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M山木の*怪盗(9)

(註)本文に登場する地名、人名、団体は実在のものとは一切関係ありません。

喘ぎ声を無視して張形警部は短刀突入に用件を述べる。
「美少年探偵を一名調達したく」
「張形警部ですね〜、久しぶりですね。もっと早く連絡くれればいいのに〜」
ア怪、僕も興味あるんですよ〜。と声の主である小林青年は続けた。
小林青年は司法省所管のO坂高等地検検事長の子息だった。

「ア怪は童貞しか狙わないらしいから女の匂いを消さないといけないね〜」
性に貪欲な小林青年は「僕だったら中学生にだって見えちゃうよ、危ない関係ってやつ」と黄色い声を惜しげもなく披露する。
「私もお供させて下さい」息子ぐらいの年齢の小林青年に張形警部は頭を下げた。喉の振動が伝わってくるかのように感じられた。
「無線の調子が悪くて良く聞き取れませんでした〜。僕に任せてください」喘ぎ声とともに、面倒臭いなあ戦力外親父はという呟きがやけに生々しく聞こえた。

断捨離を推し進めた結果、男の子が寄ってこなくなりました。