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坂本勇人2000本安打達成に寄せて

2008年3月29日、当時小学生だった僕はテレビで巨人の開幕戦を見ていた。

東京ドームのスコアボード、巨人の8番の欄の ”4 坂本” がテレビに映され、「誰?」と思ったことは今でも覚えている。


そんなまだ無名の坂本勇人は、二岡の怪我もありそのシーズンショートのレギュラーに定着し全試合出場、翌年には途中から1番に定着し、高卒3年目にして打率3割をマークと、あっという間にスター選手に成長していった。

「誰?」と思った数年後に僕は、坂本のユニフォーム、ペン、下敷きを親に買ってもらって揃えるほどのファンになった。

僕と同世代の巨人ファンであれば誰であれ、坂本勇人への思い入れがあるに違いない。


坂本勇人の進化

坂本のここまでの道のりは、順風満帆ではなかった。2008~2011年あたりまでは失策が多く、他球団のショートや前任のショート二岡智宏と比較され叩かれていた。2013~2015年は、右にも強い打球を打てるようにと模索していた結果、打撃成績が低迷した。

しかし、坂本を成長させたのは貪欲な吸収力だった。守備面ではヤクルトの名手・宮本慎也に弟子入りし、確実性をアップした。打撃面では2016年の春季キャンプに訪れた松井秀喜氏の指導を受ける。軸足9、前足1のバランス感覚だという打撃理論を取り入れた。その他にも、オールスターやWBCなどの機会では、他球団の主力選手と積極的に交流して意見交換をした。

その結果、2016年には打率.345をマークし首位打者、2019年には打率.312 40本塁打をマークしリーグMVPを獲得、名実ともに巨人の顔に成長したのだ。(2016年と2019年のどちらがキャリアハイであるかは巨人ファンの間でも意見が分かれている。)


2020年の坂本勇人

前年リーグMVPを獲得し、脂の乗り切った31歳全盛期を迎える2020年も大活躍が期待された坂本だった。しかし、その滑り出しは最悪と言ってもよかっただろう。2度のインフルエンザ感染、そして新型コロナウイルス陽性判定と度重なる感染症。調整は決して十分ではなかった。その影響か、月間打率が7月は.231、8月は.263と坂本にしてはらしくない成績で苦しんだ。

しかし、打てない時期でも四球を選ぶことで.350以上の出塁率をキープし、調子が上向いた9月以降はヒットを量産した。また、2019年には衰えたかと思われた遊撃守備も復活をみせており、随所で華麗なプレーが光った。


〈参考〉(※まとめてみたら8月までも普通に凄かった)

6~8月 58試 打率 .255 10本 出塁率 .361 OPS .830

9月~   55試 打率 .318   8本 出塁率 .392 OPS .905(2000本達成時点)


坂本の凄みはたくさんあるが、私がもっとも凄いと思うのは、毎年通年での成績をしっかりと残せる点である。大きな怪我もなく、また今年のような調整の難しかったシーズンでも十分な結果を残し、31歳という年齢で2000本安打を達成できたのは、坂本がコンディションを維持しようと日々努力しているその賜物に違いない。


坂本勇人の今後

カウントダウンも行われ、2000本安打という偉業にすっかり祝福ムードである。31歳で2000本安打達成というのがとてつもない偉業であることは間違いないが、坂本にとってこれはまだまだ1つの通過点だろう。目指す先は2500本、3000本安打である。

以前の記事「坂本勇人のコンバートに見る3000本安打への夢」でも書いたが、私は坂本の打撃力維持と3000本安打達成のためにコンバート推奨派である。


しかし、打てるショートがいるというアドバンテージや、二遊間の後継者をどうするのかというチーム事情、そして何よりも坂本のショートへのこだわりも考えると、坂本はコンバートせずずっとショートを守っていく可能性もある。

3000本安打を目指してコンバートするか、3000本安打よりも生涯遊撃手でやっていくか、はたまた遊撃手をやりながら3000本打ってしまうか。(厳しいとは思うが坂本ならもしかするとやってのけるかもしれない。)

いずれの道を選ぶにせよ、僕はずっと坂本勇人を応援し続ける。


改めて、坂本勇人選手2000本安打達成おめでとうございます。これからも我々巨人ファンにとってのスーパースターであり続けてください。

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