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撮影現場でカメラを触らない仕事

仮定の話をしよう。

仲の良い友人が「動画作品を作りたいから手伝って欲しい」と言ってきた…。だが、自分にはカメラの知識はないし、作品を良くするためのアイディアも持ち合わせてはいない…。正直なところ何をすれば良いのかわからないのだ…。でも、友人のやりたいことを手伝ってはあげたい。一体どうすれば…。

カメラやマイク、照明機材を上手に操作することだけが、撮影の仕事ではない。

私が20代の頃、民生機のデジタルビデオカメラがそれなりに普及しており、
編集作業でも「ノンリニア編集」と呼ばれていた(対義にあったのはリニア編集)PCが1台あれば、完結する編集スタイルが出始めの頃だった。
よって、当時の我々のような”自主映画”を面白がって作る人たちも、続々と登場した経緯がある。

当時、私も自主映画を友人たちと集まって作ったり、「どうやったら、あの映画のこのワンカットを再現できるのか?」みたいなある意味実験的なこともしていた。隣で編集している人に「今度、おれの作品を撮影するから手伝って欲しい」みたいなことも、日常茶飯事であったのである。

少し前置きが長くなったが、カメラなどの機材を上手に操作できなくても、
撮影現場においては、それなりにやるべきことがある。
わかりやすいところからいくと…

  • スタッフ・キャストの食事→撮影現場は時間がないので、撮影現場に弁当などを手配してその現場で食事を摂る。俗に言うロケ弁というやつだ。

  • スタッフ・キャストの移動手段の手配、段取り→何時までに撮影現場に入り、移動手段は交通機関か自家用車か、現場近くの駐車場は?はたまたその費用はどうするか?など。

  • スタッフ・キャストの宿泊先の手配→ここは自主映画などではあまりないかもしれないが、何人で何泊するか?泊まる人間は喫煙者かそうでないか?などなど。

ここまでがベースとなる手配。「あご・あし・まくら」なんて言われることもある。さらに細かいことを言っていくと…車両の手配・小道具・備品はどうする??

こういったことを準備して撮影がスムーズにいくように事前に準備しておくのが助監督であり制作というポジションになる。
監督やプロデューサーが映像作品を作っていると思っている方も多いと思うが実際に手を動かし、足を使って働くのはこれらのポジションの人間になる。しかも、機材を触って作業をしているわけでないので側から見ると何をしているかわからない人たちなのだ。

最後に何が言いたのかというと、助監督制作という仕事が重要なんだということである。
今では動画を作ることを誰もができる時代になった。だからこそ、この2つのポジションを担える人材こそがもっと重宝されていく時代が来るに違いないと思う今日この頃である。


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