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文学理論入門におすすめの3冊。

ゲイドルのぽたろうです。
学生時代に読んだ文学理論の本から印象に残っているおすすめの3冊をあげたいと思います。家に籠って小説を読む前に理論でもいかがでしょうか。

1.廣野由美子「批評理論入門」(中公新書)

批評理論についての書物は数多くあるが、読み方の実例をとおして、小説とは何かという問題に迫ったものは少ない。本書ではまず、「小説技法篇」で、小説はいかなるテクニックを使って書かれるのかを明示する。続いて「批評理論篇」では、有力な作品分析の方法論を平易に解説した。技法と理論の双方に通じることによって、作品理解はさらに深まるだろう。多様な問題を含んだ小説『フランケンシュタイン』に議論を絞った。
(中央公論新社ウェブサイトより)

フランケンシュタインを題材に批評理論(文体論、物語論など)を用いてテキスト分析を行なっていく。理論の紹介にとどまらず、実際の作品に当てはめているのがポイントで、理解度がぐっと増したような気がする。
新書なので手に取りやすいのも魅力です。

2.筒井康隆「文学部唯野教授」(岩波現代文庫)

究極のパロディか、抱腹絶倒のメタフィクションか。文学を縦横無尽に講義する超話題騒然大学学問小説。
(岩波書店ウェブサイトより)

文学理論へのアンチテーゼとして創作を書いてしまうという恐ろしさ。文学理論の講義としても読めるうえに、フィクションとしても大変面白く読めてしまう、そしてフィクションがパロディではなく微妙に現実味を帯びているようにみえる三重苦で、笑い転げてしまい読むのが苦しかった。
大学内の醜い闘争と高尚な文学理論(笑)が噛み合ってない。いま読んでも面白く読めてしまうのではないか。サブテキストなるものもあります。

3.ジョナサン・カラー「文学理論」(岩波書店)

構造主義、ディコンストラクション、フェミニズム、精神分析、ポストコロニアリズム……。20世紀に生みだされたさまざまな「理論」は,私たちに新しい思考のかたちを教えてくれる。「意味」はどのようにして生まれるのか、「読む」とはどのような行為か、アイデンティティはいかにして作られるのか――文学はもちろん、映画、テレビ、広告、音楽などあらゆる文化事象を「読む」のに不可欠な武器となる「理論」を、文学批評の第一人者が明快に解説する。これまでとは違った視点から世界を読み解くための、画期的入門書。
(岩波書店ウェブサイトより)

最後に一番おすすめしたい本。翻訳でありながら非常にわかりやすい。
2003年刊行にも関わらず、カルチュラル・スタディーズやポストコロニアリズム、セクシュアリティなど比較的最近のトピックにページを割いているのも素晴らしい。それでいてコンパクトにまとまっていて作者の手腕に驚くばかり。手素晴らしすぎて原著を購入した。原著はまだ読めていない。けれども猛烈におすすめしたい。電子書籍になってないのが惜しい。

文学理論は文学に限らず映像や広告にも有効だったりする。
文学理論きっかけで卒論では物語論や構造主義を無理矢理当て嵌めました。

同時期に創作系の本も沢山読んだけどあまり印象に残っていない。
結局のところ理論なのかもしれないね。
その流れで記号論とか構造主義とかにも興味を持ったのだけれども、それはまた別の機会にでも。

断捨離を推し進めた結果、男の子が寄ってこなくなりました。