札も拮抗のような数を減らすものに偏っていることから、「通れば勝ち」が揺らぐような環境ではありません。
基本展開のアルデク5妨害を超えられるのは上振れたティアラメンツくらいですし、その上振れたティアラメンツにも、こちら側が3枚目以降の初動を持っていると、後述のムドラ落としによって防ぐことができます。
一方で「深淵の獣」ギミックは重く、今回の幸魂型でダメージが緩和されてもなお場合によっては致命傷を負いかねない状況です。勿論、【深淵の獣スプライト】のようなメインギミックになっているデッキの2枚持ちにはなすすべも有りません。また、複数枚採用の観点では、《剣神官ムドラ》の採用によって基本的にはケアできるようになりましたが、ハゥフニスからのケルベク・アギトの墓地肥やしで大量に墓地が肥えてしまい、シャドール+ティアラが運良く落ちた場合はそれでも展開が停止します。
最終盤面の強みは失っておらず、捲り札系のサイドカードとの相性も悪くないが、深淵の獣が目の上のたんこぶというところでしょうか。今後これ以上採用が増加する場合はそもそもこのデッキを握るべきではないが、まだ許容範囲に収まっているという認識です。
後攻の強さ
サイドカード15枚全てをメインと入れ替えられるデッキであることから、期待値2枚引けるサイドカードとギミックを合わせ、計6枚をフルに使って捲くっていくような形となります。
最終的に2枚初動の動きが決まってしまえばリソースも《サイバー・エンジェル-那沙帝弥-》などによる捲りも自由自在になるので、相手の上振れやサイドカードをサイドカードで相殺しつつ、相手のメインギミックはギミックと手数で踏み切って最後に那沙帝弥で勝ち切るか、アーゼで流して盤面を再形成するようなイメージです。
また、【ティアラメンツ】に対しては自身もギミックで触ることができる都合上、ムドラ・ケルドウをメインからでも積極的に採用できることから、ケルベク・アギトの動きに対してリスクをつけることができるのも強みです。遊戯王の手札は初手は5枚しかありませんが、ティアラメンツは墓地効果のあるカードであれば10枚ドローが可能な対面になるため、プランに据えることが許される妨害となります。
総じて「ティアラメンツ」以外に対しては盤面の処理が得意なデッキの強みを活かして戦え、ティアラメンツに対しても同じ土俵で戦えるため、他のデッキとは違って墓地肥やしで好き勝手されづらいという強みがあります。
と、ここまで良いことを書き連ねてきましたが、ティアラメンツについては《深淵に潜む者》と、今期から構築に帰ってきた《エルシャドール・ミドラーシュ》という天敵が存在します。
ティアラ対面も止めたけど深淵やミドラを1枚残してそれらの効果でターンスキップということもしばしば。どちらも1枚でドライトロンを完全に封殺できるカードであり、《禁じられた一滴》や《獣王アルファ》の採用が強要される理由もここにあります。
雑感
依然として逆風である要素は多いが、比較的ティアラの運ゲーでやりたい放題されづらいデッキであること、自身がイシズギミックを有効に使えること、ティアラ以外には引き続き「通れば勝ち」という状況が続いてることから、パワーだけで言うと Tier 2.5 くらいのパワーはある印象です。
餅が消えた頃のスプライト環境くらいの立ち位置で、日によっては入賞・有償を狙えるが、安定して常に勝てるわけではない程度でしょう。
現状使い手がほぼいないこと、そして今のドライトロンはできることが多く、アドリブと動きの択が多すぎることから環境で戦うために必要な理解度の要求値が高すぎることから、依然として TierList に乗るほど使用者が多くなることはなさそうです。
イシズの採用について
幸魂の紹介に入る前に、ドライトロンのイシズギミックについても紹介します。
ドライトロンにおいては基本的に《剣神官ムドラ》と《宿神像ケルドウ》のみを採用します(以下ムドラ・ケルドウ)。役割としては ① ティアラメンツへの対抗策 ② 墓地メタ ③ ギミックでの妨害補助とリソースの回復 3 つとなります。
一番重要である ① は、シンプルにドライトロンが苦手とする《エルシャドール・ミドラーシュ》の成立や、相手のムドラ・ケルドウの効果発動を阻止する目的があります。
ティアラメンツは前期と比較して大きくパワーが落ちており、パワーカードで盤面自体は簡単に瓦解するようになっていますが、展開途中で落ちたムドラ・ケルドウを超えられないという試合が多発します。
デッキ単位で最大の障害となるとギミックなので、その対抗策としての採用となります。勿論、単に展開を弱めるだけでも十分な活躍をします。付随する形で、ティアラメンツ以外の墓地に依存するデッキに対しては ② は強みを活かすことができます。
最後にメインからの採用理由にもなる ③ ですが、このデッキでは《宣告者の神巫》や《永遠の淑女 ベアトリーチェ》から直接デッキから墓地へと送ることができます。
これまで展開札が余っていた場合は《宣告者の神巫》で適当に《サイバー・エンジェル-弁天-》をサーチして展開に成功した場合の天使の弾を増やす。ということが多かったですが、このようなケースでは《剣神官ムドラ》を落としておくことで、途中で展開が妨害されてもティアラメンツ対面で有効な妨害を残すことができます。
また、単にこちらのターンで動いてくるハゥフニスやティアクシャの肥やしに対してのカウンターを、展開前に構えられるという利点もあります。
イーバ制限で落とす先がなくなってしまったベアトの2回目の効果の利用先になるのも◎。シンプルに虹光やファフμβをEXデッキに戻してリソースを回復するだけでも十分な仕事となります。
幸魂の採用について
さて、ここまで環境について軽く振り返ってみましたが、課題とやるべきことがいくつか見えてきました。
まず課題は
「深淵の獣」ギミックが異常なほどに重い
ミドラと深淵(X)がターンスキップの破壊力を持っていることからギミックでの突破が現実的ではない。
の2点。そしてやるべきことは
強みでもあるムドラ・ケルドウへのアクセスの成功率の底上げ
ノヴァが絡むアーゼの動き以外の、墓地に依存しない盤面の形成・処理
と言えるでしょう。それらを解決するのが、冒頭でも紹介し、タイトルにもなっている《幸魂》です。
色々と書いてありますが、このカードはドライトロンにとっては
弁天でサーチでき、パーシアスの素材にできるステータス(光属性/天使)で
ドライトロンの共通制約の影響を受けず盤面に供給できる
Lv4非チューナーのモンスター
(最悪、天使の弾になる)
という存在です。地味な役割かもしれませんが、これによって以下の2つが実現可能となります。
神巫と組み合わせて 6+4 でのバロネス(10S)の着地
露払い/盤面除去/SS1回での(ミドラの実質2700を超える)攻撃力3000
先攻展開において、ベアトのフィールドに残してのパーシアスの着地
上記に付随する相手ターンのムドラ・ケルドウ・イーバ落とし
一見すると全て本筋のアルデク5妨害に影響しないため、必ずしも採用が必須とは思えないカードですが、現状アルデク5妨害が常に成功する保証はないこと、ドルイドを安全に処理する手段がない場合妨害数が足りないケースがあること、アルデク3妨害くらいであれば、手札に朱光+墓地にムドラ&ケルドウのほうが対ティアラでは強固な盤面となることなどから、今のドライトロンの先攻展開の着地点を考えるに当たって必須なカードとなっています。
実際に使用した動きのパターン
基本展開に関わらない部分なので、箇条書きでいくつか紹介します。調整段階では対ティアラメンツに特化して回していましたが、実践の結果として
後手の捲りでエクソシスターのバディスを踏まずに盤面を処理する(6+4で先にバロネスを作ってからドライトロンの動きをする)
デッキを問わず召喚権を使用した後に那沙帝弥を墓地に送るために、リンク素材用に盤面に供給する
融合モンスターを素材にして出てきたおかわりスタペに対して、使用済みの神巫(Lv6)の横に召喚し、バロネスを見せて相手のアクションを強要する
などなどの利用用途があり、小回りが効いて非常に動きやすく、従来のドライトロンでは負けていた試合を拾える一枚でした。
妥協点としてのバロネス+マスカ
ケルベクを受けた場合の通常展開
現環境では展開ルートの途中のベアトリーチェやファフμβにケルベクを受けることや、深淵の獣を受けることががたびたびあります。
(※今回は基本展開でわかりやすいケルベクで紹介します)
例えばこのような状況でケルベクが飛んできた場合、手数が神巫+エルγだけになります。
この場合今のドライトロンの動きでは満足に展開ができず、以下のような形で相手ターンベアトで2妨害を構えるような動きになりがちです。
こちらはこちらで妨害数が2~残りの手札の天使次第では追加も見込めます。
一方でその他に動きを咎められる要素がない場合、融合による《ガーディアン・キマイラ》の裏目も大きく、ただでさえマストカウンターが多いティアラメンツ相手に妨害すべきカードが多い状況は安心とは言い切れません。
このようなケースにおいては、幸魂を採用すると展開の別択を作ることが可能となります。
幸魂が絡む場合の妥協展開
いつも通り神巫で虹光経由で弁天を手札に。エルγを利用して蘇生までを行います。
この時に弁天のサーチ先を幸魂にすることで、6+4でバロネスへと繋がります。
これでバロネスの効果で目前のモンスターを破壊し、キマイラの裏目を未然に防いでおくことができるのは勿論、ドルイドヴルムやハゥフニスを破壊する場合、無効効果で追加のアドバンテージ確保の阻止も実現できます。勿論ケルベクのような墓地に送られた時の効果がないカードの場合は、変身に対する深淵の獣から守るためにも活用できます。
盤面を処理した後は相手ターンに神巫に変身し、効果でムドラを墓地に落としておきます。結果として ① ユニコーンでのバウンス(コストは手札に確定しているメテオニス) ② ムドラによる墓地メタが実現できます。
このパターンでは上振れを咎めやすい、ケルベク2枚で瓦解しないなどの強みがある一方で、盤面に次のターンのリリースコストが供給されません。後続がない状況だと取りづらい選択肢である一方、ムドラでリソースの回復自体は可能であるため、ドライトロン側のカードに被りや余りがある場合はこちらのほうが盤石になりやすいと言えるでしょう。
最終的には選択するルートは手札次第になってしまいますが、ルートの一つとして参考になれば幸いです。
ベアト残しでのパーシアス着地
おまけ程度ですが、ティアラ対面で無駄に落とさないために重要な動きです。従来の構築ではバンα+アルζなどの主要展開ルートで進むパーシアスルートはこのようなルートを通っていました。
この場合以下のようにダグザを経由し、ダグザ+ベアトでパーシアスへと着地する必要があります。
これで通常の5妨害は担保できますが、パーシアスコストイーバへの深淵の獣や、相手ターンのケルベクでの2妨害剥がし、何よりも重要なのはチェーンのハゥフニスの手札効果を無効破壊した時にチェーンで動きを守られるなど、場合によっては妨害を貫通する動きのリスクを抱えています。
こういうケースでは弁天のサーチでは幸魂を優先し、幸魂+ダグザでパーシアスを作ることで、相手ターンムドラで負け筋を最大限減らしながら動くことができます。
最終的にはこのような盤面となります。結界波などを喰らった場面でも、これで手札に朱光+緑光+イーバ、墓地にムドラで十分な生存率を担保できます。
プレイのポイント
最後に環境に合わせたプレイのポイントについていくつかまとめておきます。簡単なメモ程度なので、より詳細は Twitter リプライでもなんでもどうぞ。
ハゥフニスを意識した神巫の効果起動
現環境では、基本的に神巫は初動で使うようにしており、これまでと違い虹光とムドラを相手次第で使い分ける動きとなります。
基本的には虹光を送ることになりますが、以下のような分岐があります。全てティアラや墓地依存のデッキが前提のプレイとなります。
1.手札に展開札が十分に揃っている場合(メテオニス素引きなど)
対ティアラでは弁天や那沙帝弥を手札に加えるメリットが薄い
メイン戦はムドラ、サイド後はケルドウ落として妨害とリソースの回収ができるようにする
2.相手のハゥフニスを喰らった場合
3枚落としが無効牌の場合
後で喰らう誘発をケアするために弁天の枚数を増やすように動く
3枚落としがティアラモンスターやムドラケルドウの場合
ムドラを落としてデッキに戻してこちらの展開を継続させる
2.のパターンではアルデクとイーバの両立が難しくなることが多くなるため、先述のバロネス+マスカレーナのプランを優先することがメインになります。
トロイメア・ユニコーンでの手札のイーバ落とし
天空の歌声の素引きや、アルデクとイーバを両立できないケースでは、《トロイメア・ユニコーン》が展開カードにもなります。
先述の通りアルデクの少ない妨害よりムドラが絡む動きのほうが強い場合も多いため、以下のような盤面でターンを渡すようにしています。
ノヴァとエマージェンシー・サイバーの動き
以前はノヴァでバンα、エマサイでアルζからのリンクリボー→バンα効果が鉄板でしたが、現在はこの動きでは深淵の獣を初動に喰らってしまうため、ノヴァでアルζ、エマサイでバンαにし、バンαのサーチでの弁天へのアクセスを通すことも重要になってきます。
勿論残りのハンドによってそもそもどちらに喰らっても動けない場合などは変わってきますが、基本的にはリンクリボーを残さないのが正解のプレイになっています。
おわりに
通常展開はパーシアス型なので今回は差分だけの更新となりましたが、絶滅危惧種となるドライトロン利用者の減少を少しでも改善するきっかけになれば幸いです。
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